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勝てるデザイン養成ギプスをはめてみた

こんばんは。九州のフリーランスデザイナーNenpa_(@nenpa_)と申します。
勝てるデザイン養成ギプス、どうなった?ってよく聞かれます。
そろそろ口を開きますね。あ、その前に…

勝てるデザイン養成ギプスとは

デザイナー必読バイブル「勝てるデザイン」に感化され、前田さんに弟子入りしたいという熱い闘志だけで巻末ワーク15本をこなしNoteを書くというスーパーハードな偉業を突破し集ったメンバーを、さらに前田さんがビシバシ張り倒し、テコ入れするというサディストな企画。詳しくはこちら!↓

私がなぜギプスに参加したかというと、育児でデザイナーをリタイア後、9年間現場に戻れず、しかし脳内はデザインだらけ。苦悩の時期を終え、やっとフリーランスで再スタート。デザイナーとして成長したい。質を高めたい。あわよくば世界を目指したい。悶々ブツブツ…  経緯はこちら!!😫↓

それではやっと本題へ

2022年5月始動!

Discordに集合しまずは顔合わせ。メンバーは4人。
他、NASUのゆったんさんと前田さん。ドキドキしながら挑みます。
ギプス募集要項には以下の文言。

「仕上げに最低30ページ以上のミニブックを作るので自費で印刷費用を出せる人(最低3万円〜)」

 つまり、本を作る…!!! ワクワクです!🤤
しかしここはギプス。15の勝てるワークをこなし、猛烈特訓に耐えに来たのです🔥🔥
よだれを拭い、皆さんの自己紹介と志望動機を聞く。
 成長したい、家業を背負っている、道を模索中…それぞれ濃い事情あり。
さぁさぁ、全国から選りすぐりのテコ入れられ猛者が集いましたよ!!
ギプスをガチガチにはめるぞ!!!
鉄球カーーーーーマンっ!!!⚾️🔥

5月の課題:【目的】を定めよ。
なんのために誰に伝える本か?

早速、Discordの個人チャンネルへ移動。
まずは思考をそのまま書き出します。
何のためにこの本を作るのか。作って自分はどうしたいのか。
どんなことが社会に起きて欲しいのか。
そもそもの目的を考えます。ブツブツ悶々。字数がビチビチパンパン。

6月の課題:コンセプトを100個つくれ

100個ですか!任せてください、こういうの好きなんで!どるぁぁあぁ🔥🔥
合間にチョンチョンと前田さんのコメントが入ります。

コンセプトってなんだろう?

ちなみに前田さんからお伝えいただいたコンセプトの定義はこちら。

・コンセプトは世界をよくすると同時にあなたがしあわせに生きられる方法
・コンセプトは数字を除く母国語の文字20字程度の言葉
(玉樹真一郎著:コンセプトのつくりかた
「つくる」を考える方法)
ワクワクがない問題

数だそう、数!😫 ハァ、ハァ… 50!🔥🔥
そして、100…。🔥🔥🔥 いや、まだまだだ!!
さらに!!🔥🔥🔥🔥
…最終的にコンセプトは131個考えました。
しかしどれも納得がいかず、沼。
サラッと描いていますがこの5・6月までの自分の思考と向き合う時間が全てのベースとなり、後々何度もここに立ち返ることに。

7月の課題:月末に企画のプレゼンを行おう

・コンセプト(あなたと世界が幸せになるワクワクが起こるもの)
・最低3案
・印刷の仕様とおおよその予算も

3案ですね…。国内&海外に作品集を出したい、ということは決めています。この方法をどうするか。6月に深掘りしたコンセプト100個(131個?)をもとに、3案考えました。
1 . 折り紙案   2 . 手作りアートブック案    3 . チケット案

1 . 折り紙案 2 . 手作りアートブック案 3 . チケット案

前田さんにプレゼン。言いたいことがありすぎて内容をコンパクトに伝えきれず悶々。目的がバラバラしていることをご指摘いただく。

目的を1つに絞る

8月:目的から立て直す

そもそもなぜこの本を出して、この本で何がしたいのか
目的をシンプル化し目的を果たせる企画を考える。
一旦、私は更地にもどし、目的から構築しなおします。他の皆さんはビジュアル台割を進めたり各々作業を進めることに。

