nekonomimi1026
ご当地小説を書く傍ら旅をしています。 その記録をここに残します。
富山県を舞台にした小説
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題名: 連綿と続け (あらすじ) 東京都八王子市で生まれ育った一ノ瀬侑芽は 大学を卒業し、富山県の南砺市役所に就職が決まった。 南砺市では人口と観光客が年々減少し、…
朝5時に目覚めると ちょうど日の出の時刻で、 部屋の中にまで日差しが届き 気持ちよく目覚めました。 七時頃、朝食のおにぎり弁当が届くというので、 それまで朝風呂に入…
目的地の足摺岬に到着し、 早々に宿に向かった。 宿は足摺岬のバス停から 車で数分走った場所にある【民宿 西田】さんだ。 絶景を目の前にした あしずり温泉郷にある温…
目的地である足摺岬に向かうには、 中村駅から路線バス もしくはレンタカーに乗り換える必要があります。 (お金持ちはタクシーという選択肢もあります) 私は今回、足摺…
侑芽の誕生日に訪れた秘境の一軒宿は、 船でしか行くことの出来ない大牧温泉であった。 露天風呂付きのモダンな客室で、 庄川の眺めを見つめていた侑芽に、 航は後ろから…
はじめに 高知県を舞台にした自作 【潮騒に導かれて】のセルフ出版に向けて 現地に取材や許可取り、撮影に行っておりました。 先日帰ってきて ようやく落ち着いてきたの…
高岡が役所を出ると、 突然、侑芽の事を尋ねてくる女が現れた。 不敵な笑みを浮かべるその女に、 高岡は女の勘が働き、瞬時に臨戦態勢に入った。 高岡)あのねぇ、人に物…
五箇山支所への異動が近づく。 担当していた井波地区は 同期の高岡が引き継ぐため、 高岡とともに地区の人達に挨拶回りを始めた。 瑞泉寺の和尚にもご挨拶に伺う。 好物…
航)あのな……ほんまは誕生日に渡そうと思うとったんやけど…… そう言いながら小さな木箱を手渡した。 箱には小さな文字が彫られている。 “Wataru to Yu…
夜空にはぼんやりと月が浮かび、 涼しい夜風が吹いている。 航は愛おしい人を連れて帰る幸せを 噛みしめながらゆっくりと歩いた。 自宅に着きベッドに降ろすと、 侑芽が…
由美子)ジョギングで顔は合わせとったんやけどね 侑芽)ジョギングで? 由美子)そいがそいが。毎朝、小矢部川沿いを走っとったんやけど、必ず会うから「おはようござい…
純喫茶『あいの風』を貸し切り、 マルシェの打ち上げをする事になった。 富樫と高岡も乗せて 航の車であいの風に向かう。 高岡と富樫は店の前で先に降り、 侑芽は航と共…
浴衣を着せられた侑芽は 照れながら航の前に立つ。 白地に小さな青い花の模様が描かれた浴衣であった。 浴衣に描かれている花は雪割草。 雪深い土地に春の到来を告げる花…
正也や歌子達が会場を回り出した頃、 南砺市のゆるキャラ 『NANTOくん』が特設ステージに現れ、 会場は一気に盛り上がりをみせた。 地元のローカル番組『なんと素敵テレビ…
開場前から続々と来場客が集まりだしている。 当初の予定では 来場者数は200名弱と想定されていた。 だがこの時点で 明らかにそれを上回ることが見えた。 富樫)これは…
離したくない、離れたくない。 あらためて思いを確認し、夜が明けた。 この日はマルシェの前日。 侑芽は会場設営に駆け回る。 参加者達は そんな侑芽の姿を見て安堵して…
2023年9月11日 22:19
題名: 連綿と続け(あらすじ)東京都八王子市で生まれ育った一ノ瀬侑芽は大学を卒業し、富山県の南砺市役所に就職が決まった。南砺市では人口と観光客が年々減少し、その回復が急務となっていた。その為には地域の人々の協力が必要となり、その間に入る担当者として新人の侑芽が選ばれる。様々なことに苦戦する侑芽であったが、足を運ぶうちに地域の人々の暮らしぶりやそれぞれの思いを知り、観光だけに頼らず地域の
