nekonomimi1026

無名の作家です。ご当地小説を投稿しています。全てフィクションです。カクヨムにも投稿中。…

nekonomimi1026

無名の作家です。ご当地小説を投稿しています。全てフィクションです。カクヨムにも投稿中。高知県土佐清水市を舞台にした【潮騒に導かれて】セルフ出版予定

マガジン

  • 旅行記

    ご当地小説を書く傍ら旅をしています。 その記録をここに残します。

  • 【小説】連綿と続け

    富山県を舞台にした小説

  • コラム

    あとで読む記事をマガジンに保存しておくことができます。不要であれば、マガジンの削除も可能です。

記事一覧

固定された記事

連綿と続け・あらすじと登場人物

題名: 連綿と続け (あらすじ) 東京都八王子市で生まれ育った一ノ瀬侑芽は 大学を卒業し、富山県の南砺市役所に就職が決まった。 南砺市では人口と観光客が年々減少し、…

nekonomimi1026
8か月前
17

【旅行記】高知旅④2日目 足摺岬周辺

朝5時に目覚めると ちょうど日の出の時刻で、 部屋の中にまで日差しが届き 気持ちよく目覚めました。 七時頃、朝食のおにぎり弁当が届くというので、 それまで朝風呂に入…

23

【旅行記】高知旅③あしずり温泉郷 民宿西田

目的地の足摺岬に到着し、 早々に宿に向かった。 宿は足摺岬のバス停から 車で数分走った場所にある【民宿 西田】さんだ。 絶景を目の前にした あしずり温泉郷にある温…

20

【旅行記】高知旅②中村駅から足摺岬

目的地である足摺岬に向かうには、 中村駅から路線バス もしくはレンタカーに乗り換える必要があります。 (お金持ちはタクシーという選択肢もあります) 私は今回、足摺…

27

【小説】連綿と続け No.63

侑芽の誕生日に訪れた秘境の一軒宿は、 船でしか行くことの出来ない大牧温泉であった。 露天風呂付きのモダンな客室で、 庄川の眺めを見つめていた侑芽に、 航は後ろから…

12

【旅行記】高知旅① 東京から足摺岬を目指して

はじめに 高知県を舞台にした自作 【潮騒に導かれて】のセルフ出版に向けて 現地に取材や許可取り、撮影に行っておりました。 先日帰ってきて ようやく落ち着いてきたの…

20

【小説】連綿と続け No.62

高岡が役所を出ると、 突然、侑芽の事を尋ねてくる女が現れた。 不敵な笑みを浮かべるその女に、 高岡は女の勘が働き、瞬時に臨戦態勢に入った。 高岡)あのねぇ、人に物…

12

【小説】連綿と続け No.61

五箇山支所への異動が近づく。 担当していた井波地区は 同期の高岡が引き継ぐため、 高岡とともに地区の人達に挨拶回りを始めた。 瑞泉寺の和尚にもご挨拶に伺う。 好物…

nekonomimi1026
2週間前
13

【小説】連綿と続け No.60

航)あのな……ほんまは誕生日に渡そうと思うとったんやけど…… そう言いながら小さな木箱を手渡した。 箱には小さな文字が彫られている。 “Wataru to Yu…

nekonomimi1026
2週間前
11

【小説】連綿と続け No.59

夜空にはぼんやりと月が浮かび、 涼しい夜風が吹いている。 航は愛おしい人を連れて帰る幸せを 噛みしめながらゆっくりと歩いた。 自宅に着きベッドに降ろすと、 侑芽が…

nekonomimi1026
2週間前
13

【小説】連綿と続け No.58

由美子)ジョギングで顔は合わせとったんやけどね 侑芽)ジョギングで? 由美子)そいがそいが。毎朝、小矢部川沿いを走っとったんやけど、必ず会うから「おはようござい…

nekonomimi1026
2週間前
16

【小説】連綿と続け No.57

純喫茶『あいの風』を貸し切り、 マルシェの打ち上げをする事になった。 富樫と高岡も乗せて 航の車であいの風に向かう。 高岡と富樫は店の前で先に降り、 侑芽は航と共…

nekonomimi1026
3週間前
14

【小説】連綿と続け No.56

浴衣を着せられた侑芽は 照れながら航の前に立つ。 白地に小さな青い花の模様が描かれた浴衣であった。 浴衣に描かれている花は雪割草。 雪深い土地に春の到来を告げる花…

nekonomimi1026
3週間前
11

【小説】連綿と続け No.55

正也や歌子達が会場を回り出した頃、 南砺市のゆるキャラ 『NANTOくん』が特設ステージに現れ、 会場は一気に盛り上がりをみせた。 地元のローカル番組『なんと素敵テレビ…

nekonomimi1026
3週間前
13

【小説】連綿と続け No.54

開場前から続々と来場客が集まりだしている。 当初の予定では 来場者数は200名弱と想定されていた。 だがこの時点で 明らかにそれを上回ることが見えた。 富樫)これは…

