おと

98 | 小説、映画、旅、たまに日記

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98 | 小説、映画、旅、たまに日記

最近の記事

日記 6/3

先週は在宅+出張だったので1週間ぶりの出社。 久しぶり(と言っても、たった1週間)の満員電車で、あー通勤ってこんな感じだったーってげんなりした。 すぐ前の男子中学生の一団が50メートル走のタイムの話をしてた。中1で10秒って速いんやろか。7秒台の子いっぱいいたし、速い子は6秒台もいたけどなあ、ってぎゅうぎゅう詰めの電車でぼんやり考えてた。これってジェネレーションギャップ?それか地域差? 週末の福島旅行の写真、思い出として載せよーっと。 金曜夜に大阪出張から帰ってきて土曜朝

    • 日記 5/29

      実家でリモートワーク。終わって美容院へ。 半年前に引っ越してから行きつけの美容院がなくなってしまって、新しく開拓するのも面倒なので前回は適当に安いところに行ったらあんまり上手くなかった。 せっかく地元に帰ってきているので、ずっと通っていた美容院で切ってもらおうと思い立ち、ダメ元で今日予約できますか?と電話してみたらできた。 ここは小学生の時からお世話になっている。ずっと店長さんに切ってもらっていて、いつもマスクをしている彼は初めて切ってもらった時からほとんど年が変わってい

      • 日記 5/28

        久しぶりの日記。 16の時から5年日記を続けていて、もうすぐ2冊目が終わる頃だけど、同棲を始めてから夜に書く時間がなくなってここ半年ほどはまったくといっていいほど書けていない。 日曜日、うちに遊びに来た大学時代の友達が貸してくれた早乙女ぐりこさんの「ぐりこ、速く!もっと速く!」を読んでいたらなんだか自分もその時々に起きる出来事と心の動きを残しておきたくなった。記憶力が悪くてすぐに忘れてしまうから、起こったことも感じたことも、こうやって残しておかないとどんどん薄れてなかった

        • いつも救われている。あなたは気づいていないけれど。

          救われている。 本人には一切そのつもりがないし、私が勝手に救われていると思っているのを知らないのにも、救われている。 上京して、心の中をさらけ出せた初めての人だった。あの頃、本当に本当に東京が嫌いで真っ暗な毎日だった。 つまらない上に安い給料の仕事。 今思えば1年目なのだからどこで働いたってそんなものなのかもと思うけれど、人並みには仕事に憧れを抱いて、この会社で働くために住み続けたかった街を離れて上京した自分にとっては失望以外の何物でもなかった。 休日は外に出かければ人

        日記 6/3

          二人暮らし前夜

          7年付き合った恋人と別れて1ヶ月。 明日から別の大切な人と一緒に住むことになる。 この1ヶ月間が目まぐるしすぎて、まだ実感が湧かない。明日の今頃にはこの部屋を空っぽにして、二人で決めた新しい家で眠る想像がつかない。 彼はこの時に書いた人。 この人に会えたから東京に来てよかったー夜空はいつでも最高密度の青色だ|おと (note.com) 東京で消耗しながら半分死んだように生きていた自分を救ってくれた人。恩人であり、親友。人として大好きな人。であるが故に、二人の関係に男女

          二人暮らし前夜

          日記 4/11

          新入生向けの仕事紹介の記事について、自分が書いたことに今更うわーってなる。なんであんなこと書いたんだ、恥ずかしい。書き直したい。もっと当たり障りのないことを書けばよかった。 自分が書いたことを読むのも、それと無意識に比べてしまうのも嫌だから同期が書いたものも気になるのに読めない。もったいない。 同じ部の同期が2週間、有給を取ることになった。夏頃から寝れない日が波のようにあって、1月に産業医面談をして医者にかかるように言われたけど忙しくて放置していて、この前やっと医者にかかっ

          日記 4/11

          この人に会えたから東京に来てよかったー夜空はいつでも最高密度の青色だ

          ⑮『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』 石井裕也 4/5 本当は先に詩集を読んでから、と思っていた。 でも、あまりにタイミングが今すぎてPrimeにも入っていないのに観てしまった。 東京は感性を全開にして生きるには辛すぎる。 東京に来てからの自分は、心が不感症になっている自覚がある。 嬉しい、悲しい、悔しい、そういった自分の感情すら一瞬で消費して、感情の濃度が随分薄くなった気がする。じっくり感情を味わう暇もなく、いつも追い立てられているような気持になる。 目に映るだ

          この人に会えたから東京に来てよかったー夜空はいつでも最高密度の青色だ

          見たくなかったものと、生きる意味ー死にがいを求めて生きてるの

          ⑭『死にがいを求めて生きてるの』 朝井リョウ 3/5 居心地が悪い いつからか、朝井リョウが書く物語に居心地の悪さを感じるようになった。 理由の一つは言葉を過剰に感じるようになったこと。 修飾がいちいち多くて、細かすぎる。 人の話を聞いている時に、ふと意識が逸れてどうでもいい細かいこと(相手の口の動きとか、髪のハネとか、顔の形とか)にいってしまうことがあるけれど、あの感じを無理やりねじまれるような。物語の筋にちゃんと集中したいのに、全然関係ない細部に無理やり注目させられ