2024年5月31日 00:12
朝5時に目覚めるとちょうど日の出の時刻で、部屋の中にまで日差しが届き気持ちよく目覚めました。七時頃、朝食のおにぎり弁当が届くというので、それまで朝風呂に入ったり、ウッドデッキでストレッチをして有意義な時間を過ごせました。もしも取材旅行でなければここでひたすら海を眺めるだけでもいいとそう思えるほど素晴らしいお宿なので、日々時間に追われているならば、温泉と景色を楽しむだけで
2024年5月29日 23:39
目的地の足摺岬に到着し、早々に宿に向かった。宿は足摺岬のバス停から車で数分走った場所にある【民宿 西田】さんだ。絶景を目の前にしたあしずり温泉郷にある温泉宿で、今回ここに3泊しました。駐車場もありここなら水平線がよく見える。クチコミもよく即決だった。案の定、最高だった。眺望は部屋によっても異なるでしょう。今回私は1階のバス・トイレ・ウッドデッキ付き海側のお部屋に泊
2024年5月28日 21:46
目的地である足摺岬に向かうには、中村駅から路線バスもしくはレンタカーに乗り換える必要があります。(お金持ちはタクシーという選択肢もあります)私は今回、足摺岬に3泊したのですが、この中村駅近隣にも宿はたくさんあります。中村は土佐の小京都と言われている街で、見どころも多く、この辺では一番大きな街なので不便はありません。ですが私は足摺岬の朝も夜も味わいたかったので、宿は3泊とも足摺に
2024年5月28日 18:21
侑芽の誕生日に訪れた秘境の一軒宿は、船でしか行くことの出来ない大牧温泉であった。露天風呂付きのモダンな客室で、庄川の眺めを見つめていた侑芽に、航は後ろから抱きしめて風呂に入ろうと誘う。侑芽)大きいお風呂から行きますか?それともお部屋のお風呂から?航は部屋の風呂で充分だと思っていたが、侑芽は温泉が好きで全種類入りたいと思っている。侑芽)温泉来たら、やっぱり3回は入らなきゃです
2024年5月27日 00:13
はじめに高知県を舞台にした自作【潮騒に導かれて】のセルフ出版に向けて現地に取材や許可取り、撮影に行っておりました。先日帰ってきてようやく落ち着いてきたので、note、カクヨムの更新など随時再開してまいります。初めましての方のために、軽く自己紹介です。私はもともとインスタグラムで二次創作やオリジナル作品を綴っておりました無名の小説家でnekonomimi(ネコノミミ
2024年5月26日 14:03
高岡が役所を出ると、突然、侑芽の事を尋ねてくる女が現れた。不敵な笑みを浮かべるその女に、高岡は女の勘が働き、瞬時に臨戦態勢に入った。高岡)あのねぇ、人に物を聞く時はまずは名乗りなさいよ!その女は役所に匿名でメールを送った人物であり、航が昔付き合っていた大谷香菜であった。香菜)怖〜!あんたも東京の人?やっぱり東京の女は怖いちゃ〜あざとく眉を曲げて怖がる素振りを見せる香菜。
2024年5月16日 22:16
五箇山支所への異動が近づく。担当していた井波地区は同期の高岡が引き継ぐため、高岡とともに地区の人達に挨拶回りを始めた。瑞泉寺の和尚にもご挨拶に伺う。好物である水羊羹を手渡し、侑芽が五箇山に異動になったことを報告した。すると和尚は朗らかに話しだした。和尚)そうけ。役所勤めいうんも大変やのう。けど最初にここに来た時よりも、2人とも自信がついた顔しとる。頑張っとるんやなぁ侑芽)
2024年5月16日 21:10