なぜ海外に出したいの?
→昔から海外と仕事がしたかったが踏み出せず。GIPSをきっかけにしたい
この作品集で何がしたいの?
→仕事につながる人脈が欲しい

海外に出し、人脈をつくる。
思えばその目的を果たすための見映えや仕様ばかり考えていました。

・海外にウケる ・目立つ企画 ・変わったものを

しかし本を作ることの前に、そもそもギプスに参加した目的はなんだったろうか。

「アウトプットを多くし、表現を尖らせ、デザインの品質を上げたい」これだった。

しかし提出した案は3つとも過去作品をまとめたものにすぎない。
アウトプットを増やし、海外に出すなら「現在の自分らしさ」を確立すべきだ。今回のための自分のオリジナル作品としてイチから作ったほうが手を動かせていい。作品集の企画から考え直すことに。

9月の課題:9月末迄に デキバエ40%の
ビジュアル台割をつくろう

9月11日。全体ミーティング。イチから考え直した2案を提出。
入国審査に必要なパスポートを模したデザイン
国と国をまたぎ、行き来できるイメージ。先月決めたように作品はオリジナルで作る予定だ。
4 . パスポート案(48P) 
5 . パスポート案(250P)
1つは10年用パスポートと同じ48P。もう一つは手数を増やすために250Pの圧倒的な量で見せるつもり。台割も制作した。

4 .  5 . 幻のパスポート案

👉 前田さんからのご指摘 🔥😫
48Pの方は海外向けにフックになる部分が弱く、250Pの方は本を売るための仕組みに重点を置きすぎている。
… さらに揉むことに!!!

量をこなし質を高める為にオリジナルで作品を作ることを決めた。
それによって「私らしさ」ってなんだろう。…と、深く考え始める。

25日。全体ミーティングにてブラッシュアップした1案を提出。
・パスポート案(48P+デジタル
パスポート型作品集。旅行では味わえない「日本の日常」をテーマに、デザイン・タイポ・ロゴ・UI・WEBなど項目に分けて作ったオリジナル作品を掲載。国内は本、海外用にはデータをメインに販売。
パスポートを完コピし、本物らしく。

やみくもにスライドを作ったりしてみる

<私に対するコメント>
なんで海外なの?

→昔から海外のデザインが好きで、日本よりも海外から影響を受けているデザイン、というのも私らしさだと感じています。
自分らしい海外らしいデザインってなんだと思う?
→ … (自分のデザインをわかりやすく言語化する言葉が必要ですね…)

<ギプス全員へ前田さんのコメント>
😫💦⚡️
軸が甘いからこのままだと、アウトプット弱くなりそう。どうせならONE DESINGで何か動かせるモノを目指そう
今一度 ・なぜ作るのか? ・何を? ・誰に? ・どうやって? ・コンセプト をしっかり決めていこう。

10月の課題:もう一度コンセプトと目的から

ここで急に「パスポートそっくりすぎるのって大丈夫なのかな?」という不安が。念の為パスポートセンターに確認。
「似せたデザインはよく出回っていますが、こちらでは禁止しているとしかお伝えできません。若干似ている、という程度であれ誤解を生むので…」
ガーーーン…。つ、作れなくなってしまった…😭✋    (((✨🌎✨
10月末にもなって、全くの更地状態に!!
一から企画を立て直すことになった。ヒィぃぃぃ〜

11月の課題:ビジュアル台割を再構築
→月末には100%を目標に

11月、振り返ると企画ばっかり考えていた1ヶ月。
手を変え品をかえ、全く違う案を練る。
6. BONSAI 案(盆栽モチーフのタイポ作品集)
日本らしさ、海外ウケを意識 。
→ 売る、繋がる、しくみなどを重視し、本をつくる意味が薄くなりボツ

この頃は仕組みづくりに囚われてしまっていた

中旬、ふたたび新たな企画をいくつか提出。「架空シリーズ」だ。
7.  架空の店舗のブランディング作品集
8.  架空の企業を一式ブランディングする作品集
9.  私のフェチを盛り込んだ架空バンドのワールドツアーパンフ
全体ミーティングでまたしてもプレゼン。すると1つ、前田さんの興味が向いたものが。9.  ワールドツアーパンフである。
この企画を掘り下げていくことに。

初回のバンド案の企画書。私のフェチって何?

