つじー|サッカーが好きすぎる書評家

サッカーが好きすぎる書評家|読書・サッカー・ラジオ・トルコのひと|noteに書評やサッ…

つじー|サッカーが好きすぎる書評家

サッカーが好きすぎる書評家|読書・サッカー・ラジオ・トルコのひと|noteに書評やサッカーの話を投稿|ウェブメディアで月一書評連載|ポッドキャスト配信中|北海道コンサドーレ札幌とアダナ・デミルスポル|日本史と世界史|読書の仕事と自分のラジオ番組を持つのが夢

マガジン

  • サッカー雑文集(コンサドーレ除く)

    サッカーに関して書いたものをまとめています。 ※北海道コンサドーレ札幌の記事は別のマガジンにまとめています。

  • つじーの書評集|ふまじめな読書室

    書評や読書記事のまとめ。書評を通して本のおもしろさと僕の考えていることを紹介します。「まじめにふまじめな」読書を心がけています。

  • 【お知らせ】

    お知らせ(告知など)をまとめています。

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    ひょんなことから、SNSを通じてトルコのとあるサッカークラブの「日本最初のファン」と認知され、トルコ人と交流するようになった僕が、交流を通して考えたことや遭遇した出来事を書いてまとめます。

  • 映像と舞台の雑文集

    映画、ドラマ、アニメ、舞台やライブの感想記事をまとめています。 不定期更新です。

記事一覧

固定された記事

【つじーのプロフィール】noteの歩き方&やりたい活動

 はじめまして。「サッカーが好きすぎる書評家」つじーです。この記事では「noteで何を書いているか&オススメ記事」と「オファーをお待ちしている活動」についてまとめて…

分断しているからこそ、サポーターは尊い

1.ボヤ(?)を大火事にする人々 サッカークラブのサポーターをしていると、応援しているチームが成績不振におちいることは珍しくない。そういう時期にX(Twitter)では…

愚かさを知っても信じるに値する―今村翔吾『じんかん』

1.稀代の大悪人か?異端の武将か? 熱い。とにかく熱い。そして言葉の重たいボールが自分にどんどん飛んでくる。  主人公は戦国時代を生きた悪名高き武将・松永久秀…

【連載第6回】『宇都宮徹壱WM』に書評を寄稿しました【お知らせ】

 2024年1月から毎月一回、『宇都宮徹壱ウェブマガジン(WM)』で書評の連載を行っています。  『宇都宮徹壱WM』は、写真家・ノンフィクションライターである宇都宮徹壱…

立ち振る舞いこそが印象を支配する―映画『三島由紀夫vs東大全共闘』

1.三島由紀夫という論者 1969年、東大全共闘が作家の三島由紀夫を招いて行った討論会の映像と、当事者や有識者へのインタビューを組み合わせたドキュメンタリー映画で…

【お知らせ】サッカー用のXアカウントを作りました

 タイトルの通り、「サッカーの話専用」のXアカウントを新たに作りました。(@negacle_consa) https://x.com/negacle_consa  元々使っているアカウント(@nega9_clecle…

我らは北海道とミシャのチーム―2024年5月の北海道コンサドーレ札幌

 2024年5月のコンサドーレを振り返ってみる。僕が試合についてXでつぶやいた内容を小見出しごとに再編集してまとめたものだ。できれば毎月やりたいが、予定は未定である。…

インプットに利益を求めるな―『SWITCH Vol.42 No.5 佐久間宣行のインプット&アウトプット』

1.特集まるまる「佐久間宣行の仕事」 インプットの魅力と、大切なことが再確認できた。  テレビプロデューサーの佐久間宣行さんを総力特集した雑誌だ。佐久間さんは…

【まとめ】つじーの書評セレクト―最初に読むならこの書評

 僕は『つじーの書評集』というマガジンに書評をまとめている。書評の量が増えてきたので、何から読んでいいか分からない人向けにとりあえずこれを読んでほしいという書評…

プロフィールいじった。ちょっと夢を持ってみました。

いいねしてくれた人たちのnoteを読み続けて分かったこと【いいね読み振り返り】

1.「いいね読み」はじめました 「自分の投稿にいいねを押してくれた人のnoteなど文章を読んで感想を書く」という企画にチャレンジした。「いいね読み」と呼ぶ人もいる…

