ドイツで没頭したホグワーツ魔法学校の体験

3年前のドイツ看護ツアー🇩🇪
何泊目かのディナー。
現地通訳の日本人女性が13歳の息子さんを連れてきてくれた。日本語訳のハリーポッターに没頭していた。そんな彼を私達に対しお母さんは申し訳なさそうにしていたが、ティーンが読みたい本の読書中に来てくれるなんて素晴らしいことだと私は思った。

途中黙読に疲れて、お母さんに音読して欲しそうだったが、彼女は久しぶりに会えた日本人たちと話したい様子。名乗りでたら、彼が私の読み聞かせを受け入れてくれた。彼はドイツ語英語日本語のトリリンガルだった。発音と明瞭さに気をつけて、読んでいった。ハリーポッターの音読は、長男が小学1年生の頃、次男妊娠中の2冊読破以来だ。

ホグワーツの学生たち先生たちが、ダンブルドア校長の死を悼む大切なシーンだった。聴きとれているか理解しているか表情を確認しながら読み進めていった。彼の表情が悲しみにくれていた。私も読みに熱がこもってきた。
異国のレストランの食器の音や人々の会話が遠ざかり、あたかも物語に入り込んでいくような感覚だった。ホグワーツの一員になったように言葉が流れ込み、悲しみとダンブルドア校長への敬意と感謝、連帯感を共有できているような気がした。物語のキリと会のキリが良く、お会計終了後に聴き手の13歳氏と私は少し仲良くなっていた。夕暮れに入った店の外は、もう夜だった。食事と会話に満たされた後に見上げる星空は美しく、穏やかな余韻に包まれていた。13歳氏は流星群の星の数と好きな車種を数え、「今は流れ星が5個、ワーゲンが3台」と教えてくれた。さてどちらが多いでしょうか?再会できた大人達の尽きない話が終わるまで、私達はそんな遊びをしていた。


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