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愛すべき生活音|映画「PERFECT DAYS」

年始に「PERFECT DAYS」観てきました。

とても良い映画でした。

■きっかけはvoicy

きっかけはvoicyの「山口祐加の旅と暮らしとごはん」のこの放送でした。

私は普段、映画はスマホかパソコンで観ることが多く、
映画館には年に1回行くかいかないくらいなのですが
この放送を聞いて「久々にひとり映画鑑賞がしたい!」と思い立ち
年始に一人で映画館に行ってきました。

予約をせずに当日直接映画館でチケットを購入。
シアターに入って映画を始まるのを待っていると席がどんどん埋まっていき、映画が始まる頃にはほぼ満席。
周り60-70代だらけ。30代半ばの私はおそらくそのシアター内で最年少だったのではないでしょうか。普段そんな状況病院の待合室ぐらいしかないので不思議な気分。
主演役所広司の世代なのでしょうか、それとも来た映画館の客層が60-70代多いのか、普段映画館に足を運ばないのでちょっとわからないですね。

映画の前情報はvoicyの山口祐加さんの放送とYouTubeでの予告編を見た程度
どうやらドイツの有名な監督さん、カンヌ国際映画賞で役所広司が男優賞をとったらしいです。

平山というトイレ清掃員の日常というストーリーはひょっとしたら途中で眠くなる?飽きそう?と思いきや飽きることなく時間が過ぎていきました

この映画はネタバレという要素が少ないです。
繰り返される平山という人間のルーティンを繰り返し見ていくうちに惹き込まれていきます。

■おしゃれな公衆トイレ

映画内で公衆トイレがいくつか出てくるのですが、
東京にはこんなおしゃれな公衆トイレあるんですね。

映画を見終わった後に調べると
「THE TOKYO TOILET」プロジェクトというものがそもそもの映画の企画だとか


■アスペクト比

映画を見ていく途中で
「あれ?映像が四角い?正方形?」ということに気づきました。
映画館で映画といったら横長ワイドスクリーンで観るものと思っていたけど
この映画の映像はよくよく見れば正方形のように四角い。

横長が映画の醍醐味ですが、正方形に近いとなんだかレトロな味のある雰囲気、フィルム映画のような(といってもフィルム映画よくわかってませんが)どこかあたたかみを感じる印象はこういうところからもきているのですね。

映画鑑賞後、検索するとやはりアスペクト比が映画でよくある横長ではないようでした。感想を投稿している人によってアスペクト比が違ったのでどれが本当かわかりませんがキネマ旬報のサイト情報だとアスペクト比スタンダード(1:1.37)と書いてありました。


■主演:役所広司

セリフがほとんどないけれど息づかいやちょっとした頬や目の動きでも十二分に伝わる役所広司さんの演技が素晴らしかったです。

繰り返される朝のルーティン、玄関を開けて空を見上げたときに微笑む姿を観ているとこちらまで豊かな気持ちになってきました。

ラストのシーンは何とも言えない時間でした。
役所広司さんでないと成立し得ないであろうと映画ど素人の私でも思うほどすごかったです。

私の中で役所広司さんの演技は威厳のある立ち振る舞いや力強いセリフを言ったり、叫んだりする印象があったのでこの映画の静かな力強さ、暖かさという演技も良いなと
過去の数々の作品にはきっとそういう役もあると思うのですが、私自身そこまで映画みないのでそういう印象がなかっただけかもですが…

■愛すべき生活音

朝の竹ぼうきで掃く音がどんどん心地よく
愛おしくなってくるんですよね。

平山の朝のルーティンに登場する
竹ぼうきの音
布団をたたむ音
歯磨きする音
ハサミで上ヒゲを整える音
電動カミソリの音
玄関の荷物を取る音
玄関の戸を開ける音
自販機でコーヒーを買う音
車の戸を閉める音
カセットテープをセットする音

それらすべての生活音が心地よく感じました。

映画を観た翌日から
私の生活にも愛すべき生活音はないか意識するようになりました。

朝起きて
残念ながら竹ぼうきの音で起きることはない

私が「ふう、」と息を吐いても
役所広司のような哀愁漂う音にならない

布団を畳んでみてもいい感じの音はならない
そもそも掛け布団の中綿がよっててうまく畳めない。。

はい、ここでやめておきます。

つまり言いたいのはあの映画の平山という男の何気ない日常のシーンは
あらゆる美が凝縮されている
ということが改めてわかります。


■余韻

映画を観終わった数日、
豊かな映画をみたなぁ
映画の余韻が続いています。

映画を観終わった後にYouTubeで映画の考察を観たり、
また上で書いたような「映画のあれは何だったんだろう?」と調べたり、
自分の中で「あの演出はどういうことだったのか」考えてみたりしています。

しばらくは映画のこの余韻を楽しみつつ
自分の暮らしの中にも愛すべき生活音が隠れていないか
もしくはこれから愛すべき生活音になりうるルーティンを見つけていきたいです。

映画好きの義母にこの映画をおすすめしたところ
さっそく翌日に観に行ってました。
フッ軽!アクティブシニア、素晴らしい。
義母曰く「映画でかかっていたカセットテープの音楽ほとんど知ってるから懐かしかった」と。
なるほど、やはりドンピシャ世代なのですね。

今年は会う人会う人にこの映画おすすめしそうな予感。

Enjoy The Movie 🎥😼

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