雑記猫

映画を観たら感想を書きます。余裕があれば、他のことも書きたいです。

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【映画感想】『パスト ライブス/再会』 ラストシーンへ向かって真っ直ぐと走り抜ける物語

あらすじ 韓国ソウルに暮らす12歳のノラとヘソンは仲の良い同級生だったが、ノラの家族がアメリカへと移住したことから離れ離れになってしまう。12年後、SNSで再会した2人はやり取りを繰り返すうち仲を深めていくが、お互いのライフプランのすれ違いから再び連絡を絶ってしまう。さらに12年後、ノラは作家のアーサーと結婚していたが、そこへ韓国からヘソンが訪ねてくる。 評価★★★☆☆ 3.0点 予告編 感想全てはこのラストのために  本作は主人公のノラとヘソン、そしてノラの夫のア

    • 【映画感想】『オッペンハイマー』 副産物としての反核映画

      あらすじ 世界初の原子爆弾の開発を陣頭指揮したアメリカの物理学者ロバート・オッペンハイマーの半生を描く伝記作品。第二次世界大戦下のアメリカ、カリフォルニア大学バークレー校で教鞭をとる理論物理学者ロバート・オッペンハイマーは、原子爆弾開発を目指す極秘プロジェクト「マンハッタン計画」のリーダーに任命される。アメリカ中の優秀な人材を投入したマンハッタン計画はオッペンハイマーの指揮のもと順調に進展し、ニューメキシコでのトリニティ実験において世界初の核実験は成功を収める。しかし、開発

      • 【映画感想】『デューン 砂の惑星 PART2』 ★★★☆☆ 3.0点

         遠い未来、宇宙は様々な貴族が惑星を支配する封建社会となっていた。惑星カラダンの領主であるアトレイデス家は、皇帝から宇宙人類の生活の要である物質「メランジ」を供給する惑星アラキスの管理を命じられる。しかし、これはアトレイデス家を滅ぼすための皇帝の罠であり、皇帝と結託したハルコンネン家の謀略によりアトレイデス家は滅ぼされてしまう。しかし、アトレイデス家の跡継ぎであるポール・アトレイデスとその母レディ・ジェシカ・アトレイデスはハルコンネン家の襲撃から密かに逃げ延びていた。惑星アラ

        • 【映画感想】『アメリカン・フィクション』 ★★★☆☆ 3.6点

           黒人小説家のモンクは自身の書いた文学性の高い小説が評価されず、さらには母のアルツハイマー病の発症や姉の急死など様々な不幸に立て続けに見舞われる。嫌気が差したモンクは、自身が普段見下しているステレオタイプな黒人小説をやけになって執筆する。しかし、これが本人の予想を大きく覆すような大ヒット作となってしまったことから、モンクは嫌々ながら一大ムーブメントに巻き込まれていく。  本作は、主人公が悪ノリで書いたコテコテの黒人小説が大ヒットしてしまうというコメディ色の強い設定と、これに

        【映画感想】『パスト ライブス/再会』 ラストシーンへ向かって真っ直ぐと走り抜ける物語

          【ドラマ感想】『王様戦隊キングオージャー』 ★★★☆☆ 3.7点

           地球と似て非なる惑星「チキュー」、5つの王国によって統治されるこの惑星では人々が平和を謳歌していた。しかし、地底国バグナラクが2000年の眠りから復活し、チキューは混乱に陥る。この混乱に際し、4王国の王ヤンマ・ガスト、ヒメノ・ラン、リタ・カニスカ、カグラギ・ディボウスキ、そしてシュゴッダムの青年ギラ・ハスティーは、代々チキューに受け継がれてきた守護神シュゴッドの力を身にまとい、5色の戦士に変身してバグナラクに立ち向かう。バグナラクと人間の間に生まれた青年ジェラミー・ブラシエ

          【ドラマ感想】『王様戦隊キングオージャー』 ★★★☆☆ 3.7点

          【映画感想】『落下の解剖学』 ★★★☆☆ 3.5点

           人里離れた山間のシャレーで暮らす男性サミュエル・マレスキーが、ある日ベランダから転落死しているのが発見される。事件当時の状況から、妻のサンドラ・ヴォイターがその容疑者として起訴される。さしたる物証も目撃者もない中、裁判は二人の息子のダニエルを巻き込んで加熱していく。  本作の興味深い点は物語の終盤あたりを境に、作中の中心人物が被害者の妻であり容疑者のサンドラから、その息子のダニエルへとスライドする点にある。  本作は物語の中盤までは、夫であるサミュエルを殺害した容疑で起

