ロジェ・ヴァディム監督 『素直な悪女』 : 女の魅力 と「ヌーヴェル・ヴァーグ」
映画評:ロジェ・ヴァディム監督『素直な悪女』(1956年・フランス映画)
先日、レビューを書いた、SFファンタジー映画『バーバレラ』(1962年)を撮ったロジェ・ヴァディムの、監督デビュー作である。
どうしてこの映画を見たのか、その理由から書いていこう。
私が『バーバレラ』を見たのは、伝説的な「SF映画」としてであり、監督の方にはまったく興味がなかった。だから、『バーバレラ』を見てレビューを書くまでは、私は同作を「アメリカ映画」だとばかり思い込んでもいた。
なにしろ「SF