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突発性難聴になりました(入院から退院まで)

ご覧いただきありがとうございます。
前回の記事で突発性難聴の発症から入院までを書きました。
その記事は以下になります。

この記事では入院してから退院するまでのことを書こうと思います。

この記事を読んで「数日間耳鳴りが続いている」「耳の聞こえがおかしい」と感じている方は今すぐに耳鼻科に行ってください。
突発性難聴は治療開始が早ければ早いほど聴力の戻りが良くなる可能性が高いです。


入院生活開始

入院を決めてからまずは入院前検査をしました。
検査としては採血、心電図、レントゲンでした。

実は初めての心電図検査を受けました。
心電図検定を受けている身としては自分の心電図が欲しかったのですが、流石にやめておきました。

その後に入院する部屋に案内されたのですが、予定された通り個室でした。
想像以上に広くて小さいテーブルとしっかりとした椅子があり、ちょっとしたホテルのようでした。

外の景色は良かったです。
この時はまだ花見がギリギリできるくらいの桜を見ることが出来ました。
そういえば今年はまだ花見をしていないなと思いながらゆっくりと外を見ていました。

入院の日数ですが、その案内された時に言われた日数としては10日間でした。
最初の総合病院では速くて6日と言われていたので少し伸びましたが、行う治療がステロイドだけではなくてデフィブラーゼという抗血栓薬をしようする関係でその分をプラスしたようです。

初めての点滴ルート取られ

入院は午後3時くらいに開始になったのですが、同時に点滴による治療が始まりました。
まずは水溶性プレドニン、つまりステロイドの点滴をするために点滴のルート取りをしてもらうことになりました。

ルート取りをしたことは臨床工学技士としてはないのですが、透析の穿刺はしたことがあります。
今回は初めての点滴ルート取られですね。

2回ほど失敗がありましたが、無事に成功しました。
どうやらルートに適した血管はあるようですが弾性があって針が逃げるようです。
駆血帯をよりキツく巻くことで逃げにくくなると担当してくれた方はおっしゃっていました。
これは一つ勉強になりました。

点滴開始と浮かぶ疑問

ルート取りも終わって点滴治療が始まりました。
1時間位で終わるようになっているようで、その間はただひたすら待っているだけと言う時間になりました。

点滴スタンドにボトルが付いているので点滴スタンドを押して部屋の中を歩くくらいは出来ますが、この時は点滴中に何をして良くて何をしてはいけないのかが分からないのでずっとベッドにいました。
入院中に取っていたメモにも「点滴中にできることが分からない」と書くくらいに本当に何をしていいか分かりませんでした。
少し起き上がって点滴スタンドの動かし方などを考えてみたりしていましたが、何しろ初めてなのでおぼつかなかったです。
少し点滴中の動き方や点滴スタンドの使い方などを教えてもらえると良いなと感じました。
言わば、点滴歩き方講座みたいなものがあるとちょっと安心できるかなと思います。

しばらくお世話になるベッドの狭さ

点滴も始まって何もすることもなくベッドの上で天井を見上げていていました。
腕の動かし方や寝返りをうったりと試してみたところ想像以上にベッドが狭いことに気が付きました。
これは寝てみないと分からないと言われますが、想像の3分の2くらい狭かったです。
ただでさえ慣れない点滴を受けている腕を気にしながら動くのでなおさら動きも緩慢になります。

点滴のルートが外れたりや、針先がずれて内出血するなど医療安全ではありがちなところですが、実際これは慣れない点滴始めたばかりの方は腕の動かせる範囲やベッドの狭さによっては抜けると思います。
実際に寝てみないと分からないことがあると痛感しました。

点滴の中身

入院初日には2本の点滴をしました。

少し自信がないので自分で記録した内容だけを書きますが、ひとまずは水溶性プレドニン(ステロイド)と続いてデフィブラーゼという抗血栓性末梢循環改善薬という点滴でした。
このデフィブラーゼは突発性難聴に対して有効らしく、入院であればステロイドと併用して治療の用いられるそうです。

