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ラスベガス入門(歴史編5)

スティーブ・ウィンが登場する前にラスベガスでは、もう一人の男がラスベガスを変えていきました。その男の名はハワード・ヒューズと言います。

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ラスベガスでは1950年代にマフィア系のカジノホテルが次々と建設され、その経営は、ようやく1970年代初盤からマフィアから一般投資家、一般企業へ移行していきました。

フラミンゴホテルにも初期投資をしていた大富豪ハワード・ヒューズがこの新しい流れを作ったと云われています。

『アビエイター』というデカプリオ主演映画のモデルになった男です。20世紀を代表する億万長者でもあります。

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18歳で親の莫大な遺産を引き継ぎ、会社経営は部下に任せ、ハリウッドで映画製作に乗り出したり、航空会社を買収したり、話題の多い変人でした。

映画撮影でも自ら戦闘機を操縦したり、航空会社では自ら試験飛行を行ったり、そのせいで彼は何度も大怪我をしています。

そんな彼は、大のマフィア嫌いでした。様々な事業での収益(特に航空会社TWA売却等)を殆どマフィア経営のラスベガスにあるカジノホテルの買収につぎ込みました。

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これによってラスベガスのほとんどのカジノホテルはマフィアの支配下から脱却し、クリーンなお金の流入と行政側のカジノ免許の透明性強化が相まって、次第に健全なカジノホテルへと変貌していきます。そして街自体も健全なエンターテイメントシティへと変化していきます。

映画アビエイターでも彼の生涯が描かれてますが、晩年はラスベガスのデザート・イン(現ベネチアン)というカジノホテルの最上階で完全除菌されたスイートルームで暮らします。飛行機事故の後遺症で麻薬中毒でおまけに異常に細菌を恐れる脅迫性障害だった為です。

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変人と呼ばれた男は、ラスベガスでその後スティーブ・ウィンが活躍できる下地を作ったとも云えると思います。