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ふりかえりを起点とした「チーム、ファースト」に重点を置いたコーポレートチームの週次イベントを紹介します

社員数が少ない企業において、コーポレートチームは同じチームにいながら各メンバーがそれぞれの担当領域(新卒採用、中途採用、労務、総務など)をもって活動しているのはあるあるなのではないでしょうか。しかも社内のいたるところから依頼や相談が差し込んでくる仕事でもあります。

わたしの所属するコーポレートチームではまさにそのような環境でした。さらに直近では、コーポレート領域の知識と経験が豊富なメンバーが不在の環境で日々奮闘をしていました。

そのような環境で個人ではなくチームで課題を昇華し、チームで成長できる「チーム、ファースト」な仕組みにアップデートできないかと考え、1月から「うまくいかなかったらまた見直そう」と実際に試してみました!

結果的にありがたいことにポジティブな変化が見られたので、どの様な仕組みにしたのかを、いくつかのポイントに分けて紹介します。

もし、以下のような体制を目指すチームの方にはほんの少し役に立てるかもしれません。

  • メンバーの人数が4名前後のスモールチーム

  • 担当するメイン業務領域は異なるが、相互にカバーをして特定の誰かの負担が増大しない関係にしていきたい

  • 個人の課題もチームの課題として昇華したい

  • (とはいえ)各メンバーの自主性が最大限尊重される環境を大事にしたい

  • チームの目標達成にコミットし続ける環境をつくりたい

前提の補足
コーポレートチームは1週間単位でチームイベントのサイクルを回し、四半期、半期、通期での目標達成を目指しています。今回は1週間のサイクルをどの様に運営しているかをご紹介します。

具体的なチームイベントとしては、以下4つがあります。
月:コミットメントミーティング、グロース定例
火~金:デイリー朝会(Slack投稿とハドルによる雑談)
金:週次ふりかえり
またアップデート前と後で同期でミーティングの分量は変更していません。

こだわりポイント①各チームイベント間の役割と関連性を明確に

まず最初に5つのチームイベント役割との関連性を、明確にしました。

この図はチームでイベントを見直す際に実際にメンバーに共有したものです。

それぞれの関係性と概要は以下の通りです。

次の週のコミットメントにつながるスタート地点の役割を果たす「週次ふりかえり」

ふりかえりは金曜日に実施します。翌週のためのスタート地点とする役割を明確に持たせました。また、日ごろ異なる仕事をする機会の多いチームメンバーが、個人の問題として持ち込んだものを、チームの課題としてとらえることができるような設計に変更しています。

時間を有効に使って目標にコミットしつつ、全員が健全に働くための「コミットメントミーティング」

週始まりの月曜日に実施します。目標達成のためのコミットメントを宣言します。具体的にはQで設定した目標が予定通り達成できるように今週やるべきことに落とし込んで宣言するのですが、前の週のふりかえりで挙がったアクションが内包されるようにします。

さらに特定の誰かが負担を背負う事がないよう、メンバーのリソースひっ迫状況が視覚的にわかるようにしました。自分自身でも無理のある計画を立てていることが見え、今週やらないことの判断もできるようになります。

信頼関係構築と日々の業務へコミットするためのデイリー朝会

デイリー朝会は、Slack投稿とハドルでの雑談に分かれています。

Slack投稿
月曜に宣言したコミットメントに基づいてその日に取り組む業務を宣言します。その際に自身のリソースのひっ迫度合いを数値で表現します。毎朝投稿することで、週初めに宣言したコミットメントを意識し続ける設計にしています。
またSlack投稿を見て「PCのセットアップはこちらでやりましょうか?」というコミュニケーションが生まれたり、書いた自分自身で余計な仕事を減らす判断ができるようにしました。

4:やばい!ヘルプや見直しが必要!残業多くなっちゃうかも
3:自分のタスクは終えられそう
2:調整すれば他の人のヘルプ入れるよー
1:余裕あり!