デフィブラーゼは抗血栓性ということで投与後48時間は安静が必要だと主治医の先生から言われました。
この安静という度合いも分かりませんでした。

看護師さんが少し詳しく話してくれた内容としては、病院の外には出ずにシャワーも浴びない程度とのことでした。
シャワーも浴びれないというのは頭にありませんでした。
それくらい安静が必要なのだなと受け止めるしかないので48時間安静が始まりました。

病院食が美味しかった

点滴2本が終わったくらいに夕食の時間になりました。
私にとっての病院食というイメージは味の薄いや量が少ないなどの一般的なイメージしかありませんでした。

実際に運ばれてきたものを見て量の多さに驚きました。
ご飯が180gあっていつもよりも多いくらいでした。
汁物、煮物、小鉢などなどおかずも量は少ないですが数が豊富でした。
その味も普通の定食屋さんの塩味を少し減らした感じで美味しかったです。

ただ、白米180gは結構食べるのは大変でした。
食が細い人だと多分食べきれないと思います。
これが毎食なので私も普段食べない量の白米の量でした。

ただ、時々メニューが選択できたりして朝はパンが選べたりしました。
毎日白米ではなくてたまにうどんが出てきたりと多少のバラエティはありました。

入院生活初めての睡眠と起床

夕食後に寝る前の薬も含めてすべて飲みました。
不思議なものですぐ眠気が来ました。
恐らく朝から検査や入院手続きや点滴やで疲れていたのだと思います。

慣れないベッドで寝れるか不安でしたが、横になっているだけで寝付くことは出来ました。
快眠とまでは行きませんが実際に寝ている時間はいつも通りで早く寝たので6時前には目が覚めました。

起きたところで何をするわけでもなくとりあえず歯を磨いてぼーっとしていました。
ここで看護師さんが検温と血圧測定に来ました。
どうやら起きる時間に合わせてと言う訳ではなく定時で来るようでした。
なので起きる時間としては6時から7時のあいだくらいまでに起きていれば良かったようです。

1日の流れを掴み始める

検温と血圧測定が終わったあとは朝食まで何もすることがありません。
この辺りで読書をしようという気持ちが湧いてきました。
実は入院準備とともに選書をして読みたかった本を複数冊持ってきていました。
本当はそんな物持ってきては行けないのかも知れませんが持ってこないとしても普段遣いしているバッグにも2冊ほど入っているので持ってこなければこっちを読むつもりでした。

8時頃に朝食が来ました。
先ほども書いたように夕食と同じぐらいの量の食事と紙パックの牛乳が付いてきました。
味は相変わらず美味しかったです。

朝食後もまたまったりとして時間が始まりました。
その日1日何をするかを特に言われるわけではないのでこの2日目あたりから読書をひたすらにすることにしました。
窓際に椅子をおいて外を見ながら黙々と読書をしました。

ここでちょっと迷ったことがあるのですが、突発性難聴で入院している以上音楽などを聞いていいのかを判断できませんでした。
これも聞けばよかったのですが、最終的には大きい音でなければ大丈夫とのことでした。
(このあたりは自分の場合ですので必ず主治医の先生に確認してください)

少しのんびりしていたら顔と身体を拭く用の温かい使い捨てシートが配られました。
これはありがたかったです。
体全体は難しかったですが、顔や首周りなどをスッキリさせることができました。

初めてのMRI

10時くらいにステロイドの点滴が始まりました。
この日は点滴をしながらMRIを取るらしく点滴が始まってから少ししてMRI検査室まで行くことになりました。

この時に初めて点滴スタンドとともに歩くという経験をしました。
慣れてくれば歩くのも大丈夫そうですが、あまりやらないほうが良いかなと考えていました。
どうしても普段通りの歩き方ではなくて点滴スタンドとともに歩くので動かし方のコツを掴むまでは慣れませんでした。
転倒してルートが抜けたら一番困るのは自分なので不安を抱きながら歩いていました。