ラジオで人生は変えていける―藤也卓巳『夜の檸檬にリクエスト 1』

 ラジオ好きの僕からすると「待ってました」といわんばかりのマンガだ。  毒親の母に付きまとわれたのをきっかけに人間関係にひびが入り、人間不信の引きこもりになった…

史実だからこそ描ける悪魔の伏線―こざき亜衣『セシルの女王 6』

1.綺麗な和解のオモテとウラ 明るさの底に重低音が暗く、暗く鳴り響くような一冊だ。  昨年も今年も『セシルの女王』は僕が一番おすすめしたいマンガだ。誰にでもす…

朝布団から出られなかった日の午後、フレッシュネスのポテトがしみた

1.自分の状態、名前はまだない。 休日の朝、起きれなかった。  「起きれなかった」にも色々ある。単純に寝坊して起きたい時間に起きれなかった。これも「起きれなか…

「チーム北海道」は本当にコンサドーレのらしさと未来なのか?【ぼくのコンサ史・序章】

 シリーズ『ぼくのコンサ史』とは、北海道コンサドーレ札幌の歴史を自分なりの史観で書いてまとめる試みだ。序章ではコンサの歴史をたどることで僕がシリーズを通して考え…

誰もが心にムルソーを飼っている―カミュ『異邦人』

 我々が「異端」だと思っているものは、自分も持っているに見ないことにしてるだけなのかもしれない。  アルジェリアに住むムルソーは、ひょんなことから友人の女性トラ…

【つじーのプロフィール】noteの歩き方&やりたい活動

【つじーのプロフィール】noteの歩き方&やりたい活動

 はじめまして。「サッカーが好きすぎる書評家」つじーです。この記事では「noteで何を書いているか&オススメ記事」と「オファーをお待ちしている活動」についてまとめています。(※2024/05/27更新)

 簡単なプロフィールです。

1.noteで何を書いているか(1)書評
 読んだ本を書評して、マガジン『つじーの書評集|ふまじめな読書室』にまとめています。

 特におすすめの書評は、こちらの記

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分断しているからこそ、サポーターは尊い

分断しているからこそ、サポーターは尊い


1.ボヤ(?)を大火事にする人々 サッカークラブのサポーターをしていると、応援しているチームが成績不振におちいることは珍しくない。そういう時期にX(Twitter)では「サポーターが分断している!今こそひとつにまとまろう」という趣旨の投稿を必ずといっていいほど見かける。

 どうもXに見受けられるサポの投稿を読むと、こういうことらしい。みんな意思がまちまちになっている。チームへの心ない声も飛んで

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愚かさを知っても信じるに値する―今村翔吾『じんかん』

愚かさを知っても信じるに値する―今村翔吾『じんかん』


1.稀代の大悪人か?異端の武将か? 熱い。とにかく熱い。そして言葉の重たいボールが自分にどんどん飛んでくる。

 主人公は戦国時代を生きた悪名高き武将・松永久秀だ。彼は3つの悪行をなしたと言われていた。仕えていた三好家の人々を殺し、操り、家を乗っ取った「主家殺し」。当時の将軍・足利義輝を襲撃して暗殺した「将軍殺し」。東大寺大仏殿を焼き払った「大仏殺し」。

 しかし最新の学説で否定されている部分

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【連載第6回】『宇都宮徹壱WM』に書評を寄稿しました【お知らせ】

【連載第6回】『宇都宮徹壱WM』に書評を寄稿しました【お知らせ】

 2024年1月から毎月一回、『宇都宮徹壱ウェブマガジン(WM)』で書評の連載を行っています。

 『宇都宮徹壱WM』は、写真家・ノンフィクションライターである宇都宮徹壱さんが編集長兼主筆のウェブマガジンです。

https://www4.targma.jp/tetsumaga/

 今月配信の第6回では、「選挙」をテーマにして堂場瞬一『宴の前』を紹介しました。書評自体は無料で読むことができます。

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立ち振る舞いこそが印象を支配する―映画『三島由紀夫vs東大全共闘』

立ち振る舞いこそが印象を支配する―映画『三島由紀夫vs東大全共闘』


1.三島由紀夫という論者 1969年、東大全共闘が作家の三島由紀夫を招いて行った討論会の映像と、当事者や有識者へのインタビューを組み合わせたドキュメンタリー映画である。

