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仕事について話そう その2

研究室に届いていた募集だが、実はギリギリ期限を過ぎていた。
にも関わらず、採用試験を行うことになったのは、私が相当優秀なので採用したいか、まったく募集が来ないので来るもの拒まずなのか。
自分は「藁縋」状態という訳でもなかったが、親からの卒業せい&就職しろRUSHに突入していたこともあり、純粋にありがたいと思った。
ただ、「ITサービス業」がイマイチ分からないので、果たして受けても良いものか、と判断できずにいた。

適正&面接(最終)試験当日。
親会社はそれなりの老舗なので、子会社といえども段階を踏んだ就職試験になると思っていた。
まさか1日で終わるとは。
とはいえ、事前に準備をするわけでもなく、ノーガードで試験会場となる本社ビルに向かった。
移動途中に「弁護士はピンチの時ほどふてぶてしく笑う」という言葉を目にして、勇気をもらったことを覚えている。
「そうだよな、ピンチの時こそ冷静にならないとな」
乗り換えを繰り返し、最寄駅から徒歩約10分。
見上げるは、6階建てのビル。
入口には親会社の名前の下に、志望する子会社の名前が書いてあった。
ビル自体は新しい感じはしなかったが、でも、こんな場所に自社ビルか、なんて思っていた。

入口から入ると、正面に受付のお姉さんが座っていた。
要件を告げ、お姉さんが電話をかけた。
しばらくして、6階に上がってきてほしいので、エレベーターで向かってほしいと言われた。
あれ、普通待合室とかに通されるんじゃないんだっけ?
いきなり本丸に来いと?
しかも一人でエレベーターに乗って行けと?
まさか、開始早々にふてぶてしく笑うことになるとは思ってもみなかったな。
なんて思いながらエレベーターで6階に上がる。
エレベーターから出て辺りを見回すと、会社の名前が書かれた扉を見つけた。
どうやらこの一角が子会社の領域らしい。
扉の前に向かうと、扉から人が出てきた。
「あぁ、採用試験を受ける〇〇さん?」
「はい、そうです。」
「はいはい、ありがとうね。それじゃ中に入って」
あれ、そんな感じで進むのか???
もうちょっと、なんかこう、あるんじゃないの???

後に、「採用面接をやったことがない、元技術職の方が管理部だった」ということが分かるのは入社して配属されてからのことである。


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