MRIを取るのは初めてでした。
人工呼吸器をつけたままMRIに入る時にMRI対応の人工呼吸器に付け替えてMRI検査室の手前まで行くのを手伝ったことがあるくらいでMRIがある部屋に入るのは初めてでした。

部屋は思ったより広くて巨大なMRIが鎮座していました。
金属のものを身に着けていないことを確認されながら点滴スタンドを交換してMRIのベッドに横になりました。

MRIを取る理由としては聴神経腫瘍があるかどうかの確認のためでした。
聴力検査の結果が盆状に低下していて高音域と低音域が平常で中音域が一番聞こえていない状態だったのでこの形の場合は聴神経腫瘍の可能性があるのでそれの確認でした。

頭を固定する器具を取り付けてMRIの中に入っていきます。
音がかなり特徴的でただでさえ聞こえない状態でもはっきりと音がするくらい大きい音が一定のリズムで鳴っていました。
眼の前がMRIの回転部分で閉塞感もあるので恐怖感は無くはなかったです。

MRIの結果に関しては問題無しで一安心でした。

午後は特になにもない

MRI検査が終わって部屋に戻ったあたりで点滴が終わって昼食の時間になりました。
ここからは本当に何もありませんでした。
点滴を受けている間は治療をしているという実感がありますが、何もない時はただ部屋にいるだけの時間になります。

この時間の有効活用として私はひたすらに読書をしていました。
12時に昼食を取ったあと18時に夕食が配られるまでの6時間がまるまる空いた時間になります。
軽めの本であれば1日に1冊読めるくらいの時間はあります。
持ってきていた本は生命倫理の本が2冊、臨床工学の本が3冊とひとまず合計5冊でした。
これほど本だけを読む時間があるのは普段であればあり得ないのでかなり貴重でした。

ただ、それ以外は本当に何もありません。
トイレに行きたくなったらトイレに行って、のどが渇いたら売店で水を買って戻って飲むくらいしかありません。
食事の準備を気にしなくて良いのは気が楽ですが、気が楽すぎて逆に不安になります。
なのでひたすらに読書を続けていました。

慣れてきて

2日目の終わりは1日目と同じように夕食後にしっかり眠くなってすぐ寝付きました。
もう寝るのも慣れましたが困るのは寝返りだけで、気をつけないと柵に手が当たって起きるくらいです。

また起床して検温と血圧測定をして、朝食を取ってステロイドの点滴を受けて・・・の繰り返しでした。
この辺りでnoteの更新をしなければということでちょっとした記事ですが、更新しました。
この時の記事が以下のものです。

地元から離れずに入院が出来たので妹が2回来てくれました。
その時に色々と頼んでいたのですが、まず必要だったのがクロックスでした。
かかと付きのスリッパであれば内履きの用に使って良いと言われたのですが、普段の靴でも良いとのことで来たときの靴で過ごしていたのですが、周りの入院している方がかなりの確率でクロックスを履いていたので買ってきてもらうことにしました。
これが履きやすく脱ぎやすく、通気性もいいのでかなり快適になりました。
ステロイドを投与している関係で病院の外などの遠くに行くこともないので靴はクロックスで十分でした。

それと本を追加で頼みました。
読みたかった積読が消費できる機会だと思って私の家から4冊くらい持ってきてもらいました。
もうこの時点では読み終わって印も付け終わった本がほとんどでした。

上記しましたが病院の外に出ることはできるかと主治医の先生に確認したところステロイドをかなりの量使っているので感染のことを考えて院内安静が好ましいと言われました。

外の空気を吸いたいと思ってずっと部屋の窓を開けていましたが、出れないと分かってからはどこかベランダのようなところはないかなと院内を探してみたりしましたが、たまたま見つけた出られそうな庭園のようなところは閉鎖されていて結局ずっと院内にいました。