12月の課題:年内に入稿データ完成を目指す

12月はいよいよ追い込み。月初にワールドツアーパンフ企画をブラッシュアップし直したものをUP。

好きなものを一言でまとめるのムズカシイ

<前田さんから>
・いろいろと混ざっていてわかりにくい
・蜘蛛の巣は一言で伝わらない
自分のフェチって何なのかをもっとわかりやすく
新たにコンセプトを練り直しては提出。→沼…!😫💦

自分のフェチをわかりやすく…音楽的なデザイン。
インディーズバンドのグラフィック かな?🔥

シンプルに 蜘蛛の巣(インターネットの網)+ 架空バンド をモチーフとしたツアーパンフということになった。世界へ出たいのでワールドツアーだ!⚡️🎸😈🔥🔥🔥🔥😈🎸⚡️

ゆったんさんに進行いただき、毎週末に全員でZoomミーティング。
それぞれの進捗を語る。週末に集うから、嫌でも進めざるを得ない。提出スピードが早くなり、なかなかのクライマックス感
進捗がそれぞれ異なるので1週間ごとの目標を書き出し、詰めていくことに。
まずはワールドツアーのパンフのデザインをざっくり制作する。
私の企画はワールドツアー用の販促を全て作り、一冊のパンフにまとめるというもの。範囲が大きい。写真もモデルを募って撮影が必要だ。ひとまず仮の写真でいく。仮のデザインや文章を入れ込み、中旬には仮デザインの台割は100%埋まった。

パンフ中の記事も書かないといけない為、細かい設定を作り込んでいく。
バンドの雰囲気をしっかりと決めていく作業。どの程度のインディーズなの?何人?性別は?ポジションは? デザインイメージも決めていく。月末までにおよそのイメージは集まった。同時進行でツアーパンフの記事内容をライティング。インタビュー形式の設定だ。
バンド結成の馴れ初めは?どんな音楽で何を伝えたい?なぜこのCDを作ったの?今後はどうしていきたい? … 架空設定だから、と思いのままに記事を書く。すると、あれ?なんだか自分自身に似てきたみたい。

そこで神からの助言が。

自身のキャラクターや強みを言語化していく。

なるほど!バンドの設定やキャラクター自体を、私のデザインの特徴、らしさを分解したものにする。こうすることでバンドのファンになる=私のデザインのファンに。前田さん、さすがです!!!

前田さんから、そろそろキービジュアルを制作してみてはとのご意見あり。ツアーパンフ内に大きく登場するCDジャケットを2種制作してみる。他に、イベントフライヤーやグッズのインフォメーション情報などを作成、日本語だけでなく英訳も必要だ。細かい設定の造りこみにかなり時間を割いてしまうことに。デザインにあまり時間がかけられない。まいった…。
とにかく時間がない。
年末がすぐそこにきていた。

1月:100%台割段階からなかなか進まず。
中旬には1冊全て完成させることを目標に。

1月8日におよその内容を見ていただく。
仮で手持ちの写真を入れていたが、夜景の写真などでは雰囲気が出ず、どんな世界観になるのかイマイチ見えにくい。
案の定、前田さんから「ライブやバンドの写真じゃないといまいち雰囲気が分かりにくいな…」とご指摘あり。
ですよね…。想定していましたが撮影させていただけるバンドを探す為に声をかけねばならず、なかなか踏ん切りがつかなかったのを反省。
 すぐさまライブハウスに片っ端から電話。イメージの近いイベントをピックアップ。片っ端からバンド名を検索して音源を聴きまくる。直近のイベントで世界観の近いバンドはほんの一握り。ライブハウスにアクセスしまくる。中で1つ、本当にマッチしたバンドからOKをいただけた。やったー!!大急ぎでライブハウスで撮影を行い、写真を入れる。お、だいぶツアーパンフっぽくなってきたぞ〜!!!🙌✨
1/31 およそ実際の内容を入れ込み、無事に提出。
今後はそのまま実際の原稿を入れ込み、進めていい。とのこと。

