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サークルのミーティング中に衝撃のニュースが飛び込んできた思い出

 いまだに大学時代の思い出のことばかり考えていて、歳をとるとますます昔のことばかり話すようになる、ということを実感している。時々、1999年に吉祥寺の西武スポーツ(現存せず)にて購入したマウンテンバイク(カゴとスタンドをつけた邪道なマウンテンバイク)に乗りながら、学生時代の出来事を思い出して可笑しすぎてニヤニヤしてしまう。近年、認知機能も衰えてきているので、せっかくなので、調子に乗って、思い出をひたすら書いてしまおうと思う(多少、脚色しています)。

 いろいろ文句を書いているが、大学時代は本当に楽しい日々だった。独特な入試のICU受験を考えている人が、ICUには、私をはじめ、ろくな人がいないと思ってしまったら、大学当局に対して大変申し訳ない。伏してお詫びである。

 ICUに入ったことによって、北関東出身で、心は鎖国、女尊男卑のようなネトサヨ的思考を身につけてしまった自分であったが、英語圏滞在経験は「6週間」ポッキリなのに、その後英会話などに巨額のお金を注ぎ込んだとはいえ、”amazing!”と言われるほどに英語もできるようになった。間違いなく、ICUの授業のおかげである。毎日、ものすごく、楽しかった。ただ、男女比でいうと女性比率が高すぎて、男性が一夫多妻制みたいな異様なモテぶりになっていたことには、毎日、憤っていた。

 正直なところ、彼らが、羨ましかったのだと思う。自分は一応セクシュアリティはヘテロセクシュアルであると自認してはいるが、大学では女性たちが素敵すぎたので、ウヨウヨいる可愛い女性とあっさり付き合える男性たちが、本当に羨ましかった。男性が羨ましかったのだった。なんだそれ。

 と言いつつ、大学内で全く女性に無縁、みたいな人たちも相当数、いた。この圧倒的に男性に有利な環境下で、その上女性に無縁というのは、圧倒的に魅力がないということの裏返しである。男性とは無縁だった私から見ても、この環境で女性に無縁の男性は、すこぶる気の毒だなあと思っていた(無縁仏…違うか)。

 少人数の大学だったので、全員知り合いの知り合いのような、超絶村社会だった。異性とトラブルを起こすと、村八分になるという声もあった。確かに、フランスの大学で博士号を取得し、映画研究者になった同級生の友人の意見を借りるならば「八つ墓村」のような環境だったと言える。

 そんな誰も彼もが知り合いのようになる環境下において、地味自認のある自分としては、あまりにもあらゆる出来事が友人に知られたりするがゆえに、息苦しさを感じでもいたが、そんな環境をものともせずに積極的に生きる人々もいた。私がとても印象に残っているのは、寮生活やサークル活動を通じて親しくなった、海外で暮らしていた同級生や留学生たちの、日本生まれ日本育ちの地味属性の女性(自分)からは到底及びもつかないような、恋愛やセクシュアルな出来事への積極的な姿勢であった。

 ある日、フィンランド人の女性の留学生が、寮に遊びにきていた友人の兄(理系)に対して、「彼のお尻が素敵」だと言っていた、というエピソードには途轍もない衝撃を受けた。私には、誰かのお尻を見る習慣がない。特に友人の兄の尻は見ない。尻が素敵か、素敵じゃないかを見分けるその視点がそもそも、ない。

 そのような国際的なのか八つ墓村なのか、国際的な八つ墓村、のような環境下で、信じられないスピードで男性の心を盗む、キャッツアイのような女性たちがいた。彼女たちをキャッツアイズと名付けたい。彼女たちはかろうじてレオタードは着てはいなかったものの、女性に慣れていなさそうな、純朴な人文系の男性たちの心を即座に盗んでは、ちぎっては投げ、ちぎっては投げることに長けていた(※個人の意見である)。

 ある日、無数の男性の心をちぎっては投げ、ちぎっては投げ捨てていた海外育ちの女性に関して、サークルのミーティング中に情報が流れてきた。

 サークル活動のミーティングでは、その時、部費の話や、今後の活動についての計画などが報告されていた。

 毎日、女子寮で美味しんぼの話などをして夜更かしをし、慢性的に睡眠不足だった私は、椅子に座ると即座に眠くなる体質でもあったため、ぼんやりとサークルの活動計画について聞いていた。とにかく、いつも眠かった。

 眠さを我慢する私に対し、同級生の女性がヒソヒソと、耳打ちをしてきたのだった。

 「ねすぎ・・・大変だよ!」

 「何!?」

 「今日、〇〇さん・・・・

  Tバック履いてるらしいよ!」

 「Tバック!?」

脳内に岡本夏生の臀部が浮かんできた。岡本夏生以外に履く人がいたのか。一般人である。現役大学生である。

「あまりにも履き心地がいいのでTバックしか履かないと宣言したらしい」

「何・・・その宣言!?」

「ええー!?ところで、どこで買うんだろ・・・
 ドンキ(ドン・キホーテ ※東八道路沿い)かな・・・?」

「いや、Victoria Secretらしいよ」

「Victoria Secret!!!(注:セクシーな下着などを扱う海外通販https://www.victoriassecret.com/us/」)

そういえば女子寮にも定期的にカタログが送られてきていた。いったい誰が登録したんだろうか。

眠かった私はその情報によって、即座に目が覚めた。

ティーバックを日常的に履いている先輩すごい!

すごいよ!SUGOI!

さすが・・・海外育ちで、インターナショナルスクール育ちの女性は・・・本当すごいなァ!と私は思った(個人差あり)。

以上です。

 

 

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