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仕事について話そう

遡ること、20XX年4月。
都内の某IT企業に入社した私。
学生時代はゲーセン&パチスロ三昧で、ITスキルなど何一つ持っていなかった。
しかも、卒業までの単位がまったく足りておらず、4年生になっても1年生と一緒に実験などを行っていた。4年後期も5日5限フル授業な状態だ。
仲間からは「あいつの時間割でビンゴしようぜ」とネタ扱いにされていた。

周りは早々に就職先が決まっていたが、自分には活動する余裕もなく、11月になっても就職先は決まっていなかった。
そんな時、研究室の先生から提案を受けた。
「企業から募集が届いているんだが、受けてみるか?」
都内のIT企業で、本体から分社化され、その年に出来たばかりの会社だった。
その会社としては、初めての新卒採用である。
ぼんやりと「これからはITだよな」なんて思っていたが、就職はどうするか決まってはいなかった。
「IT企業だと思うんだけど…ちょっと違うんだよね」
「はい?何が違うんですか?」
ITサービス業、って書いてある。」
「なんですか、それ?」
「まぁITって付くくらいだから、IT関係の仕事じゃない?」
「はぁ、なるほど」
なんだ、ITサービス業って?
よく分からないけど、まず「IT」って付くくらいだから、IT関係の仕事だろう。しかも「サービス」って付くから、サービス業の一種でもあるのだろうな。

当時、ホテルの配膳のバイトをやっていた。
メインは結婚式の配膳で、宴会が無い日は、ホテル内のレストランやバーの配膳も行っていた。
自分はそのバイトが気に入っていた。お客様から直接「ありがとう」と言われることが単純にうれしかったからだ。
だから、説明できるように今日出す料理の内容を覚えたり、人を見て酒の種類や場所、量を変えたりと、色々と工夫した。
しかも、努力の結果はすぐに反映されるので、工夫を凝らす→ありがとう、と言われる→もっと工夫を凝らす→ありがとう、と言われる…というサイクルが組みあがり、バイト内では何かと重宝される存在となった。

ITにも興味があったが、配膳のバイトをそのまま続けてもいいかなと思っていた自分に、「ITサービス業」は実は理想な職業じゃないか?なんて思えてきた。
「取り合えず、何も決まっていないので受けてみようと思います。」

#仕事について話そう #はじめての仕事 #就活体験記


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