Amazonカスタマーレビューにはご注意を。
Amazonカスタマーレビューを、もう5年ほどレビュアーとして利用している。
このレビューについては、「ステマ」が問題になったりして、あまり鵜呑みにしてはいけない、といったことは何度か報じられたこともあるが、この場合はレビューを投稿する側の問題である。
しかし、真の問題は、カスタマーレビューを管理する、Amazonの運営者の側も、十分にあやしい動きがあるという点で、これはあまり知られていないので、その点について、ここで注意を喚起しておきたい。
まず、問題なのは、レビューで扱われる商品、例えば書籍などについての「否定的なレビュー」については、管理者判断で、投稿を拒絶されたり、掲載後削除されたりする場合がある、ということだ。
この点について、Amazonカスタマーに問い合わせをすると、メールで「利用規約に反する内容があったので掲載できません」という趣旨の回答が返ってくる。
だが、問題は「投稿内容の、どの部分が、利用規約のどの部分に抵触したのか」という具体的な説明は一切なされない、という点である。
つまり投稿者としては「何がいけなかったのか」が、さっぱりわからないということであり、立場を変えて、管理者であるAmazonにすれば、「説明責任」が無いので「具体的な規約違反がなくても、掲載拒否ができる」ということになるのである。
以前の記事にも書いたことだが、私が700本ほど投稿したレビューの中でも、こうした掲載拒否にあったレビューというのは、「有力な保守政治関係者に関する書籍」か「有力な商品関係者の商品」のみが、掲載拒否の対象となっている。
つまり「政治的有力者」や「商業的有力者」が嫌がるようなレビューや、そうした人たちからクレームのつくレビュー、言い換えれば、Amazonに不利益になるレビューについては、具体的な説明なしの「利用規約違反」という決めつけだけで、Amazon管理者によって一方的に、レビューが掲載拒否されたり、削除されたりするのである。
実際、これは、私の個人的な憶測ではなく、下に示すように証拠がある。
先日、私のレビューに対して、他の利用者から与えられるレスポンスとしての「参考になった」数が減ったのだが、約5年間の利用で初めての事態であり、またこれは利用者には不可能な操作であるため、「システムの故障」または「ハッキングによる異常挙動」ではないかと、Amazonカスタマーに問い合わせたところ、次のような驚くべき回答メールが届いた。
ここで言う
とは、要はレビューへの、他の利用者のレスポンスが「組織票」等ではないかと不正行為の疑われた場合は、それを「無効」票と判断して、「参考になった(役に立った)」数から、事後的に弾くので「数字が減ることもある」という回答である。
しかし、この『自動的に』というのが、いかにもあやしい。
というのも、仮にAIなどによってレスポンス投稿に「あやしい動き」があるとされても、それが「不正投稿であり、削除などの具体的な対処が、必要か否かの判断」は、当然「人間」がやるはずだからだ。
もしも「機械的に反応したから即削除」などということができるほど、Amazonの投稿監視AIが(本当に存在していて、それほど)有能なのであれば、問い合わせへの回答メールくらいAIが自動作成できるだろう。
だが、そうであれば、この回答メールのように、『自動的に』を強調して「人間による当否判断の恣意性とその責任の回避」を感じさせる文面のメールを、わざわざ人間が作成して、送り返してくることなどないのではないだろうか。
つまり、Amazonカスタマーレビューは、同レビュー管理者によって「恣意的」に管理されており、全体としては「評価が偏っている」と疑うべきなのだ。
Amazonに、商品を提供している業者や、その業者の背後にいる政治的勢力に不都合なレビューというのは、そうした存在からのクレームを受けてか、Amazonが自主的に忖度してかは別にして、掲載されない蓋然性が高い、ということなのである。
殊に、その商品の「欠陥」を具体的に指摘、論証するような、影響力のある「否定的・批判的レビュー」は、おのずと不利な扱いを受けてしまう。
例えば、萩尾望都著『一度きりの大泉の話』(河出書房新社)に関するレビューなどは、利用者から多くの肯定的レスポンスをいただいて、「役に立った」数ではダントツであるにも関わらず、なぜか商品ページでは上位に表示されないという事態が続いており、これは、先の回答メールからも分かるとおり、管理者判断による差別処遇と見ていいのだ。
したがって、「Amazonカスタマーレビュー」については、レビュアー(投稿者)があやしい場合があるだけではなく、レビューの採用不採用を決める管理者側の判断もまたあやしいのだ、と利用者は知っておくべきだろう。
多くのレビューがその商品を絶賛していたとしても、その商品について、決定的な問題点を指摘したレビューが、管理者によって、恣意的に削除されている場合もあるからである。
前掲の回答メールにも示されているように、それはAmazon自身が認めている事実なのである。
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