SNSマーケターになるために
第3回目となる今回は講師にスマートシェア株式会社から吉田さんとランサーズからは甲斐田さんのサポートでお送りします。
テーマは「企業の炎上対策」になります。
炎上というと皆さんとても恐いイメージがあると思いますが、実際はどのような事象なのでしょうか。今回の講義もお客様を支援するために必要な知識ですので、幅広く学習することが大切になります。
今回のゴール
✅ 炎上の3タイプ(「批判集中型炎上」「議論白熱型炎上」「非実在型炎上」)を理解する
✅ 炎上の流れを理解し、なるべく炎上しない運用ができるようになる
✅ 炎上のとき、どんな対応が必要なのか理解する
✅ クライアントに緊急時の対応フローを確認、または提案できるようになる
炎上とは
よく耳にする「炎上」とてもマイナスなイメージがありますね。それでは炎上の定義とは何でしょう。
⒈インターネット上で
⒉収集がつかないほど多くの
⒊非難・批判を浴びること
となります。実は定義が曖昧でかなり広い意味で使われているようです。
どうして曖昧なのかというと、多くとはどの程度か、非難・批判の定義は何か、個人の主観によって変わるからです。
そして「批判=炎上」とは限りません。
SNSではクラスタが形成されています。クラスタとは興味関心が似通ったグループのことでSNSの特性上ユーザーの興味関心がある話題が表示されやすくなるのでクラスタが形成されるのです。
そして、そのクラスタ内で話題になっていることは他のクラスタには届いていないケースが多いのです。なので、クラスタ内での批判ですと、他のクラスタで話題になっているわけではないので「炎上」とは言い難いでしょう。
それではどんな批判が問題になるのでしょうか?
✅ メインターゲット層から批判されている場合
ペルソナに近い人物など、ツイートを届けたい人からの批判されている状態
(この場合のメインターゲット層やペルソナであるという判断は性別や年代、発信の前後、プロフィールをみます。実際にお客様のフォロワーかどうかも判断材料になります。)
✅ 多様な属性の人から批判されている場合
ニュースサイトやメディアに取り上げられる、多種多様な人々に批判される
批判が問題になるまでの流れ
一部クラスタ内で批判的に話題になる
↓
話題の「まとめ」がつくられる
↓
クラスタ外でも話題になり、言及が増加
↓
テレビや、大手メディアに取り上げられる
↓
“炎上”と一般に認識される
話題の「まとめ」が作られるとクラスタ外に拡散されることになります。そしてテレビやメディアに取り上げられると一般に周知されます。批判だけで炎上となるのではなく、こうした流れがあって「炎上」と一般的に認識されることになります。
3タイプの炎上
批判集中型炎上
情報漏えい、異物混入、不正、迷惑行為などがインターネット上で話題になり多くの批判を浴びる
議論白熱型炎上
広告表現などに対し批判・批判への批判と意見の違う人が強く主張し合い、話題になる
非実在型炎上
実際に批判している人は極めて少数なのに炎上したと思われている状態
この炎上3タイプを学んでおくと、実際に炎上が発生した場合に冷静に対処することができます。
「炎上とは何か」まとめ
✅ 批判=炎上=問題 ということではない
・クラスタ内のみの批判なら問題ないことが多い
・ターゲット層に批判されている場合や、幅広い層から批判されている場合は問題がある
✅ 炎上には3タイプある
・まとめ記事やメディアの報道によって「炎上」が既成事実化する
・炎上と呼ばれていても批判ばかりが集中しているとは限らない
・現在は、批判集中型・議論白熱型・非実在型の3タイプが存在する
炎上しないためには?
実は炎上しやすい話題というのはインターネット上でのトレンドでもあるので、トレンドを掴みつつ炎上に注意するのが得策になります。
トレンドで関心の高い話題は良くも悪くも話題になりやすいです。しかも、インターネット上のトレンドは、オフラインのトレンドとほぼ一致するが一致しない時もあります。
トレンドを掴むことが炎上対策に重要である
✅ 話題化しやすい=炎上しやすい
ので、炎上しやすいテーマを完全に避けることは不可能
✅ これからの炎上対策はトレンドを掴むこと
つまり炎上対策とは
炎上しやすい話題を注意して扱う。
トレンドをつかめば反応を予想しやすいので、
話題化を狙う時は「批判の予測」もセットで考える。
炎上しないためには?まとめ
✅ 炎上はトレンドによって変化する
炎上しやすい話題は時々の状況によって異なります。注目ニュースや出来事に関連するトピックや、議論を起こしやすい話題は炎上しやすいので要確認です。
✅ トレンドを掴むことが炎上対策
注目度の高い話題(トレンド)=炎上しやすくなる話題なのでトレンドを理解すれば反応を予測しやすくなります。話題化を狙うときは炎上のリスクの洗い出しもセットで考えます。
炎上への対応
炎上してしまったら冷静に対応できるよう学習しましょう。
⒈ 全員参加で炎上を早期感知し、共有する
⒉ 実際に何か起こっているのかを正確に把握する
⒊ 実際の状況に合わせて対応方針を決定し手配する
⒈ 早期発見・共有の体制を整える
SNS運用担当者だけではなく、全員で炎上の火種を見つけ、すぐに運用担当者に報告するようにあらかじめ周知しておきます。
⒉ 炎上の実態を見極める
✅ 関連ワードでTwitter検索を行い、下記それぞれのツイートを探す
A:批判している意見
B:批判を批判する意見
✅ A, Bそれぞれについてチェック
・どんな人が言及しているのか
・何が問題点(争点)とされているのか?
・話題全体のボリュームはとA, Bの割合はどのくらいか?
企業名、ブランド名、商品名、エゴサして実態を把握します。ネガティブな意見がないか確認が必要。
⒊ 実際の状況に合わせて対応方針を決定
批判集中型炎上
話題が拡大し続けると企業に深刻なダメージを与える危険が高いので
一刻も早い鎮静化が必要早急な謝罪を手配する。
議論白熱型炎上
議論を狙っていたなら問題なし。意図していなかった場合は、ターゲット層に最も寄り添うメッセージを出す。
非実在型炎上
安易な謝罪はNG。状況を注視し、話題が拡大するようなら対応を
炎上への対応方法まとめ
⒈ 全員で炎上の火種を見つける
SNS運用担当以外の人も、気になる事象を見つけたら担当に報告する
⒉ 早急な初期対応
とりあえずツイートを停止してから、状況の見極めに入る。
実態を把握し方針決定するまで、ツイート削除や安易な謝罪はNG
⒊ 状況の見極めが何よりも大切
状況と合わない対応をすると、逆に事態を悪化させることに。状況をよく見極めること。
⒋ 責任者には適宜報告
炎上対策には、連携が重要。火種を見つけてツイートを停止した段階、状況調査を行う段階、状況調査が完了した段階と、適宜状況を報告する。
⒌ 状況に合わせて対応する
以上が講義となります。自分自身で炎上を体験したことがないのですが、やはりお客様の立場にたった時に炎上の知識がある人が近くにいてくれると安心感があると思います。炎上への対応がきちんとできると信頼度が違ってきますね。今回の講義で炎上にはタイプがあって、タイプによって対処方法が異なることを学びました。そして、批判=問題ではないことも判りました。
いざお客様をサポートする立場になったら冷静に見極めて対処することが必要ですね。
今回もとても有益で大変有り難い講義でした。ありがとうございました。
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