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地鎮祭をした話②

今日も引き続き、地鎮祭の時の話をしようと思う。

まず、「地鎮祭をした話①」からご覧いただきたい。

夫はまだ背中が痛むようで、「気胸かもしれない・・・」と、深刻な顔で言い出した・・・

気胸とは、肺に穴が空き、肺から空気が漏れる疾患だ。
胸痛・咳や息切れなどが生じるらしいが、あまり息苦しそうには見えなかったため、もし気胸であっても軽度ではないかという話でその日は落ち着いた。

しかし私が難病を抱えていることもあり、何があってもおかしくないということで、明日一応大きめの病院で検査を受けることになった。

翌日、朝起きると、夫は既に起きていた。
朝イチで病院に行くために早起きをしたようだ。
会社には既に連絡を入れておいたらしく、病院の予約も済ませてあった。

私は夫のそんな部分に、いつも関心している。
いつでも準備万端で、なんとも頼りになる。

そんな夫が、突然こんなことを言い始めた。

「俺が死んだら、家のローンは保険で払えるから・・・安心してくれよ・・・」

とんでもねぇ難病を抱えている嫁に言うセリフかと突っ込みたくなったが、夫は普段健康なだけに熱が出たことで少し弱気になっているのだろう。
身体とは、つくづく精神を蝕むものだと感じた。

夫は病院の予約時間まで猫と戯れながらソファで過ごしていた。

そしていざ出掛ける数十分前にこんなことを言い始める。

「あれ。背中の痛みがかなりマシになってる。」

どうやら葛根湯が効いてきたようだ。

結論から言うと、気胸でもなんでもなく、ただの風邪とただの関節痛だった。(なんとなく分かってはいたけど)

要するにこれは、夫の待ちに待った地鎮祭を三日目に控え、風邪が治って良かったねというブログだ。

滅多に風邪をひかない健康な夫は、地鎮祭まで自分を労わりに労った。
私のプロテインやサプリを摂取し、徹底的に断酒もした。

そして、健康志向が高まったのか、こんなことを言い出した。

「このプロテイン、これから俺も一緒に飲んでもいいってこと?」

・・・ん?

私は健康の為に、アミノ酸スコアの高い1kg5000円以上もする高級プロテインを摂取している。
そこは自分で購入するよう強めに注意をした。

無事、体調万全で地鎮祭前日を迎えることができ、私たちはスーパーへ最後の買い出しへ出掛けた。

野菜三種とフルーツ三種を購入し、注文しておいた鯛を受け取りに行った。

店員さんが鯛を運んできてくれるのを待っていたところ、夫が私に鯛の説明をし始めた。

「地鎮祭に使う鯛は尾頭付きがいいから準備してもらった^^
 養殖か天然か聞かれて高くなってもいいから天然でってお願いしたけど、天然はなかなか無いからって養殖になって・・・」

と、鯛が天然から養殖になった経緯を解説してくれた。
夫は地鎮祭の話をする際、実に楽しそうに話をする。
無趣味な夫が何かに対して積極的に話す姿は微笑ましいものがある。

説明を受けている最中に、鯛が運ばれてきた。

しかしその鯛は、地鎮祭に重きを置く夫にとっては衝撃的な姿での登場だった

そんな鯛の姿がこちら。

尻尾切れてますけど

地鎮祭に使用するため、尾頭付きでとお願いしたはずの鯛だったが、なぜか尻尾だけが切り落とされた状態だった。

私は驚きのあまり焦ったのだが、夫は至って冷静だった。
私はこういう時、頭が真っ白になったり結構衝撃を受けるタイプだったりする。
しかし、夫はあまり物事に対して驚いたりしない。
驚いているのかもしれないが、それを表情に出すことはしない。
何かトラブルが起こっても「どうしよう!」とはならず、「どうするべきか」にフォーカスできるタイプの人間だ。
本当に、なんとも頼りになる夫である。

この日も、地鎮祭で使用する尾頭付きの鯛を準備してもらえるようお願いをしてあった旨を丁寧に伝え、地鎮祭に間に合うよう明朝天然の鯛を届けて貰えることになった。

買い物を終え帰宅し、準備しておいた新札を封筒に入れ、神主さんへの謝礼の準備も万端。

そして翌朝、立派な尾頭付きの鯛が到着。
無事地鎮祭へ出掛けられることになった。

少し長くなりそうなので、続きは次回・・・

nekogaki

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