nekonomimi1026
3週間前
13

【小説】連綿と続け No.53

離したくない、離れたくない。 あらためて思いを確認し、夜が明けた。 この日はマルシェの前日。 侑芽は会場設営に駆け回る。 参加者達は そんな侑芽の姿を見て安堵して…

nekonomimi1026
4週間前
12
連綿と続け・あらすじと登場人物

連綿と続け・あらすじと登場人物

題名: 連綿と続け

(あらすじ)
東京都八王子市で生まれ育った一ノ瀬侑芽は
大学を卒業し、富山県の南砺市役所に就職が決まった。
南砺市では人口と観光客が年々減少し、その回復が急務となっていた。
その為には地域の人々の協力が必要となり、その間に入る担当者として新人の侑芽が選ばれる。様々なことに苦戦する侑芽であったが、足を運ぶうちに地域の人々の暮らしぶりやそれぞれの思いを知り、観光だけに頼らず地域の

もっとみる
【旅行記】高知旅④2日目 足摺岬周辺

【旅行記】高知旅④2日目 足摺岬周辺

朝5時に目覚めると
ちょうど日の出の時刻で、
部屋の中にまで日差しが届き
気持ちよく目覚めました。

七時頃、朝食のおにぎり弁当が届くというので、
それまで朝風呂に入ったり、
ウッドデッキでストレッチをして
有意義な時間を過ごせました。

もしも取材旅行でなければ
ここでひたすら海を眺めるだけでもいいと
そう思えるほど素晴らしいお宿なので、
日々時間に追われているならば、
温泉と景色を楽しむだけで

もっとみる
【旅行記】高知旅③あしずり温泉郷 民宿西田

【旅行記】高知旅③あしずり温泉郷 民宿西田

目的地の足摺岬に到着し、
早々に宿に向かった。

宿は足摺岬のバス停から
車で数分走った場所にある【民宿 西田】さんだ。

絶景を目の前にした
あしずり温泉郷にある温泉宿で、
今回ここに3泊しました。

駐車場もあり
ここなら水平線がよく見える。
クチコミもよく即決だった。
案の定、最高だった。

眺望は部屋によっても異なるでしょう。
今回私は1階のバス・トイレ・ウッドデッキ付き
海側のお部屋に泊

もっとみる
【旅行記】高知旅②中村駅から足摺岬

【旅行記】高知旅②中村駅から足摺岬

目的地である足摺岬に向かうには、
中村駅から路線バス
もしくはレンタカーに乗り換える必要があります。
(お金持ちはタクシーという選択肢もあります)

私は今回、足摺岬に3泊したのですが、
この中村駅近隣にも宿はたくさんあります。
中村は土佐の小京都と言われている街で、
見どころも多く、この辺では一番大きな街なので不便はありません。

ですが私は足摺岬の朝も夜も味わいたかったので、宿は3泊とも足摺に

もっとみる
【小説】連綿と続け No.63

【小説】連綿と続け No.63

侑芽の誕生日に訪れた秘境の一軒宿は、
船でしか行くことの出来ない大牧温泉であった。

露天風呂付きのモダンな客室で、
庄川の眺めを見つめていた侑芽に、
航は後ろから抱きしめて風呂に入ろうと誘う。

侑芽)大きいお風呂から行きますか?それともお部屋のお風呂から?

航は部屋の風呂で充分だと思っていたが、
侑芽は温泉が好きで全種類入りたいと思っている。

侑芽)温泉来たら、やっぱり3回は入らなきゃです

もっとみる
【旅行記】高知旅① 東京から足摺岬を目指して

【旅行記】高知旅① 東京から足摺岬を目指して

はじめに

高知県を舞台にした自作
【潮騒に導かれて】のセルフ出版に向けて
現地に取材や許可取り、撮影に行っておりました。

先日帰ってきて
ようやく落ち着いてきたので、
note、カクヨムの更新など
随時再開してまいります。

初めましての方のために、
軽く自己紹介です。

私はもともとインスタグラムで
二次創作やオリジナル作品を綴っておりました
無名の小説家で
nekonomimi(ネコノミミ

もっとみる
【小説】連綿と続け No.62

【小説】連綿と続け No.62

高岡が役所を出ると、
突然、侑芽の事を尋ねてくる女が現れた。

不敵な笑みを浮かべるその女に、
高岡は女の勘が働き、瞬時に臨戦態勢に入った。

高岡)あのねぇ、人に物を聞く時はまずは名乗りなさいよ!