治療開始してから初の聴力検査

入院して4日目に聴力検査をすることになりました。
実はこのときには耳鳴りは減っていました。
入院生活前には眠るのに支障のあるくらいの高い耳鳴りが続いていましたが、ステロイドと抗血栓薬を投与し始めてから明らかに耳鳴りが減りました。

聴力検査もある程度は慣れて、両耳の検査をしました。
この時の耳の聴こえ方は耳鳴りが薄くなった分のところが少し聴こえるようになったといったところです。

聴力検査後の少しした経ったところで主治医の先生が来てくださいました。
結果としてはかなり良くなっているとのことでした。
中音域の盆状の低下部分がかなり上に上がっていてその他は問題なしでした。
これを聞いた時は入院して治療して良かったと感じました。
しっかりと治療をしてそれが体に現象として現れることがここまでありがたいと思いませんでした。

引き続きの点滴

聴力検査は良くなっていましたが点滴治療は続けることになりました。
また抗血栓薬を投与するので48時間安静があったりしました。

流石に5日目くらいになると入院生活にも慣れてきました。
点滴スタンドの動かし方も分かってきて点滴のまま売店に行くことも出来ました。
読書に関しても持ってきてもらった本も半分くらいは読み進めていました。

ここまで来るとあとはいつ退院なるかを考えるだけですが、恐らくクリニカルパス的なものがあってステロイドの漸減投与の関係もあるのである程度の日数は覚悟していました。

気を緩めずに退院まで

2回目の聴力検査を7日目に受けました。
この時点でもうすでにほとんど耳鳴りはしていませんでした。
聴力検査に関しても問題ないレベルまで到達して、主治医の先生からはここまで治るのは珍しいとのことでした。
この言葉を聞いて本当に良かったと思いました。
深々と礼をして感謝を伝えました。

耳に関しては通常通りに戻ったのですが、以前のような音楽の聴き方はしないように入院中は気をつけていました。
ちょっとヘッドホンを使ったりワイヤレスイヤホンをつけるとしても耳鳴りがしていた方には付けずに過ごしていました。
場合によっては再発することもあるそうなので気を緩めずに退院までの日を過ごしていました。

10日間の入院から解放

結局のところ10日間の入院をしていました。
退院日のその日の9時位に退院の手続きがあるのですが、それまでに色々と退院の準備をしながら時間を待ちました。

事務の方が来て、その後に薬剤師さんから退院薬というのを貰うのですが、その量に少し笑ってしまいました。
大きな袋に入っていてその大きさはB5判の200ページくらいの本を買って袋を付けてもらったときを想像してもらえれば大丈夫だと思います。それくらい大量でした。

退院後もステロイドは内服で3日間くらい続けて、その他にアデホスなど一番初めに掛かった病院のものと同じものを次の診察まで続けるという方針でした。

一番退院して嬉しかったのは外の空気を吸えたときです。
点滴のルートもなく、自分の足で病院の外に出れたときはかなり嬉しかったです。

外はすっかり桜は散って緑が生い茂っていました。
そして来てきた服は冬向けだったので途中で代わりのものを持ってきてもらいましたがそれでもちょっと暑いくらいの快晴でした。

こうして人生始めての入院生活を終えて家に帰ることが出来ました。
来たときと同じように歩いて駅まで行って電車に乗って帰ってきました。
さっきまで入院していたとは思えないくらい動けていたので筋肉が衰えたなどは特に無かったようです。

久々に自分の家のベッドに横になった時に少し涙が出ました。
普通の生活を遅れることの幸せを噛み締めながらその日はさっさと寝ました。


長くなりましたが、入院から退院までの記事でした。
本文でも出ていますが本当にすることがありません。
私のように内科治療のみだと「治している」を感じられるのが点滴をしている1時間程度なのでそれ以外の時間はなにかしていないと不安で潰されそうでした。
そう言った意味では読書が出来て本当に良かったです。

この記事と前回の記事で突発性難聴についての記事はひとまず終わりですが、まだ経過観察の診察があるので耳に優しい生活をしようと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

CEねこやなぎ

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