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『君のクイズ 』

やふぅー٩( 'ω' )و
今回は、読んだ本の感想を書きます。


小川哲著 『君のクイズ』 (朝日新聞出版 、2022)


本書の表紙デザイン、やたら目に入る。
前から何度も手に取っては、書店の棚に戻していた。
今回、古本で安く買えるチャンス到来だったので読んでみた。




ざっくりあらすじ

クイズ番組(『Q-1グランプリ』)のファイナルステージ。
勝利を手にするのは、三島か本庄か。

スタジオが静まりかえる緊張の中、問題文が読み上げられる前に本庄がボタンを押す。
問題文が1文字も読まれていない、ゼロ秒回答。

ピンポン

呆気に取られた三島は、この『Q-1グランプリ』の後に本庄の勝利はヤラセなのか、何が彼を勝利に導いたのかを追求する。


感想

読んでいくと「君のクイズ」というタイトルの意味が分かってきて面白い。
文章自体も非常に読みやすい。

主人公(三島)の主観で物語が進んでいくので、「僕は」で始まる文章。
主格(「僕は」)が多いせいか、自己主義的な印象を受けてしまい、最初は非常に読みづらい。
この主人公の「僕は」が強すぎて、現実にいたら近寄りたくないと思ってしまう。
けれども、この主人公の考え方が私自身の考え方と似ていて、奇妙な気持ちになった。
関わりたくないと思う人と、自分が似ている箇所を見つけたような気分。

本書の1番の面白さは、クイズの回答者が回答するまでの思考回路を覗けること。
1つの事柄に対して、回答するまでの行程を一緒に追いかけるのが非常に楽しい。
ミステリを解体していく時、蓄積した情報量の中から、人は何を取捨選択するのか。
それを含めて、この物語は面白い。
改めてクイズ回答者は、とてつもなく研究しているのだと思った。


本書の最後に、QuizKnockについて書かれている。
このストーリーを読みながら、めちゃくちゃ思い浮かんでニヤニヤした。
「白瀬矗」が出てきた時は、嬉しさ大爆発!!
ゼロ秒押しも、「地球押し」を思い出した。

思考回路の展開図を見るような楽しさ。
クイズプレイヤーは、こんな風に考えるのかという面白さ。
読みやすいし、面白いので読んで良かった。

おすすめです。

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