拝啓　クレイジーな新入社員の君へ

少し早いけど、就職おめでとう。

コロナ禍は丸３年間世界を支配し、君の学生生活をすっぽりと覆ってしまったようだね。それはとても悲しい出来事だったと思う。

君はおそらく、「普通の学生生活」というものを知らない。近代の歴史を見てもかなり特異な学生生活だったはずだ。

コロナ禍は君から「普通の学生生活」を奪ったし、僕たちと比べて多くのものを得ることができなかったのは確かだろう。それはとても申し訳ないと思う。責任はないけど、そう感じるんだ。

「コロナ世代の学生は、何を失ったか？」

こんな比較がこれから始まる気がするし、君たちは「コロナ世代」だの「コロナチルドレン」だの呼ばれるかもしれない。それはあまり心温まる話じゃなさそうだ。僕らはそれがよくわかるよ。

でも、君らと僕たちの間には、とても大きな差があるんだ。

そしてとても言いにくいんだけど、君たちはその差の下方にいる。