航)あのな……ほんまは誕生日に渡そうと思うとったんやけど……そう言いながら小さな木箱を手渡した。箱には小さな文字が彫られている。“Wataru to Yume”侑芽の誕生日は3日後の七夕。だから侑芽としては少し早い誕生日プレゼントと思いながら箱を開ける。中には木で作られた指輪が2つ入っていた。侑芽)え?これ……航)ウッドリングや。俺が作ったんやけど……つけてみる?侑
2024年5月12日 22:30
夜空にはぼんやりと月が浮かび、涼しい夜風が吹いている。航は愛おしい人を連れて帰る幸せを噛みしめながらゆっくりと歩いた。自宅に着きベッドに降ろすと、侑芽が目を覚ました。侑芽)あっ、ごめんなさい……目を擦りながら航に謝っている航)ええから寝とれベットに並んで腰掛けペットボトルの水を分け合って飲んだ。侑芽)あ〜!美味し〜航)ちょっこし飲み過ぎたのう侑芽)素敵な
2024年5月11日 15:00
由美子)ジョギングで顔は合わせとったんやけどね侑芽)ジョギングで?由美子)そいがそいが。毎朝、小矢部川沿いを走っとったんやけど、必ず会うから「おはようございます」て挨拶だけしとってね航)へぇ。ジョギングしとることは知っとったけど……山崎)なんや照れてまうのう!いつの間にか他の者達も耳をすませて話を聞いている。由美子)そんな事が2年くらい続いたのかなぁ。ある日、私がお勤めし
2024年5月11日 12:57
純喫茶『あいの風』を貸し切り、マルシェの打ち上げをする事になった。富樫と高岡も乗せて航の車であいの風に向かう。高岡と富樫は店の前で先に降り、侑芽は航と共に一度航の自宅に向かう。車を置くだけと思っていた侑芽は、そのまま店に向かおうとするが、自宅に入っていく航。侑芽)……?自宅に入るなり侑芽を抱きしめた航は、耳元で「お疲れ」と囁き、すくいあげるように口付けた。二人
2024年5月7日 18:22
浴衣を着せられた侑芽は照れながら航の前に立つ。白地に小さな青い花の模様が描かれた浴衣であった。浴衣に描かれている花は雪割草。雪深い土地に春の到来を告げる花である。その姿は可憐でありながら、厳しい環境にもちこたえられる生命力がある。隆史)航くんも着るけ?航)俺はええ。似合わんし……凛子)似合うよ絶対!ほれ、簡単に着せられるさかい航)ええて……侑芽)航さんも着てくだ
2024年5月6日 20:22
正也や歌子達が会場を回り出した頃、南砺市のゆるキャラ『NANTOくん』が特設ステージに現れ、会場は一気に盛り上がりをみせた。地元のローカル番組『なんと素敵テレビ』がマルシェの取材に訪れており、撮影をしながらNANTOくんの紹介をしている。子供達も興奮してNANTOくんに声援を送ったり、記念撮影などを始めた。侑芽)NANTOくん、人気者だなぁ侑芽がそう呟くと高岡がドヤ顔
2024年5月5日 13:11
開場前から続々と来場客が集まりだしている。当初の予定では来場者数は200名弱と想定されていた。だがこの時点で明らかにそれを上回ることが見えた。富樫)これはえらいことになるが〜侑芽)大丈夫です。なんとかなります!富樫)何でそんなことわかるがよ侑芽)SNSの反響で大体は予想してました。それと、ここ数年のマルシェの統計をとっていたので、たぶん今日は、少なくとも500名はお越しにな
2024年5月4日 01:59
離したくない、離れたくない。あらためて思いを確認し、夜が明けた。この日はマルシェの前日。侑芽は会場設営に駆け回る。参加者達はそんな侑芽の姿を見て安堵している。「やっぱアンタがおってくれて良かった」「明日も必ず来てくれるんやちゃ?」会う人会う人が声をかけてくる。一時はマルシェ開催が危ぶまれたから、不安が大きかったのはむしろ出店する側だった。久しぶりに参加者達の顔を見