          【映画感想】『落下の解剖学』 ★★★☆☆ 3.5点

          【映画感想】『ボーはおそれている』 ★★★☆☆ 3.6点

           巨大企業の経営者モナ・ワッサーマンの息子であるボー・ワッサーマンは、モナが自宅で事故死したことを知る。母の葬儀に参列するためになんとか実家へ戻ろうとするボーだったが、その道中、様々な不可解な事態に巻き込まれ翻弄されていく。  本作の物語の骨子を拾い上げると、ある中年男性が母親の死をきっかけに実家へ帰る話となるのだろう。ただ、本作は兎にも角にも全編非現実的な映像や展開で埋め尽くされており、そのどれもが不条理かつ理不尽であるため、何が現実で何が虚構なのか、全ては主人公ボーの妄

          【映画感想】『ボーはおそれている』 ★★★☆☆ 3.6点

          【映画感想】『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』 ★★★☆☆ 3.5点

           1920年代にオクラホマ州オセージで起こった先住民オセージ族の連続殺人事件を題材とした作品。オクラホマ州オセージの居留地に住む先住民族オセージの人々は、石油資源を発見したことから莫大な富を築いていた。第一次世界大戦の復員兵アーネスト・バークハートは、地域の有力者であるおじのウィリアム・キング・ヘイルを頼り、オセージへ移住する。運転手を始めたアーネストは、そこで出会ったオセージ族の女性モリー・カイルの運転手となり、後に結婚する。しかし、これを機に、オセージ族の莫大な資産への受

          【映画感想】『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』 ★★★☆☆ 3.5点

          【映画感想】『仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド』 ★★★☆☆ 3.9点

           2003年から2004年にかけて放送された特撮テレビドラマ『仮面ライダー555』のその後を描いた作品。一部の人類がオルフェノクと呼ばれる怪人へと変貌するようになってしまった世界。かつて人類に猛威を振るったオルフェノクたちは、今では逆に政府によって駆除される存在へと成り果てていた。そんな中、クリーニング店を営む園田真理は、人類とオルフェノクたちとの共存の可能性を信じ、仲間たちとともに人として生きることを望むオルフェノクたちを庇護していた。ある日、匿っていたオルフェノクの青年・

          【映画感想】『仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド』 ★★★☆☆ 3.9点

          【映画感想】『哀れなるものたち』 ★★★☆☆ 3.9点

           ヴィクトリア朝時代のロンドン。投身自殺を図った妊婦を発見した天才外科医ゴッドウィン・バクスターは、彼女の体に彼女の身籠っていた胎児の脳を移植することで妊婦を蘇生させることに成功する。彼女をベラと名付けたゴッドウィンは、教え子の医学生マックスとともに彼女を観察しながら育てていく。ゴッドウィンの勧めでベラはマックスと結婚することとなるが、知能の急速な発達に伴い、ベラはゴッドウィン邸を出入りしていた弁護士のダンカン・ウェダバーンと駆け落ちする。ダンカンとともに旅に出たベラは数々の

          【映画感想】『哀れなるものたち』 ★★★☆☆ 3.9点

          【ドラマ感想】『ウルトラマンブレーザー』 ★★★★☆ 4.1点

           地球内外から怪獣たちが出現し、人々の生活を日常的に脅かしている地球。そんな怪獣たちを討伐すべく結成された地球防衛隊の隊員ヒルマ ゲントは、怪獣バザンガの掃討作戦中に怪獣たちを打ち払う光の巨人・ウルトラマンブレーザーと一心同体となる力を得る。自身が得た力に困惑する中、ゲントは地球防衛隊内に新設された特殊部隊である特殊怪獣対応分遣隊SKaRDの隊長への就任を要請される。出来たばかりの新設組織の隊長として、そして光の巨人ウルトラマンブレーザーとして、ゲントは怪獣たちとの戦いに身を

