ネリマ富士

後期高齢者の仲間入りを果たしたのを期して、日々の出来事、気づきそして思いを綴ってみよう…

ネリマ富士

後期高齢者の仲間入りを果たしたのを期して、日々の出来事、気づきそして思いを綴ってみようと思い立った。老いを受け入れたくない自分と、受け入れざるを得ない現実の間での葛藤を客観化して、老いの楽しさ、おかしみを表現したい。

最近の記事

酒屋閉じ コンビニとなり 50年

 西武池袋線の練馬駅近くにあるセブンイレブンを訪ねた。買い物ではなく、存在を確認するために行ったのだが、49年前と同じ場所に目指す店はあった。わざわざバスと電車を乗り継いでまで確かめに行ったのは、1週間前の新聞に載った、「セブンイレブンの1号店が誕生して50年」との記事を読んだからだ。  練馬のセブンイレブンは開店は、1号店とほぼ同じ時期だったはずだ。結婚して入居した社宅の近くにあった酒屋のセブンイレブンへの転換は印象的だった。酒屋には、ビールや日本酒を買いに行っていた。セ

    • 気がつけば 君も僕も スマホ脳

       大谷選手の通訳である水原氏がギャンブルで生じた巨額の負債の支払いに、大谷選手の口座の金を流用したニャースには驚かされた。10億単位のお金を、他人の口座から勝手に引き出せるものだろうか。10億円も負けるまでギャンブルとはやめられないものなのだろうか。  ギャンブル言えば、10年以上前になるが、某大手製紙会社の会長だった人物がマカオ等のカジノで100億円以上を擦って世の中を騒がせたことが思い出される。パチンコ、競馬を始めとするギャンブルをやらない者からすると、「適当なところで

      • 旅ゆけば そこに人あり 飲み屋あり

         旅の楽しみはご当地グルメにありとばかりに、米沢ではお昼に「すき焼き丼」、山形では「山形蕎麦」、酒田では「刺身定食」を堪能した。夜は、繁華街にある居酒屋で一杯やりながら、店の親父の話を聞くのが楽しみだ。  親父ではなかったが、山形で入った居酒屋では店員に、ツマミにとった「たまコンニャク」のいわれを聞いた。店員は恥ずかしそうに「知りません。」と答えたが、次のツマミを持ってきた際に、「たまコンニャク」の由来を教えてくれた。  昔、貧乏人が人の集まる席に持って行く弁当に、饅頭の代

        • タクシーは 郷土の誇り 運ぶかな

           早朝に大宮駅を立つ山形新幹線に乗って、昼前に米沢の駅に到着した。あいにくの小雨日和だったので、駅前でタクシーに乗っり、行き先を告げた。  「上杉神社まで行って下さい。」  60歳前後と思しき運転手は、見かけによらず快活な声で応えた。  「上杉神社ですね。観光で来られたのですか。そうなら、御廟所をお勧めします。」  「そんなに良い所ですか。」  「杉の木立の中に、歴代の藩主を葬った社が立っていて、荘厳な感じがします。」  謙信を祀った上杉神社にお参りした後、運転手

        酒屋閉じ コンビニとなり 50年

          老人は バス・タクシーが 頼りなり

           バス停のポールに赤地に白抜きで【急告】と記した張り紙があった。何事かと思ってみると、「4月から土曜日も休日ダイヤで運行する」との知らせである。「乗務員の人員不足ならびに自動車運転手の基準改正への対応のため」と理由が書かれていた。「2024年問題」が、早くも我が身に降りかかってきたのだ。  ニュースでは「2024年問題」を、新たな残業規制でトラックの運転手が不足し、それによって物流が滞り、経済全般に影響が及ぶ問題として取り上げられていた。しかし、問題は物流だけでなく人流にも

          老人は バス・タクシーが 頼りなり

          買収の 行方を決める 労組かな

           日本製鐵は最近、アメリカのUSスチールを買収すると発表した。USスチールの経営陣は既に買収に同意しているそうだが、この案件を実現させるには鉄鋼業界の労働組合の同意が必要だと報じられている。  若い頃に、働いていた会社で労働組合の役員を経験した者として、この買収に対してアメリカの鉄鋼労連がどれだけの影響を及ぼし得るのか、今後の推移に興味が湧く。この話と逆に、USスチールが日本製鐵を買収することを想定した場合、日本製鐵の労働組合がそのような経営判断に影響力を与えることは難しい

          買収の 行方を決める 労組かな

          手習は 始める歳を 選ばない

           4月から某大学の社会人講座の科目「基礎からのエッセイ教室」に通い始めた。3年前に始めた「老境自在」は、「エッセイもどき」だと思っている。この「もどき」をなんとか取り除き、たいと思い受講することのした。  毎回、講師が出す課題に従い、600字のエッセイを書く。講師がそれに赤ペンを入れて返してくれる。最初の課題は、「節目」である。  さて、自分にとっての「節目」は、いつで、なんだったのだろうか。講師は、「節目とは、人生の中で幾度か訪れる転機の内で最もインパクトの大きなものを指

          手習は 始める歳を 選ばない

          縦が横 横が縦へと 変わるとき

           日本語の文章は、縦書きと横書きの2種類がある。元来、日本語の文章は、中国語や朝鮮語と同じく縦書きであった。横書きのはじまりは、江戸時代にオランダ語で書かれた本の翻訳本であるとされている。横書きは、明治時代に西洋化の進展とともに広がっていき、第二次大戦後にG H Qのローマ字導入推進策などがあって確固たる地位を確立した。  昨今、漫画の世界で、横から縦への変化が起こっているという。スマホで漫画を読む人が増え、縦描きの方がスマホに適していることからそうなっているようだ。漫画は

