人魚屋敷の脳先生 (第13話/全26話)
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「君も僕の頭がおかしくなったと思いますか?」
「先生、私は先生の作品に憧れて編集者になったのです。……ですので金魚鉢に人魚が居ようと居なかろうと、その人魚が先生にだけ見えていようが、見えていなかろうが、どっちだって構いやしません。でも」
「でも?」
「そのお話、書いて下さいませんか」
「その話というのは……? 人魚が居るとか見えるとか、やはり死んだ……とか書けというのですか?」
「全てそのままじゃなくてもいいんです。その浪漫を、空想を、そして心に響いた事を書いて下さい