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たまねぎたまちゃん/赤塚不二夫 ~ 1967(昭和42)~1969 小学1年生・小学館



前回動画<1971(昭46)年コミックスの既刊紹介ページで、時代のマンガシーンを回顧>が、お陰さまで好評だったらしく、それまで2名だった登録視聴者さんが、10日ほどで一気に100人を超えてくれました。

アナリティクスを見ると、45歳未満の方はゼロ、女性も2パーセントと、おじさんばかりなのですが 笑、コメントを読むと<懐かしい>などずい分喜んでいただけているようで。

私自身は、昔から目の届くところにあった本ばかりなので、懐かしの感情はなかったですが、人様に喜んでもらえることは、とっても嬉しいものですね。ありがとうございます。



子供マンガ



ぼくは、子供マンガ、.というものを、

大人の、マンガ家の先生が、絵やお話を通じてね、読者という、子供たちと一緒に、遊んでくれているもの、なのだなと、・・



自分もね、いいおじさんになってから、そう思うようになったんですけれど、・・



今回お話させてもらいます、「たまねぎたまちゃん」、・・ええと、赤塚不二夫先生のギャグといったらねえ、ナンセンスで過激なイメージが割とまず浮かぶんですけれど、・・



その、赤塚先生の作風の中でも、少しだけ異色、といいますか、子どもに向けた目線、が、・・最も優しく、温かく、表れている作品、だと思います。


「たまねぎたまちゃん」の連載は、1967年‥昭和42年ですね‥、から、1969年にかけての、・・



小学館の学習雑誌「小学1年生」、だったんですが、ちょうど、ぼくは1968年、このど真ん中の1年生で。

当時のぼくらは、赤塚不二夫先生の、この作品でね、一緒に遊んで貰っていたんですね。



愛蔵版「たまねぎたまちゃん」



愛蔵版の「たまねぎたまちゃん」、2004年、9月の発行で、<37年前の名作が初めて本になった>そうで。

装丁は、赤塚りえ子さん、赤塚先生の娘さんですね。



単行本に、それまでなっていなかった、・・というのは、ちょっと意外でしたね。

ぼくは、2020年、つい最近になって、たまたまアマゾンで、何故か1円で売られていたのを目にして、ポチッたんですけれども、

一応古本なんですが、新品といってもわからない、綺麗な本が届きました。

一体、何だったのか?



