見出し画像

キャンプの醍醐味は火の世話をすること

2024年初のキャンプは5月の初夏に叶った。

2023年は3月がキャンプ初めだったが、花粉症にやられてしまいチェックアウト後にドラッグストアへ点鼻薬と目薬を買いに車をぶっ飛ばすことになったので、今年はその教訓を活かして花粉がおさまる5月まで待っていたのだ。

仕事が立て込みいつもより早くかつ遅くまで自宅で作業する私に代わり、旦那さんが着々と準備を進めてくれた。

塩胡椒や油は小さな小分け用の容器へ。
保冷剤は冷凍庫で冷やして。
シェラカップやバーナー、ナイフも準備。
テントやテーブルは車へもう積んでおく。

キャンプの2日前にはほとんど準備が終わっており、私はというと出発前日の夜になんとか仕事を片付けて、長〜〜〜い息とともに仕事の疲れを吐き出しながら彼に「準備ありがとう〜〜〜〜〜」と声をかけていた。

そしてキャンプ当日。
車で出発し、片道4時間。

事前にゲットしておいたステーキ用の良いお肉、お酒やお茶は持参済みだが、道中のスーパーでさらに追加のお肉を、そして道の駅では破格の値段で売られていた薪をたんまりと購入。

おやつ時に無事キャンプ場へ到着。
木々に囲まれ、まさに自然の中に人間がお邪魔しているような感じ。

私たちの区画は川沿いの静かな場所だ。
川の流れる音が心地よく、やけに水が綺麗だと思ったらスタッフの方いわく蛍が見れるそう。

キャンプで何をしているかというと、もちろん通常の生活と異なることをしているのだが(テントを建てる、火を起こすなど)、一番多くの時間を占めていたのは火を見つめる時間だ。

ある研究によると、火を見つめるのには血圧を下げる効果があるらしい。
火を見つめ集中することで、日常のあれこれを考えることから解放され、不安が減少するとのこと。

薪割りも数をこなすうちに上手くなっていった。全身を使いながら割ると、体を大きく使うので気持ち良い。

薪に火をつけ、火の世話をしていく。燃え上がれば終わり、ではなく、火の世話はずっと続く。薪の位置を調節したり、追加しないと火はどんどん小さくなっていく。

普段の生活であれば、こんな不安定なキッチンは単なるストレスになるだろう。
温まりたいのに、料理したいのに、安定した火力をキープできないなんて。

しかしキャンプでは、火をともし、火の世話をすること自体が、私たちにとって楽しいアクティビティの一つになる。

今回のキャンプでは、火の美しさを改めて感じた瞬間があった。
それは薪全体が黒くなった時。

吹き矢で勢いよく火を揺らして薪に当てると、表面のあちこちからぱちぱちという音に合わせて金色の細かい欠片が小さく燃え上がる。
それは消えてしまう直前の線香花火が最後の命を全て黄金の光に変えているようで、綺麗だと自分が感じていることに気が付く頃にはすでにその金色は消えてしまっている。

線香花火の最後のような、金色の鱗が飛び散り破片となったような、それは見つめても見つめ足りない美しさだった。

今回のキャンプ場を決める前、私はずっと「今度行くなら川の側で、森の中のように自然の音が響く木の中が良い」と言っていた。

言霊とはこういうことか!と思うほどにドンピシャの場所が見つかり、満喫したばかりだが早速リピートを決めている。

また、キャンプはこれまで何度か行ったことがあり、「何か新しい楽しさを見つけたい」と密かに思っていた。

今考えるとそれは何か物珍しい、他の人がやらないような意外性のあることをやりたい、という意味合いで言っていたのだろうと思う。

しかし今回改めて焚き火をじっくりやったことで、火の面白さを味わうことができた。

あらゆるものが揃っている状態でそれをどう使うか、どう楽しむか(安定した火力 = IHがある状態でどんな料理を作るかなど)が普段の生活だとすると、キャンプはいろんなものが揃う以前の、自分たちで場を整えていく状態を一つずつ見直し、それを目的にして楽しむことなのだなあと思った。

もちろん美味しいごはんも


この記事が参加している募集

アウトドアをたのしむ

この経験に学べ

頂いたお礼は知識と経験を得て世界を知るために使わせていただきます。