          縦が横 横が縦へと 変わるとき

          ボランティア 八十路近づき 尻込みす

           先日練馬区のマッチングフェアに行ってきた。マッチングフェアといっても、婚活ではなく、ボランティアをしてほしい人としたい人を結びつける集まりだ。  会場の練馬区民交流センターの入り口で、来場目的を書く紙を渡された。テーブルに置いてあった鉛筆をとって、その用紙の記入欄に従って、氏名、年齢、 ・目的:社会貢献と人との交流 ・内容:公園の掃除等 ・特技:なし  と記入して、会場に入った。  どんなボランティアグループが募集をかけているのだろうかと会場を1周してみた。子供食堂を運

          ボランティア 八十路近づき 尻込みす

          ローマから オスマントルコに 馳せる夢

           塩野七生の「ローマ人の物語」を読んだのは、今から20年近く前の還暦が近づいた頃だった。当時の新聞の書評欄で取り上げられて興味を持ったのが、この本を読むきっかけだった。文庫本で43巻(単行本では15巻)の長編で読み終わるのに数年を要した。  大学受験を日本史で受けたせいか、ローマの歴史について無知だったので、ローマが生まれてからヨーロッパ、アジア、アフリカにまたがる大帝国を築いていく話は、驚きの連続で長編を最後まで読み切った。それから10年後、古希を迎える頃に出たヤマザキマ

          ローマから オスマントルコに 馳せる夢

          アルコール 低めが今の トレンドか

           ビールのテレビCMが最近増えたように感じる。ビールメーカーが「若者のアルコール離れ」をなんとか食い止めるために、若者向けのCMを増やしているのだろうか。「若者のテレビ離れ」と言われて久しいのに、テレビにCMを打ってはたして効果があるのだろうか。  そんなCMの中に、オヤと思うキャッチフレーズがあった。 「ビールとの新しい付き合い方が始まっている。」 「やりたいことを楽しむためのビール。」  ターゲットを若者に絞ったCMのようだ。  飲んでもゲームをしたり、ドラマを一

          アルコール 低めが今の トレンドか

          散歩道 マックに寄れば 世界見ゆ

           ウエッブに、「マクドナルドの売上がイスラエル・ガザ・ボイコットで落ち込んだ」とのニュースが上がっていた。散歩の途中でコーヒーを飲みにマックに寄るようになって、マックに関するニュースが目に止まるようになった。この見出しでは何のことやら分からないので本文を読んでみた。  イスラエルのフランチャイズ店を経営するオーナーが、ガザに攻め入ったイスラエル軍の兵士に無料でバーガーを提供したことが発端で、アラブ諸国、パキスタン、マレーシア等のイスラム諸国でマクドナルド・ボイコット運動が起

          散歩道 マックに寄れば 世界見ゆ

          風温み 心のつぼみ ほころびぬ

           春のような陽気になった先週の土曜日、少し長めの散歩をしようと家を出た。いつもと違う道に入って行くと、青い空に黄色い花をたわわにつけた木が目に飛び込んできた。立ち止まってその木の立つお宅の塀のそばに寄って行った。  庭で中年のご夫婦が、黄色い小さな花がビッシリとついた枝を切って花束を作っておられた。 「綺麗な花ですね。これは何というか花ですか。」 「ミモザです。」 「ミモザって、こんな大きな木なんですね。写真を撮っても良いですか。」 「構いませんよ。どうぞ。」 スマホを取り

          風温み 心のつぼみ ほころびぬ

          謎の唐津焼 夢か現か

           富治が乗った福岡空港発、羽田往きの飛行機は水平飛行に入った。離陸時の緊張も解けて、脳裏に今日1日、佐賀で出会った人々の顔を浮かんぶと同時に、色々な思いが湧いてきた。  船岡家の裏の家の夫人、徴古館の女性職員、旧古賀銀行の管理人、なんの前触れもなく偶然に会ったにも関わらず、どの人も親切だったなあ。  船岡家の裏の夫人が言っていた「掃除に訪れる娘さん」とは誰だろう。左馬之助の娘ってことはないので、左馬之助の長男公造の娘さんだろうか。そうだとすると、私と同年輩の女性だな。  

          謎の唐津焼 夢か現か

          謎の唐津焼 掘り出した人

           富治は、旧古賀銀行本店の前に立っている。幅が20メートル以上ある赤レンガ作りの2階建である。正面玄関のドアの窓ガラスに、「佐賀市歴史民俗館 旧古賀銀行」と書いた案内図が貼ってある。  入り口のドアを開けて入り、受付の奥の事務室で机向かっている男性に声を掛ける。男性はにっこり笑って席を立って歩いてくる。 「見学ですか。」 「はい、中を見せて頂けますか。」 「もちろん。ご案内しましょうか。」 「いいんですか。是非お願いします。」 窓口の脇にある扉を空けて出てきた男性に、 「私

          謎の唐津焼 掘り出した人

          謎の唐津焼 出土した場所

           富治は、徴古館のホール脇の小部屋で、地図と住所録を持ってきてくれた職員に話しかける。 「早速にありがとうございます。実は、私は西のお濠端にある船岡家の縁戚の者で、江戸時代あの場所に誰が住んでいたかを知りたいのですよ。」 「そうでしたか、この地図はどれも江戸時代のものですが、西のお濠沿いの土地はほとんど鍋島姓の屋敷ですね。鍋島藩には藩主だけでなく鍋島姓の上級武士が複数いましたので、そのような人たちが住んでいたと考えられますね。」 「そうですね。市のホームページの『佐賀の歴史・

          謎の唐津焼 出土した場所