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Cardiff4.学生寮の手続き

前回に引き続き、ステイ先の話。

今日は授業終わりに、ステイ関係の担当者を訪ねた。昨日のことで腹立たしさを抱えていたものの、不満をぶつけていい事はないためグッと我慢し学生寮の説明を受ける。

結果、違約金等は掛からず、払込み済みのホームステイ費用がスライドして充てられるとのことだった。何度も言うが、安くはない金額である。ホッと一安心である。

2タイプの部屋があり、大きな違いとしてはキッチンが共同であるか否かのみだった。一人部屋・バストイレ付き・デスク付き、というのは共通しているとのこと。
グレードを上げたキッチン付きの部屋にするか、スタンダードな寝室のみの部屋にするか。正直迷いに迷った。
個別キッチンは大変嬉しい設備。しかし、鍋やフライパン等のツール、プレート類はきっと設置されていないはず。私が日本から持ち込んでいるのは、菜箸と計量スプーンのみ。こんな物が揃ってない状況で、自炊という自炊ができるのかと言われたら否である。
だが、他人とキッチンを共同利用するのは嫌of嫌である。

既にできあがっている輪──キャッキャしてる年若い学生に混じって、肩身狭くぼっちな自分がそそくさとキッチンを利用する姿──……

そんなイメージが脳裏に浮かび、私はうぅっと苦しくなった。快適な生活を求め移動するというのに、何故そんな苦痛を強いられなければならないのか。
結論、個別キッチンの付いた部屋に決め、追加で不足分の寮費£175を支払うことにした。冷蔵庫や電子レンジを、誰にも気兼ねなく、使用したいときに自由に使えるという利点に追加料金を支払うこと決めたのだ。
この際、自炊できるか否かは求めない。とにかく自分が可能な限りストレスなく、一人暮らしの時のよう自由にのびのびと過ごせることが大切なのである。

ホームステイ先に帰宅するバスの中、マザー宛に改めてメッセージを送った。内容としては、感謝の言葉や今回の移動は自分の問題であるという事。また残り2週間という短い期間だが最後までよろしくお願いします、という事。
これ以上、私にできるフォローはない。「やるだけのことはやったわ〜」なんて思っていると、ものの数分もしないうち簡素な内容ながら返信があった。「学生寮では元気を取り戻せるといいですね」と記載されていた。

これをもって、このステイ先問題については、とりあえずのところ一件落着である。

しかし、夕食前(もちろん今日もぼっち飯だ。きっと移動するまでこの状況だろう)にマザーから質問を受けた。
イタリア訛りの強い英語に【ロンドン】という単語のみ聞き取れた私は、言われている意味がわからないといった風なポカンとした表情をしていたと思う。それに苛立ったよう「〜〜〜、ロンドン、〜〜!」と再度聞き取れない英語で強く言われたため、向こうでの生活を尋ねてるのかと想像し、質問の意図が合ってるかも分からないままぽつりぽつり単語で回答した。

この聞き取れなかった際の威圧的な口調・表情が、何よりも嫌いだ。それが意図していないものだとしても、人を萎縮させるような態度を取る奴を私は信用したりしない。
文化の違いがあるのかもしれないが、だからと言って違う人種全員がこのような態度を取るわけではない。当たり前だが個人によるものである。「まあ簡単に言えば、人として合わんのよね」と、心パタン、だ。

私は、ロンドン最初の1ヶ月もホームステイの契約をしている。この状況から学生寮に変更することも視野に入れているが、現時点ではどうするのか決めてない。
マザーには「ロンドン……あー……ホームステイ……」とだけ伝えたところ、謎にフフッと笑われた。

……何だその笑い。何が言いたいんだよ。あぁ?
ていうか、君にロンドンのこと関係ある〜???

そうモヤつきつつ、私は愛想笑いを浮かべた口を噤んだ。これ以上無駄にコミュニケーションを取りたくなかったからだ。
探られているような雰囲気に、更に嫌悪感、不信感は増した。当たり前だが、私の心は閉じる一方である。

日々の生活を送る中、少しずつではあるが【英語のみの環境】というのに慣れつつある。モヤつくこともあるが、何とかこの地に馴染みつつある自分に「頑張ってるじゃないか!」と励ましの言葉を送ってやりたい。

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