          見たくなかったものと、生きる意味ー死にがいを求めて生きてるの

          日本最西端の島で初対面のおじぃに一からヤギ汁を作ってもらった話

          一から、というのは言葉通り本当に一からで、その時私達は子ヤギを母ヤギから引き離すところから、全てを見ていた。 もう何年の前の話。大学生の長すぎる春休みを使って、友人4人と沖縄の離島を自転車で巡っていた。 いくつか島を周って、せっかくだから日本の最西端に行こうということになり、石垣島から与那国島行の飛行機に乗った。 お金はないけれど時間だけはある私達は本当は片道4時間かかるフェリーで行こうとしていたが、そのフェリーがあまりの揺れの酷さに地元民から「ゲロ船」「洗濯機を船に載

          日本最西端の島で初対面のおじぃに一からヤギ汁を作ってもらった話

          帰国前日記5

          帰国前日記1|おと|note(ダニーデン→ウェリントン) 帰国前日記2|おと|note(ウェリントン) 帰国前日記3|おと|note(ウェリントン) 帰国前日記4|おと|note(ウェリントン→オークランド) 12/2 ランギトト島 朝から快晴で絶好のお出かけ日和。 デボンポート・ビーチかランギトト島か迷って、島に行くことに。 泊まっていたYHAを出て港まで歩き、フェリーに乗る。 ランギトト島はオークランド沖合に浮かぶ円錐形の島で、海底火山の噴火によって600年前に誕

          帰国前日記5

          帰国前日記4

          (下書きに残っていた書きかけの日記。2020年末、コロナ禍での留学を終えてニュージーランド・ダニーデンからウェリントン、オークランドを通って帰国した時の。紙に残っていた日記と記憶をたよりに書いてみる。) 帰国前日記1|おと|note(ダニーデン→ウェリントン) 帰国前日記2|おと|note(ウェリントン) 帰国前日記3|おと|note(ウェリントン) 11/30 ウェリントン→オークランド 早起きしてパッキングして宿をチェックアウト。4泊で$96(約6700円)だったの

          帰国前日記4

          真夜中乙女戦争ー東京版『夜は短し歩けよ乙女』

          ⑬『真夜中乙女戦争』 F 4/5 Fさんの紡ぐ言葉との出会いは、Twitterだった。彼の紡ぐ、孤独で、でも誰かと通じ合えることを諦めていない言葉がストレートに刺さって、そこからInstagramに辿り着き、この本と出逢った。 『真夜中乙女戦争』はFさんのエッセンスをそっくりそのまま小説世界に投射したような物語。 Fさんのエッセンス。Twitterから始まりInstagram、エッセイ、小説と読んでいく中でFさんの紡ぐ言葉の核にあると自分なりに解釈した思考達。 携帯を

          真夜中乙女戦争ー東京版『夜は短し歩けよ乙女』

          『もらとりあむタマ子』ー住む場所、働く場所

          淡々とした脱力系映画。働かず勉強せず家事もせずひたすら漫画とゲームに時間を使って罪悪感なくこれだけだらだらできるのって一種の才能だと思った。 こういう人の方が人生うまく生きられそう。夢に向かって全力疾走っていう生き方はもちろん楽しそうだけど、全力疾走するのはその夢がある時だけで他の時は別に上を目指さずなんとなく生きて、それを自分で肯定できたら生きるのが楽になるだろうなと思う。 ラストシーンでこれからどうするかと聞かれた時のタマ子の台詞「ま、どっか行ってるでしょ」が「なんか

          『もらとりあむタマ子』ー住む場所、働く場所

          ⑪TUGUMIー変わらないもの、その大きさ

          『TUGUMI』吉本ばなな 5/5 この世で一番好きな作家、吉本ばななさんの小説の中でも個人的ベスト3に入る。 何回も読み返しているけれど、その度に風景や心理描写に「ああいいなあ」と思う。物事に対する捉え方の層が深い。 人の感情には少しずつ種類の違う層があって、普通はその違いが認識できないかうまく言語化できないから全ての層をひとまとめにして、いっしょくたにひとつの言葉で言い表してしまうけれど、TSUGUMIの描写は、その何層にも重なったベールを一枚一枚剥いで、その透き通

          ⑪TUGUMIー変わらないもの、その大きさ

          ⑩小説王ー小説の役割

          『小説王』早見和真 4/5 面白かった。第一志望群の企業の最終面接前にも関わらず、どうにも止められなくて面接対策をほっぽり出して一気読みした。 何がこんなに面白かったんやろう。小説の中で、小説作りの世界を書くっていう題材設定?登場人物のキャラ造形?展開のテンポの良さ? 悠が見た朝日に対して、「自分というフィルターを通して、自分の言葉で描写しろ。」と伝える俊太郎。小説の本質を言い当てている。小説とは、作家というフィルターを通した世界の見方。 出版社の新卒サイトに「小説と

          ⑩小説王ー小説の役割

          ⑨窮鼠はチーズの夢を見るーまなざしの描き方

          『窮鼠はチーズの夢を見る』行定勲 3/5 ”まなざし”の描き方が面白い。 冒頭、寿司屋で恭一を見つめる今ヶ瀬の目は、明らかに好きな人を見る目。主人公が自分がゲイかもしれないと意識する所から始まるのかと思っていたら、いきなりキスシーンで展開の早さにびっくり。 印象的やったのはアジア料理店で恭一、今ヶ瀬、恭一の元カノ、今ヶ瀬のセフレ(?)が食事をするシーン。台詞はないし、皆笑顔で表面上は楽しげなのに、視線の動きだけで4人の間に漂う恋愛がらみのぴりぴりした緊張感がびんびんに伝

          ⑨窮鼠はチーズの夢を見るーまなざしの描き方