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父へのイラスト

 父は四十九日が終わり、無事に仏様になったんだろうか。写真の中の父は穏やかに笑っている。たくさんの人から、「優しい人だった」「笑顔が浮かぶ」と言われた父。人柄が偲ばれる。

 私は父とペットのデイジーの死が重なり、ひどい体調不良に陥った。食事が取れなくなり、体重は5kg落ちた。もっとも元が巨体なので、見かけは何も変わらない。

 今日やっと寝たきりだった布団から抜け出し、溜まっていた家計簿をつけることができた。作業所へは来週から通えるだろう。遅れていた生理が来たのもあり、四十九日で一区切りついたのかもしれない。

 父が生きている間、色んな話を聞いた。ニニ・ロッソに憧れて、吹奏楽部ではトランペットを担当していたこと。大学ではバイトに明け暮れ、気づいたら誰も知っている人がいなくなり、慌てて6年で卒業したこと。

 大学時代は3人で2台のバイクにまたがり九州を旅行したこと。途中バイクが壊れ、難儀したこと。バンカラを気取り、下駄を履いて通学したら、音がうるさくてかなわなかったことなど、ツッコミどころ満載の話をよくしてくれた。

 好奇心旺盛で何事にも興味深々の父は、最後の治療の時まで「先生は身長が180cmありますかね?」なんて聞いていた。もっと他に聞くことがあるだろうに、瀕死の病人とは思えない呑気な質問である。こんな性格だから、予後不良のがんとも9年闘えたのだろう。

 父は天国で私たちを見守っているはずだ。いつまでも寝ているばかりではいかんよと言われそうだ。ペットのデイジーも、大好きな父の元へ行った。今頃先代のお姉さん鶏たちと、父取り合いのケンカをしてるかもしれない。

 来週は美容院の予約も入れた。私も前を向いて行こう。父のために描いたイラストがこちら。

デイジーと共に

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