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女子たちは・・・とにかく甘いものが好き?女子寮時代の「部屋替え」の思い出(2)

 女子寮時代の「部屋替え」の思い出について引き続き綴ろうと思う。
(当時、日記をつけていたわけではないので、実際の出来事とずれがあったらすみません!…今になると「紙」の日記をつけるべきだったと後悔しています…。)

 なにぶん18歳〜22歳くらいの、大学1年生から4年生くらいの女性たちの、食欲というのは、常軌を逸していた。幼少期から多大なる影響を受けた名作漫画「ドラゴンボール」の主人公である孫悟空が、大量の骨付き肉などを喰らう描写を思い出してほしい。孫悟空は、尻尾がついていたので人間なのかはわからないが、とりあえず、男性であると思われる。しかしながら、うら若き女子たちも、ドラゴンボールの孫悟空ばりの異様な食欲があった。

 女子たちが好きなものといえば、甘いものである。当時「スイーツ」などという小洒落た言い方は、日本国内に存在していなかった。スイーツではなく「お菓子」「甘味」であった。皆、甘いものに目がないというか、甘いものさえくれるのならば、思わず何処の馬の骨かもわからない人の後をついて行ってしまいそうなほどに(危険!)、猛烈に、甘いものが好きな人たちが多かった。そうは言っても、例外はあれどみんな等しくお金がなかったので、ケーキなどは、大変な贅沢品であった。ケーキやフルーツ。私は、ボロボロの社会人になってからも、長い間、果物を自分で買ったことはなかった。なぜなら米は1キロ数百円、野菜も95円などで買えるのに、果物の単価はとても高いのである。特に、カットフルーツの高さときたら!!!カットフルーツを気兼ねなく買えるようになった今の自分は「富豪(当社比)」であるという自己認識がある(ただし割引シールが貼られたものに限る…)。

 女子たちは、そもそも、物心ついた頃から、優しいようでとてつもなく残酷であったり、誰かの目を気にして、遠慮しているかのように見せながらも、とても図々しかったり、謙遜しつつも異様な謎の自負があったり、大雑把なのに、妙なところで細かかったり(それは私だが)、変なところで気弱なのに意味のわからない鈍感さがあったり(それは私だが)、何やら、大変に矛盾した生き物であるように思うのだが、甘いものを求めるのに、ダイエットをしたいという熱い思いもあるという、まさに「矛盾」を体現した存在であった。

 自分は家族の影響により、生まれながらにして、鶏ガラのような体型であったが、チョコレートが、大好きであった。今にして思うと、自分の脳は、一般的な人よりも、余計な思考に日常的に囚われすぎるので、短時間で猛烈に疲れてしまう。そのため、ちょこちょこと糖分を供給しなければいけなかった。チョコレートやコーヒーによって常に脳を覚醒させる必要があり、人よりもチョコレートをよく食べ、コーヒーをよく飲んでいたのだと思われるが(家族がみんなそんな感じだった…)、当時は、そのようなことは、よく分かっていなかった。

 当時、両親に似て鶏ガラのような体型、かつ(不本意ながらも)男性との浮いた交流はなく、それゆえにオシャレの必要性がゼロであったために、あまりダイエット熱がなかった。お菓子を半分くらい食べ、残りを輪ゴムで止めて、とっておいたりしたのは、ダイエットのためではなく、昭和の時代を生きたZozirushi(象印)のマホービンを愛用し、ほうじ茶(!)を常に持ち歩いていた、母直伝の節約方法であったので、単なる吝嗇(りんしょく≒けち)の結果だったのだが、その「甘いものを全部食べない」という行動を、寮の友人たちに、「ねすぎはすごい!」と、褒められることがあってびっくりした。

今風に言うと、「(お菓子を全部食べずに我慢できるなんて)神!」と崇められる、そんな瞬間があった。

 自分は胃が小さかったのと、そこまで甘いものが好きだったわけではなく、少しでちょうどいい、という感覚だった。以前も書いたが、当時の自分の胃の機能は、重篤な疾患にかかって手術をし、胃が半分なかった高校時代の古典の先生(老人)と同じくらいであった。しかしながら私の胃の機能の弱さについては、外からは、一切見えないため、私がお菓子を我慢し、とっておいている、という事実は、崇高な魂、強い意志のもとで行なっているかのように思われる瞬間があった。

 意志など別に無いのだった。少し食べたら十分なのだった。

 私は、マリー・アントワネット的なふわふわした服を着たことはなかったし、国民の税金を使える立場にはいなかったのだが、「お菓子を食べ切らずに、半分(輪ゴムで止めて)とっておける」精神性はもはや、「パンがなければケーキを食べれば…」と言ったかもしれない、言わなかったかもしれない、マリー・アントワネット的な贅沢な態度なのであった(アントワネットのことは、本当のところはよく知らんけど)。

 マリー・アントワネット、フロム北関東。

 とにかく、うら若き女性たちは、皆、甘いものが好きなのであった…(例外はあれど)。

思ったより脱線してしまい、部屋替え(=引越し?)が、関係なくなってしまいましたが、(3)に続きます!


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