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Mリーガー候補・一瀬プロ 高い反撃能力で予選首位勝ち上がり【IKUSA】

 反撃能力の高さも魅力の一つです。

 EX風林火山主催の「IKUSA」で日本プロ麻雀連盟・一瀬由梨プロが予選1位となり、準決勝に進出しました。

 4節16試合で持ち前の「裏セレブ打法」による攻めがさえわたりました。

 特に、最終節1回戦の南場で見せた逆転トップは予選首位通過の決め手となりました。

 準決勝は2023年5月29日(月)から4日間16試合(水曜日を除く)、決勝は6月3日(土)から2日間6試合行われ、優勝者が決まります。

 EX風林火山はМリーグ2023-24に向けたチーム力の強化として、IKUSAという「スペシャルスパーリングパートナー(SSP)」の選考会を行っています。

 Mリーガーを目指す多くの雀士がIKUSAに参加。各選手が1節4試合で計4節16試合戦い、総合ポイント上位7人とアマチュア大会の優勝者が準決勝に進出しました。

 EX風林火山はМリーグ2022-23でファイナルに進出し、所属している全4選手と契約更改。今回のIKUSAの優勝者がそのままEX風林火山に所属することはありません。

 けれども、Мリーグには来季から新たにBSJapanext(ビーエスジャパネクスト)の参入が決まりました。  

 IKUSAで活躍したプロがBSJapanextの4人の新選手に選ばれる可能性は大いにあると思います。

 Mリーガーとタイトルホルダーらが対戦する6月に始まる「Mトーナメント」とともに、IKUSAの準決勝、決勝に注目です。 

◎Мリーグの舞台で活躍を期待 

 必ずMリーガーになってほしい女流若手プロの一人が一瀬プロです。

 「セレブ打法」のTEAM雷電・黒沢咲プロに匹敵する攻めの強い華やかな打ち筋や、上品なたたずまい、ファンを大切にする姿勢などに魅せられているからです。

 一瀬プロは今回のIKUSAで第1節から大きなポイントを獲得し、波に乗りました。

 好調を維持し、総合ポイント5位で迎えた最終節の1回戦。一瀬プロは18000点の放銃にもひるまず、南1局3本場からあがりを重ね、逆転でトップを獲得しました。

 1回戦は日本プロ麻雀連盟・長村大プロ、日本プロ麻雀連盟・越野智紀プロ、日本プロ麻雀協会・椿彩奈プロ、日本プロ麻雀連盟・一瀬由梨プロの並び順。

 一瀬プロは東場でトップ目に浮上しましたが、南1局に親の長村プロに痛恨の18000点を放銃。南1局3本場を迎え、持ち点は東家・長村59000、北家・一瀬25300、西家・椿14600、南家・越野1100です。

 ここから一瀬プロの怒涛の反撃が始まります。

 一瀬プロが8巡目に5索をツモった手牌です。

 「567」の三色が狙えます。けれども、一瀬プロは5索をずばっとツモ切りました。

 椿プロが鳴き仕掛けで筒子のホンイツを目指し、ドラの8索を4巡目に切っていました。

 一瀬プロは5索をツモ切りしておけば、リーチして筋のカンチャンの8索待ちになったとき、ドラでも椿プロから出やすいと判断したようです。

 この思いきりの良さも一瀬プロの特長です。

 一瀬プロは10巡目に4筒を引き入れ、狙い通りカンチャンの8索待ちでリーチしました。

 南・發のシャンポン待ちで筒子のホンイツを聴牌していた椿プロが15巡目に8索をつかみ放銃。一瀬プロはリーチ・ドラ1の2600点(+900)です。

 一瀬プロの狙いがすばり的中した一局でした。

 一瀬プロは南2局も鳴き仕掛けで椿プロから七萬を打ち取りました。トイトイの2600点です。

 南3局を迎え、持ち点は西家・長村59000、南家・一瀬31400、東家・椿8500、北家・越野1100です。

 ラス親を残す2着目の一瀬プロがトップ目の長村プロとの点差をじわじわと詰めています。

 長村プロは一瀬プロのこれ以上の加点を阻止しようと、1巡目に發を1枚目からポンしました。

 長村プロは5巡目に四萬・六萬・七萬待ちで聴牌しました。

 長村プロの独走と思いきや追いついたのは一瀬プロです。11巡目に5索・南のシャンポン待ちでリーチしました。

 トップ目と2着目の手がぶつかり合い、勝負どころとなりました。

 ラス目の越野プロも12巡目に5筒・8筒待ちで追いつき、素点を回復しようとリーチしました。

 リーチ・タンヤオ・ピンフ・イーペーコーの満貫確定の手です。

 軍配は一瀬プロにあがりました。長村プロが14巡目に南をつかみ放銃。一瀬プロはリーチ・ダブ南・赤ドラ1の8000点(+1000)です。

 南4局を迎え、持ち点は南家・長村51000、東家・一瀬40400、北家・椿8500、西家・越野100です。

 ラス親の一瀬プロは長村プロと10600点差。4000オールで逆転できます。

 ここぞというときにチャンス手の入るのが一瀬プロです。

 一瀬プロはドラの六萬をトイツで持ち、9巡目に4索を引き入れ、盤石のイーシャンテンになりました。

 14巡目に2索をチー。六萬・7筒のシャンポン待ちで聴牌しました。

 一瀬プロは16巡目にドラの六萬をツモ。タンヤオ・三色・ドラ3の4000オールです。

 南4局1本場を迎え、持ち点は東家・一瀬52400、南家・長村47000、北家・椿4500、西家・越野-3900です。

 一瀬プロが南1局3本場から4連続あがりでトップ目に浮上。逃げきって勝利しました。

 一瀬プロはこの日の残り3試合も安定した打ち回しで予選を首位通過しました。

 一瀬プロはIKUSAだけでなく、麻雀最強戦などでも活躍しています。

 特に、麻雀最強戦2021ファイナルで鈴木大介九段からあがった国士無双は劇的な一撃で、一瀬プロの名を広く知らしめました。

 最強位に輝いたこともある鈴木大介九段は今月、将棋棋士とプロ雀士の「二刀流」で日本プロ麻雀連盟に入会しました。

 鈴木大介九段の麻雀プロ入りで、今をときめく強豪からあがった一瀬プロの国士無双があらためてクローズアップされました。

 一瀬プロにはいろいろ「追い風」が吹いていると思います。IKUSAの最終舞台でさらなる活躍を期待したいです。

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