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MSP稽古取材日誌 ~明大生とシェイクスピア劇~ No.7

こんにちは!おちらしさんスタッフの望月です。
若い世代に向けて舞台芸術情報を発信する「ユニコ・プロジェクト(通称:ユニコ)」。

ユニコでは現在、明治大学が主催する学生演劇団体明治大学シェイクスピアプロジェクト(MSP)」 に密着取材をさせていただいております。

そして、その舞台製作の風景を、取材日誌として随時公開しています!

▼前回の記事はこちら▼

今回の【MSP取材日誌 No.7】は、先日大盛況のもと幕を下ろした本公演の、本番直前の様子をお届け!!
お客様をお迎えするため、カンパニー一丸となって舞台製作に取り組む姿は、必見です。ぜひご覧ください・・・!


11月3日
【本公演】受付準備・場当たり・ゲネ

ついに本番を翌日に控えたこの日、制作部の控え室ではお客様をスムーズに迎え入れるための準備が始まっていました。受付担当、場内誘導担当など班に分かれて、それぞれの実際の業務のフローと、この日、この後に何を準備するかなど、細かく打ち合わせをしていきます。

各班に分かれて綿密なミーティング。

打ち合わせが終わると、受付担当の皆さんがさっそく動きだし、来場者の入り口になる1Fへ。長机、イスはもちろん、予約客を整列させて順序よく受付に導くための、カラーコーンやパーテーションも運ばれ、キレイに並べられていきました。

1000人規模のホールで上演される公演なので、大人数が押しかけても混雑しないよう、また、"密"にならないように、受付は5か所に振り分けるようにセッティングされます。これも伝統あるMSPだからこその知恵で、先輩たちから引き継がれた方法なのでしょう。一見複雑なフォーメーションではありましたが、あっという間に完成していました。

システマチックな受付が、
みるみる完成していきます。

受付では、お客様の応対をする係と、その後でチケット用意する係に分けていたり、そのチケットが風で飛ばされないようにゴムで押さえてあったりと、ベテラン制作スタッフのようなテクニックと工夫がそこかしこに見られました。

風でチケットが飛ばれてないように、
輪ゴムを切って貼ったところにひっかけています。

ちなみに、今回の公演では、私たちネビュラエンタープライズが作成する「公演チラシ束」が配布されています。
そのチラシ束の配布も、チケット・パンフレットの受け渡しと一緒にしてもらえるようで、とてもありがたかったです。

無事にチラシ束が
受付のそばに納品されていました。

同じころ、3Fのホールでは、ゲネを直前にして、ギリギリまで最終確認のための場当たりが進行中でした。
役者はスタンバイに入っているので、演出助手チームが台本を持ちながら手分けしてシーンを当たっていました。その様子は、まさに総力戦。役者の動きをしっかりと把握していなければ成立しない場当たりのスタンドイン。この日のうちにどうしても2作品分のゲネを終えなければならないスケジュールのため、ものすごい速さで場当たりは進んでいました。

演出助手チームが手分けして
スタンドインしています。

そして、ゲネがスタート。まずは1作品目『夏の夜の夢』。
客席には本番をゆっくり観ることができない制作スタッフがズラリと座り、純粋なお客様として最初で最後の観劇をします。プロスタッフの舞台監督・村信さんから全体へ諸注意があってから、時間ぴったりに開始されました。

部署によっては本番を見れない人もいるので、
制作スタッフは全員ゲネを観ます。

これまでも何度も見学にきていたので、ストーリーや演出はわかっていましたが、衣裳・メイク・照明・演奏・音響が入った作品は、これまで観てきたどの通しをも上回る、素晴しい完成度でした。
途中、照明の調整などもあり、スタッフさんたちはむしろ緊張感を持って観ていたと思いますが、こちらはすっかり物語の世界に入り込み、2時間があっという間に過ぎ去り、カーテンコールではジンときてしまいました。

実は『夏の夜の夢』と『二人の貴公子』では、
吊ってあるランタンの形が違います!

1作品目のゲネが終わると、すぐに2作品目のための準備が始まります。照明の吊り替えや、おそらく裏周りのプリセットも変わるのでしょう。役者は体を休めないといけませんし、インターバルは2時間設けられていまた。

2作品目の『二人の貴公子』ゲネは、少し時間に余裕を持ってスタートしました。村信さんからは「とにかく焦らないように」と指示があり、また、全館空調のため暖房が切れず、役者たちに暑い思いをさせてしまうことを断っていました。
村信さんや井上先生のお話を聞いていると、プロとしての厳しさと正確さで、滞りなく本番を進行していきつつも、端々に心底、学生たちを慈しみ、このプロジェクトを大切にしていることが伝わってきます。

舞台監督の村信保さんから、
この日の段取りの説明がありました。

2作品目のゲネも無事に終わり、最後は、毎年恒例の記念撮影がありました。広い舞台のはずでしたが、メンバー全員が立つと、ぎゅうぎゅう詰めで、改めて、多くのメンバーによって成立している公演なのだとわかります。

撮影のときだけマスクを外しているのですが、どの笑顔も嘘のない、本当にこの時間を楽しんでいる素晴らしい表情でした。
残すは本番のみ!カンパニーみんなで、全力を尽くす3日間が始まったのでした。

これだけの大人数がこの公演に携わっています。

【担当記者:福永】

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先日11月6日をもって、無事に本公演は閉幕しました!!
現在、YouTubeにてアーカイブ配信行われています。
この機会に、ぜひ、ご覧ください…!!

◆『夏の夜の夢』はこちら!

◆『二人の貴公子』はこちら!

▼次回の記事はこちら▼

▼公演の詳細はこちら▼

第19回明治大学シェイクスピアプロジェクト
『夏の夜の夢』『二人の貴公子』

公演日程 2022年11月4日(金)〜6日(日)


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