その女は役所に匿名でメールを送った人物であり、
航が昔付き合っていた大谷香菜であった。

香菜)怖〜!あんたも東京の人?やっぱり東京の女は怖いちゃ〜

あざとく眉を曲げて怖がる素振りを見せる香菜。

もっとみる
【小説】連綿と続け No.61

【小説】連綿と続け No.61

五箇山支所への異動が近づく。
担当していた井波地区は
同期の高岡が引き継ぐため、
高岡とともに地区の人達に挨拶回りを始めた。

瑞泉寺の和尚にもご挨拶に伺う。

好物である水羊羹を手渡し、
侑芽が五箇山に異動になったことを報告した。
すると和尚は朗らかに話しだした。

和尚)そうけ。役所勤めいうんも大変やのう。けど最初にここに来た時よりも、2人とも自信がついた顔しとる。頑張っとるんやなぁ

侑芽)

もっとみる
【小説】連綿と続け No.60

【小説】連綿と続け No.60

航)あのな……ほんまは誕生日に渡そうと思うとったんやけど……

そう言いながら小さな木箱を手渡した。
箱には小さな文字が彫られている。

“Wataru to Yume”

侑芽の誕生日は3日後の七夕。
だから侑芽としては
少し早い誕生日プレゼントと思いながら箱を開ける。
中には木で作られた指輪が2つ入っていた。

侑芽)え?これ……

航)ウッドリングや。俺が作ったんやけど……つけてみる?

もっとみる
【小説】連綿と続け No.59

【小説】連綿と続け No.59

夜空にはぼんやりと月が浮かび、
涼しい夜風が吹いている。

航は愛おしい人を連れて帰る幸せを
噛みしめながらゆっくりと歩いた。

自宅に着きベッドに降ろすと、
侑芽が目を覚ました。

侑芽)あっ、ごめんなさい……

目を擦りながら航に謝っている

航)ええから寝とれ

ベットに並んで腰掛け
ペットボトルの水を分け合って飲んだ。

侑芽)あ〜!美味し〜

航)ちょっこし飲み過ぎたのう

侑芽)素敵な

もっとみる
【小説】連綿と続け No.58

【小説】連綿と続け No.58

由美子)ジョギングで顔は合わせとったんやけどね

侑芽)ジョギングで?

由美子)そいがそいが。毎朝、小矢部川沿いを走っとったんやけど、必ず会うから「おはようございます」て挨拶だけしとってね

航)へぇ。ジョギングしとることは知っとったけど……

山崎)なんや照れてまうのう!

いつの間にか他の者達も
耳をすませて話を聞いている。

由美子)そんな事が2年くらい続いたのかなぁ。ある日、私がお勤めし

もっとみる
【小説】連綿と続け No.57

【小説】連綿と続け No.57

純喫茶『あいの風』を貸し切り、
マルシェの打ち上げをする事になった。

富樫と高岡も乗せて
航の車であいの風に向かう。

高岡と富樫は店の前で先に降り、
侑芽は航と共に一度航の自宅に向かう。

車を置くだけと思っていた侑芽は、
そのまま店に向かおうとするが、
自宅に入っていく航。

侑芽)……?

自宅に入るなり侑芽を抱きしめた航は、
耳元で「お疲れ」と囁き、
すくいあげるように口付けた。

二人

もっとみる
【小説】連綿と続け No.56

【小説】連綿と続け No.56

浴衣を着せられた侑芽は
照れながら航の前に立つ。

白地に小さな青い花の模様が描かれた浴衣であった。

浴衣に描かれている花は雪割草。
雪深い土地に春の到来を告げる花である。
その姿は可憐でありながら、
厳しい環境にもちこたえられる生命力がある。

隆史)航くんも着るけ?

航)俺はええ。似合わんし……

凛子)似合うよ絶対!ほれ、簡単に着せられるさかい

航)ええて……

侑芽)航さんも着てくだ

もっとみる
【小説】連綿と続け No.55

【小説】連綿と続け No.55

正也や歌子達が会場を回り出した頃、
南砺市のゆるキャラ
『NANTOくん』が特設ステージに現れ、
会場は一気に盛り上がりをみせた。

地元のローカル番組『なんと素敵テレビ』が
マルシェの取材に訪れており、
撮影をしながらNANTOくんの紹介をしている。

子供達も興奮して
NANTOくんに声援を送ったり、
記念撮影などを始めた。

侑芽)NANTOくん、人気者だなぁ

侑芽がそう呟くと高岡がドヤ顔

もっとみる
【小説】連綿と続け No.54

【小説】連綿と続け No.54

開場前から続々と来場客が集まりだしている。
当初の予定では
来場者数は200名弱と想定されていた。
だがこの時点で
明らかにそれを上回ることが見えた。

富樫)これはえらいことになるが〜

侑芽)大丈夫です。なんとかなります!

富樫)何でそんなことわかるがよ

侑芽)SNSの反響で大体は予想してました。それと、ここ数年のマルシェの統計をとっていたので、たぶん今日は、少なくとも500名はお越しにな

もっとみる
【小説】連綿と続け No.53

【小説】連綿と続け No.53

離したくない、離れたくない。
あらためて思いを確認し、夜が明けた。

この日はマルシェの前日。

侑芽は会場設営に駆け回る。
参加者達は
そんな侑芽の姿を見て安堵している。

「やっぱアンタがおってくれて良かった」
「明日も必ず来てくれるんやちゃ?」

会う人会う人が声をかけてくる。
一時はマルシェ開催が危ぶまれたから、
不安が大きかったのは
むしろ出店する側だった。

久しぶりに参加者達の顔を見

もっとみる