2月:実際の原稿を台割に入れていく。
遅れをとった部分を個人的に詰めていく作業

1月末にほぼ実際作ったもので内容は埋まったが、作り込みが荒いままだ。
原稿内容をさらにブラッシュアップし、細かいグッズやCDの中面、作詞などの情報を入れこんでいく作業を進める。

3月:ここまでをNoteにまとめる

2月でバタバタした事もあり、ギプスの進捗が途中止まってしまいましたが、
5月末までに完成予定とし、現在も進めています。

海外にZine(作品集)を出す。ということで、正直かなり流通方法に苦戦していて、デザインよりも前に実現できるのか、販売できるのか、そこにつまづいている状況です。

Noteをまとめるにあたり、時系列でDiscordを見ていると、過去の自分が思い切り書き出した大量の思考の記述が残されていて、それを振りかえることで本当の自分の欲求や目的を分析することにつながりました。

勝てるデザイン養成ギプスで得られたもの

この本をなぜ世の中に出すのか、なぜこれを作ろうと思ったのか。
作ると自分はどうなるのか、どうなりたいのか。
そしてこれを手にした人にどう行動して欲しいのか。

最初に出た課題「目的を考える」「コンセプトを100個考える」
ここが最も重要な項目で、日頃のデザインワークではなかなかここまで時間をかけて考える機会はあまりなく、クライアントのことならまだしも純粋に自分のためにつくる、ということにここまで向き合ったことはなかった
自分はどんな人間でどんなものを作るのかこの本でどう思ってほしいのか、そこを深く掘り下げ突き詰められたのは本当に貴重な時間だったと思います。
ここに向き合うことに時間をかけたお陰で、何をするにしても目的とコンセプトを意識するクセが身につきました。

また、このデザインを世に出すことで、何をしたいのか、受け手に何をして欲しいのか。それによって私はどう幸せになるのか。
ここを強く意識することになり、仕事をする上でも大変役に立っています。

ギプスで作品集を完成させたい

2・3月は個人的にもバタバタして、一度進捗が止まってしまいましたが、5月末までに入稿データを完成させる予定で進めています。
 私の場合は、たまたま自分の作品集をつくるという設定上、ギプスでコンセプトを突き詰めること=自分を深く見つめ直すことにつながりました。日頃は仕事でクライアントのことを中心に考えていたので、自分100%を突き詰めて考えることがあまりなく、ふと自分100%の「らしさ」を説明してみて。と言われると言葉につまるデザイナーは多いのではないでしょうか。
 作成中の作品集では、ネットでの広がりやAIの話も出てきて、ほんの2ヶ月経っただけでも内容を書き換えなければ古く思える程、時代の在り方や考え方が日々新たに更新されていくのを感じます。
 いつの間にか、個性を活かす時代になったと感じています。じぶんらしさってなんだろう?と改めて考える最高の機会と、大変貴重な時間を与えて下さった前田さんに改めて感謝いたします。そして時代の節目を感じるこの本をより多くの方に届ける為、しっかりと完成させたいと思っています。

完成したらまた、公開いたしますのでお楽しみに!!!

 あ、ひとつだけ皆さんにお願いが…!🙏 海外に向けて作品集を販売するということが国ごとに規制や配送方法が異なり難しく、販路に苦戦中です。データを海外に安全に販売できる方法についても探しています。ご覧になった方でよりよい方法をご存じな方がいらっしゃればぜひお話しをお伺いしたいです🔥💪 よろしければ、下記よりDMをください。

九州のフリーランスデザイナーMaru.
(Nenpa_:@nenpa_

https://itadaki.design


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