朝会Slackで共有するリソースひっ迫状況

雑談
各自の業務状況に応じて参加は任意としていますが、日ごろから相談しやすい関係性づくりの場として雑談をしています。雑談ついでに相談に発展することもあります。
チームにフルリモートのデザイナーが在籍していることもあり、比較的重要な役割を果たしています。

チームの重要な議題を取り扱うグロース定例(必要な場合のみ開催)


重要かつチーム全員に対して同期で「共有をしたい」「合意をとりたい」「意見をもらいたい」と表現できる議題のみを持ち込むミーティングです。
上記の表現ができない相談事項は、もう少し小さい単位で相談すればよいテーマである可能性が高いので、チーム全員の時間を押さえる必要がないもの判断するようにしています。
また緊急度が高い場合は月曜日以外の開催も可です。

こだわりポイント② 常に意識すべきことは共有場所をホワイトボードに1本化し自然と視界に入りこむ設計に

チームとして半年後に目指す状態と、週のコミットメントで決めたタスク、前の週のふりかえりで上がったアクションをすべてFigJamというオンラインホワイトボードに1本化しました。

下記は実際にチームで使っているボードです。1週間分で1つの枠を使います。翌週は隣の枠に作成されます。

ふりかえりで挙げたアクションの隣に翌週のコミットメントの欄が並ぶように設計しているので、「アクション掲げたけど翌週のタスクに入れなかったなぁ」ということが無いようになっています。

実際のボード

こだわりポイント③ ふりかえりはチーム目標にフォーカスし、個人の問題もチームとして解決の道を探る

これまでのふりかえりは、コミットメントの進捗共有とKPTというフレームを使ってTrelloというツールで使って実施していました。
コーポレートチームでファシリテーターが明確な意思を持たずにKPTをやっていると、個人の課題を個人のまま終わらせる傾向にあったり、粒度も大小様々あがりタイムマネジメントが難しいことを課題でした。

これを解決するためにチームのありたい姿を掲げ、その目標に辿りつくための短期目標を4項目にブレイクダウンしました。ふりかえりの場では、ブレイクダウンした4項目にフォーカスを絞り、領域が異なる担当者が抽象度を挙げて対話をする場であることを明確にしました。

とはいえ、個人の課題も人は書き出したくなるものです。付箋を「チーム」「個人目標・課題」として書き出せるようにしました。(後々チーム課題として解消を図るケースも多々あります)

さらにFigJamは以前使用していたTrelloとカードと異なり、付箋に書き出した情報は全員にすべてが最初から展開されてます。自然と他のメンバーのカードが目に入り、かわいいスタンプでリアクションしたくなるので結果的に相手の抱えている課題に関心を寄せることができています。

こだわりポイント④ 業務量を視覚化し、健全なタスクコントロールと相互フォローが当たり前の場づくり

週のコミットメントを宣言する際、各自が自分の業務量を15個のブロックで表現するように変更しました。
1日を3つほどの時間にわけて、自分が掲げたコミットメントにはどのくらいのブロックが必要かの予測を立てます。

やろうと思って書き出したコミットメントの横にブロックを移動させる作業をしていると、「最初から無茶をしている」「差し込みタスクを全く考慮していない」という状態に自分で気づくことできます。

また、全員が同じ場にコミットメントを書き出して共有をするので、「〇〇はこちらで巻き取りましょうか?」と提案を相互にすることがあたりまえになります。


コミットメントの書き出し場所とリソース配分(イメージ)

以上が、現在コーポレートチームで取り組んでいるイベントの詳細とこだわりポイントのご紹介でした。

チームメンバーは新しい取り組みをどう評価している?感想を聞いてみました

個人的には「これはいい感じなのでは?」と思って始めてみましたが、一緒に働いているメンバーはどう感じているでしょうか?
メンバーがやりづらさを感じたり、チームのアウトプットに貢献できなければ意味がなくやり方を見直すべきだと思っています。

取り組みを紹介しようと思った背景には、新しいやり方をはじめてから、毎週の評価をお願いした結果があります。なんと1カ月で、全員が満点の「5」を付け、さらにメンバーからは以下のようなコメントをもらいました。

  • ブロックで自分の業務を書き出すことで、自分がやばいのかどうかわかりやすくなった

  • 「ブロックで週のコミットメントを宣言する」「ありたいチーム像に焦点をあててふりかえる」がハマっている感覚がある

  • メンバーへのコメントやアドバイスに付箋がついてありがたい!

  • 前のやり方も悪くなかったが、今のほうがやりやすい

仕組みはできた、あとは目指すべき姿を常にアップデートし続けることが重要

思った以上に新しい取り組みがハマったコーポレートチームですが、その背景には目指すべき姿を明確に意識合わせして、その一番星をみんなで追い続ける仕組みだったことが大きいと思います。

思った以上に全員がコミットしてくれたので、目指す姿のアップデートが急務という嬉しい悲鳴に追われていることを添えてこのnoteを区切りたいと思います。        

最後までお読みいただきありがとうございました!

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