          【ドラマ感想】『ウルトラマンブレーザー』 ★★★★☆ 4.1点

          【映画感想】『カラオケ行こ!』 ★★★☆☆ 3.2点

           合唱部で部長を務める中学生の岡聡実は合唱コンクールの帰りに、ヤクザの成田狂児に突然カラオケへと誘われる。狂児いわく、彼の所属する組のカラオケ大会で最下位になると、組長に著しく下手な入れ墨を彫られてしまうため、なんとか歌を上達させ最下位を回避したいとのこと。狂児に説得された聡実は嫌々ながらも彼の練習に協力するが、そのうちに徐々に狂児に対して惹かれていってしまう。  本作を語るうえでまず触れておくべきは、主演の綾野剛の演技の素晴らしさであろう。主人公の成田狂児は素っ頓狂な高音

          【映画感想】『カラオケ行こ!』 ★★★☆☆ 3.2点

          【映画感想】『コンクリート・ユートピア』 ★★★★☆ 4.5点

           地盤隆起による大災害により壊滅したソウル。偶然にも唯一倒壊を免れたファングンアパートでは、アパート住民と外部からの避難者の間で問題が生じ始めていた。そんな中、アパートで放火事件が発生するが、902号室のヨンタクの危険を顧みない消火活動によって事なきを得る。今後の生活のため、アパート住民たちは自治組織を結成し、臨時代表としてヨンタクを選出する。自治組織を結束したアパート住民たちは自身らの生存のため、避難住民の追放を始めとした冷酷な行動に手を染めていく。  作中で明確な被害の

          【映画感想】『コンクリート・ユートピア』 ★★★★☆ 4.5点

          【映画感想】『劇場版SPYxFAMILY CODE: White』 ★★★☆☆ 3.2点

           人気テレビアニメ「SPYxFAMILY」のオリジナル劇場作品。スパイの父ロイド・フォージャー、殺し屋の母ヨル・フォージャー、超能力者の娘アーニャ・フォージャーの3人がそれぞれの素性を隠しながら疑似家族として暮らしていく姿を描くコメディ作品。本作では旅行に出かけたフォージャー家の面々がひょんなことから世界を揺るがす大事件に巻き込まれていく様が描かれる。  昨今のジャンプアニメの映画化ラッシュの中、今や一大コンテンツとなった人気アニメ「SPYxFAMILY」の満を持しての劇場

          【映画感想】『劇場版SPYxFAMILY CODE: White』 ★★★☆☆ 3.2点

          【映画感想】『PERFECT DAYS』 ★★★☆☆ 3.9点

           東京でトイレ清掃員として働く男性・平山は毎日同じ時間に起き、毎日同じように清掃に励み、毎日同じように夜の余暇の時間を過ごしていた。淡々と同じことを繰り返しながら生きている平山であるが、少しのイレギュラーから彼の過去が徐々に垣間見え始める。  全体としての大きなストーリーラインのようなものはあまりなく、一人のトイレ清掃員の男性の日常風景をただただ延々と追っていくという劇映画としてかなり特殊な作りとなっている本作。本当にほぼほぼ作業のような彼の日常を描き出すだけなのだが、これ

          【映画感想】『PERFECT DAYS』 ★★★☆☆ 3.9点

          【映画感想】『仮面ライダー THE WINTER MOVIE ガッチャード&ギーツ 最強ケミー★ガッチャ大作戦』 ★★☆☆☆ 2.5点

           現在放送中の特撮テレビドラマ『仮面ライダーガッチャード』と今年8月に最終回を迎えた前作『仮面ライダーギーツ』のクロスオーバー作品。錬金術によって作られた101体の人工生命体ケミーが解き放たれてしまった世界。錬金術師である一ノ瀬宝太郎/仮面ライダーガッチャードたちは、全てのケミーたちを回収するため戦いの日々を送っていた。戦いの中で浮世英寿/仮面ライダーギーツたちと出会った宝太郎たちは、レベル10と呼ばれる強力なケミーの一体であるクロスウィザードと邂逅する。クロスウィザードの力

          【映画感想】『仮面ライダー THE WINTER MOVIE ガッチャード&ギーツ 最強ケミー★ガッチャ大作戦』 ★★☆☆☆ 2.5点