第3話「きょうから1ねんせい」のまき



さてこの単行本で見ると、第3話に「きょうから1ねんせい」のまき、が、あります。

これがたぶん、1968年の4月号ですね。



そして、こちら、ぼくがずっと持っていた、当時の付録のソノシート、です。4月号付録、「たまちゃんなみだがめにしみて」。

さすがに雑誌本誌は残してないですが、これは、ずっと大事に持ってました。

「たまねぎたまちゃん」は、大体いつもオールカラーの掲載、だった、ようなんですが、このね、背景の柔らかな感じといい‥

絵本みたいな、とっても優しい~印象ですよね。



赤塚先生の平成13年(2001年)のインタビュー



この本の、赤塚先生の平成13年(2001年)のインタビューで、

<今見ても丁寧な仕事をしていて、オレって頑張ってるなというのがわかります>と話されてます。



また<「小学1年生といえば、まだガキだろ? 好き嫌いもたくさんあるだろう」ということで、あえて子どもが敬遠する野菜を主人公にしようということにしました>

赤塚先生らしい、言い回しですよね。

<これを読んだガキどもが(言葉が悪くてすみません‥‥)、ニンジンやらタマネギやらを少しでも好きになってくれたらいいな、と思って描き始めました>

と、あります。



赤塚先生、敗戦後の満州からの引き揚げを経験されていて、本当にね、食べる物がない時代、を、子供の頃に過ごされているんですね。

で、続きます。

<この「たまねぎたまちゃん」を書いた昭和40年代は><ヒモジイ時代に別れを告げて飽食の時代><に移っていった頃だったように思います>

<子どもたちが堂々と「好き嫌い」というぜいたくをいえるようになった>

さらに

<ちょうどこの頃、ボクにも娘がひとり産まれました>

<いつもは子どもの心に還ってマンガの中でハチャメチャに暴れまわることを考えていたボクですが、

 この「たまねぎたまちゃん」に限っては、どこかで親心のようなものが影響していたのでしょうか>

・・と、こういう風にね、ご自分のお気持ちを語られています。


「ガキども」への親心



赤塚先生の、自分も、子どもに還って、暴れまわる、お得意のマンガのスタイルと、「ガキども」への親心が混じった作品、ということですね。

このね、「ガキども」という感覚、ぼく好きなんですよ。

ちょうど、「たまねぎたまちゃん」の時の、まさに、その「ガキども」、の世代が、ぼくなんかですし。

「ガキども」、の、もう少し具体的に分かりやすい例、といいますか、文章がありました。・・・・これ、赤塚先生ご本人ではなくて・・



お弟子さん出身の、とりいかずよし先生なんですが・・「トイレット博士」。・・この6巻・・「たまちゃん」より数年後の、

1972年の発行ですね・・の、前書きに、こんなことを書かれてます。

<ぼくがもっともスキなこどもは、好奇心が強くワルでずるくてオッチョコチョイで、いつも顔や服などがきたなくて、人間の長所、短所をすべて持ち合わせている。>

<それがいちばんこどもらしいと思っている>

<ぼくもこどものころはそうだった>



この感覚が、赤塚先生の仰っている「ガキども」と、共通している、と、思えました。

ガキどもの中の一人だった、ぼくはね、とっても共感できます。



「たまねぎたまちゃん」の登場キャラクター



「たまねぎたまちゃん」の登場キャラクター

割とたくさんいるんですけど、たまちゃんと、とまとちゃんは覚えてましたけどねえ、さすが、に、50数年も経つと、

他キャラクターは、かなり、朧気ですね。たまちゃんのお父さん、お母さん、なんてね、もう、全く忘れてましたし・・。



ぼけなすくん、・・、ナスビの、おそ松くんのハタ坊みたいな、ボケ役の子がいたかな・・というくらい・・。

きゅうりのきゅうすけくんに、いじめっこのとんかりくん・・もう全く分からないですね・・

なすいぬ? なすけん? これも記憶にない・・



りんごちゃんと、すいかのすうちゃん、こちら、アタマだけ観ると何となく思い出します。

さといものさとちゃんは、これは、ちゃんと覚えてました。

今、ここをご覧になっている方・・ぼくと同年代くらいの方は・・、アラシックス、の方ですね、は、どのくらい、思い出されましたかね?



かぼちゃの村長さん、・・ぼくは、お友達のかぼちゃのかぼちゃん、と覚えていたのですが、あれっ、違ったのかな?



・・と思ったら、ここに、ちゃんとかぼちゃんがいたので、ホッとしました。


ソノシート「たまちゃんなみだがめにしみて」



「たまちゃん なみだが めにしみて」

という、ソノシートのこのタイトル。・・たまちゃんは、タマネギのキャラクターですから・・



マンガの中で、わるい泥棒兄弟とけんかになりました。

<ぼくのこいのぼりで ようふくつくったな>

そこで

<とまとちゃん、ぼくのあたまをぶって>

ぽかっ



<わあん>

<きゃっ めがいたい>

<ぼくのなみだはしみるぞう>

・・と、これが、ソノシートの曲のテーマになってるんですね。

単行本の中では、このなみだのくだりは、これを含めて2回、しかでてないですけどね。

今になって、あらためてこれを見てみると、キャラクターメイキングという点でも、凄い、

やはり、天才赤塚不二夫先生の、優れたアイディアですよね。



ここまで観てくださって、ありがとうございます。

さっきのこの「トイレット博士」の6巻と、永井豪先生の「デビルマン」の2巻が、子供時代に初めて購入したマンガの単行本で、

それ以来、何千冊か、マンガが溜まってしまったので、リアルタイムで触れていたマンガシーンや、

マンガと連動した、特撮ヒーローのお話などしています。

また、お付き合いくださいね。




動画10分9秒


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