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Silent第6話を見ました。

今回ももちろん泣きました~。想~奈々ちゃん~。そして偏見だらけの自分に気づかされる回でもありました。

では妄想と勝手なる解釈の旅へ。

もう、始まりから、想の辛いシーン。心ない一言で傷ついて、傷ついてるのに申し訳ない気持ちになって、悪気がないこともわかってるから攻められない…ひとつひとつは大きくはないんですけど、小さな傷が治らないうちに上からまた傷をつけられて、それが繰り返されると、どんどん深くなって、治りも遅くなっていって…表情の堅い想。高校生の時の想とは別人みたいに輝きが失われています。演技をされる方ってすごいですよね。毎度ながら本当に思います。目黒連さん、すごいキラキラな方だと思うんですけど、この時の想はオーラ全消し、湿度があってちょっと野暮ったさすら感じます。 でも美しさは隠せないので、結果儚さも加わってしまうっていう…
 想が奈々と出会ったシーンで、イラストの表情と本人たちの表情がリンクしてましたね。頑なだった想が奈々と出会ってほどけて行く感じにも見えて、イラストのテイストとあいまって、胸がじんわり温まりました。奈々役の夏帆さん、とても可愛いらしいです。学生役もすんなりですね。「天然コケッコー」の映画の時からほぼほぼ変わってません。清純な感じ。
そして、カフェで想が怒るシーン。想の言動を見てると、まだ状況を受け入れられていないのがわかります。現在でも奈々以外に難聴の友人がいないことからも、ひょっとしたら想はまだ…。そして奈々に甘えているなあ、とも思いました。傷ついた奈々の表情見て、自分の言動に傷ついた表情の想。ああ辛い。想は高校生の時、ヒエラルキーでは上の三角にいた人だと思うんですよね。人気もあって、余裕もあって、あんな風に他人に感情をぶつけることって実は無かったのかもしれません。怒りって悲しみの2次感情的なところがあるので、想は悲しみを分けあってくれる近しい存在を探していたのではないかと思ったりもしました。この役割は聴者には非常に難しいですよね。奈々でなければならなかった。
 奈々は想に手話を教えることで思いを表出する言葉を取り戻させたと思うんですが、それと同時に表情も取り戻させたのかな、と。手話は情報として音で補えない分、表情で補ってる部分があるので、自然と表情が豊かになる感じがします。奈々と2人の時間の中で徐々に表情豊かになっていく想を想像して、セピアの写真が徐々に色づいていくみたいにちょっとほわほわしました。想にプレゼントしたのは手話だけじゃないのよ~奈々ちゃん。
 そしてそして、今回は奈々の切なさがヒシヒシビシビシザクザク伝わってくる回でした。思わずLINEで電話をしてしまうシーン、相手は紬とわかっていたのでしょうか。聞くことはできないけど、かけてしまったいじらしさにうるっときました。
夢の中でハンドバッグを片手に想と手を繋いで会話する奈々。この何気ない動作が難聴の方には難しいんですよね。両手がふさがるから、うまく手話ができない。日常の生活でこういった些細な違いはゴロゴロあるのかもしれません。私も気づかずに傷つけていそうです。本当は価値観の違いとか、立場の違いとかで聴者同士も一緒な気がします。
また、奈々が手話教室の前で紬を呼び止めて話すシーン。飲み物を頼もうとする紬の気づかいが、奈々にはまるでマウント取られてるように感じられますよね。静かな奈々が激しい言葉で思いをぶつけていて、話せる紬が言葉少なになる対比がすごく良かったです。話さない人は穏やかで優しいことしか言わないって思っちゃうんですけど、これは完全に偏見ですよね。私の無意識のバイアス。さらに、手話で話すと表情でも伝わりやすくなるので、奈々の言葉の強さがより際立ってるように感じました。奈々の言葉の強さは、伝わらないことを知っているからかもしれません。手話って声と違って意識的に発っさないと伝わりません。ふとした独り言を誰かが聞いてくれて気遣ってくれる、なんてことはないです。意識的に発したからこそ奈々の言葉は強くて、そんなこと他人に向かって言ってる自分の情けなさと惨めさも奈々は感じていそうです。飛び出した先で想に会ってさらに罪悪感と終わりの予感が奈々を追いつめると言いますか…この時の光の入り方、奈々がとても儚く消えてしまいそうに感じました。想からの電話を耳に当てるけれど聞こえない音、混乱した想の表情が、奈々の思いが受け入れられないことの暗示のようで泣いてしまいました。
ああ~随分長くなってしまいましたが、次は奈々と先生の関係も動きがありそうですね。楽しみです。
 

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