小林秀雄 『戦争について』 : 戦時における「時局迎合と 俗情との結託」
書評:小林秀雄『戦争について』(中公文庫)
これまでは「小林秀雄の恥部」として、全集には収められていても、文庫化はされなかった「戦時中の文章」を、セレクトしてまとめたアンソロジーが本書である。
小林秀雄が、いかに「低レベル」の人間かが、とてもよくわかるので、小林秀雄批判派は無論のこと、擁護派にも必読の一書だ。
それにしても「ひどい」。
一一かく言う「小林秀雄ぎらい」の私でも、わざわざ全集(やその端本)を読むほど小林秀雄批判に熱心ではなかったため、読むのはもっぱら、文庫本に