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短歌

 きのう、東直子さんと穂村弘さんの対談イベントに行ってきた。内容についてはもったいないので胸にしまっておきたいところだけど、穂村さんが東さんに(結局のところ答えられないとわかっているけれど)「(短歌を)どうやってつくってるの?」と聞いたところから始まった「ピンぼけ」の話、あと、ポエジーのうまれかたの話が面白かった。

 わたし自身について言うと、この10年……いや15年ぐらい(こわい)、詠んだり詠まなかったりしていると思う。そのときどきによって理由は色々。だったと思う。もう思い出せないしあんまり思い出したくない。それでもいまは、呼吸するようにうまれる歌をぽつぽつとこのあたりに残していきたい。

 二歳児の言う「ママおズボンはきてみて」面白くてただ「はい」と返せり

 渡したり渡されたりする私では無いよ、と言って笑ってしまう

 解決を求める力が足りなくてただ中空に浮いている音

 退屈の口を覗けば歯はなくてどこまでも底のない暗闇

 ホットケーキにシロップ染み込んでいくのをただ見ているような夕刻

 ハム 紅茶 食洗機専用洗剤 継ぎ目終わりなく続く生活

 用量と用法を守ってください冬の陽だまりのような劇薬

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