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桜色の、まっくろな夢

久々に悪夢を見た

夜中にふと目覚め、すぐにまた微睡んだ直後
はっと記憶が蘇りそうになった
自ら封印した記憶が

東南アジア系の女性に親切にしてあげていたのに
なにかの拍子に、
ふとしたことで激昂してしまい、
建物に火をつけた
結果亡くなったのか?
新聞をとってないので分からない

そんな
重大なことをしでかしたのに
忘れていた、覚えていなかったという
自分に戦慄した

心のなかで、これ以上思い出しちゃいけない
…という声もあり
できる限り考えないようにした

その後、
近所でお花見したりして普通に暮らしている自分
色々と残してきた証拠が気になってしまう

善良に生きてきたつもりだったのに
大それたことをやってしまった人生、
それを無かったことにした自分の卑劣さ
証拠を隠滅しよう、秘匿しようと考える保身

蘇りかけた記憶を封印しようとする無意識

目が覚めて、蘇った記憶というのが
本当の夢だったと確信できたとき、心底安心した

自分のやったことに後悔し続ける人生でなくてよかったと思った

刑務所に入って更生した人が持つであろう気分を
なんの因果か味わうことになってしまった春の夜

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