 全共闘は東大安田講堂が機動隊によって陥落し、学生運動の次の一手に注目が集まっていた。三島はノーベル文学賞に目されるほどの名声をもつ作家でありながら、盾の会を組織して自衛隊に体験入隊するなど右翼的な活動にも力入れるようになって

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【お知らせ】サッカー用のXアカウントを作りました

【お知らせ】サッカー用のXアカウントを作りました

 タイトルの通り、「サッカーの話専用」のXアカウントを新たに作りました。(@negacle_consa)
https://x.com/negacle_consa

 元々使っているアカウント(@nega9_clecle)を本店とするならば、今回作ったアカウント(@negacle_consa)はちょっと大きな支店(サッカー部門)です。いわば出先機関。本店の許可なく独断専行して令和の関東軍と呼ばれない

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我らは北海道とミシャのチーム―2024年5月の北海道コンサドーレ札幌

我らは北海道とミシャのチーム―2024年5月の北海道コンサドーレ札幌

 2024年5月のコンサドーレを振り返ってみる。僕が試合についてXでつぶやいた内容を小見出しごとに再編集してまとめたものだ。できれば毎月やりたいが、予定は未定である。

1.今月の結果【J1リーグ】
5/3 vsセレッソ大阪(A)△1-1
5/6 vsFC東京(H)×1-2
5/11 vs川崎フロンターレ(A)×0-3
5/16 vsジュビロ磐田(H)○1-0
5/19 vs柏レイソル(A)×1-

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インプットに利益を求めるな―『SWITCH Vol.42 No.5 佐久間宣行のインプット&アウトプット』

インプットに利益を求めるな―『SWITCH Vol.42 No.5 佐久間宣行のインプット&アウトプット』


1.特集まるまる「佐久間宣行の仕事」 インプットの魅力と、大切なことが再確認できた。

 テレビプロデューサーの佐久間宣行さんを総力特集した雑誌だ。佐久間さんは数々のテレビ・配信番組を手がけ、自身のYouTubeチャンネルでもヒット企画を生み出している。制作者だけではなく出演者としての側面もあり、特にラジオではANN0のパーソナリティを2019年から続けている。

 『SWITCH』が着目したの

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【まとめ】つじーの書評セレクト―最初に読むならこの書評

【まとめ】つじーの書評セレクト―最初に読むならこの書評

 僕は『つじーの書評集』というマガジンに書評をまとめている。書評の量が増えてきたので、何から読んでいいか分からない人向けにとりあえずこれを読んでほしいという書評を集めた。参考にしていただければうれしい。

1.カルピスの裏表を追った濃厚ノンフィクション カルピスの生みの親である三島海雲の光と影にせまった一冊。非常に魅力的な人物であり、読み進めるのが楽しくなる。三島親子がすれ違いながらもそれぞれの考

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いいねしてくれた人たちのnoteを読み続けて分かったこと【いいね読み振り返り】

いいねしてくれた人たちのnoteを読み続けて分かったこと【いいね読み振り返り】


1.「いいね読み」はじめました 「自分の投稿にいいねを押してくれた人のnoteなど文章を読んで感想を書く」という企画にチャレンジした。「いいね読み」と呼ぶ人もいるらしい。

 パーソナルコーチのゆいとしまささん、本紹介ブログ管理人のセトショウヘイさんの投稿をタイムラインで見かけたことがすべてのはじまりだった。

 誰かと交流したいとか世界を広げたいとか、そんなことは頭になかった。ただただ「なんと

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ラジオで人生は変えていける―藤也卓巳『夜の檸檬にリクエスト 1』

ラジオで人生は変えていける―藤也卓巳『夜の檸檬にリクエスト 1』

 ラジオ好きの僕からすると「待ってました」といわんばかりのマンガだ。

 毒親の母に付きまとわれたのをきっかけに人間関係にひびが入り、人間不信の引きこもりになった休学中の大学生・太田桃音が主人公。面倒を見てもらっている叔父に連れられ、勤め先のコミュニティラジオ局に夜行ったことがきっかけで、声の良さを見出されラジオパーソナリティに抜擢される……という物語だ。

 コミュニティラジオ局を舞台に、ラジオ

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史実だからこそ描ける悪魔の伏線―こざき亜衣『セシルの女王 6』

史実だからこそ描ける悪魔の伏線―こざき亜衣『セシルの女王 6』


1.綺麗な和解のオモテとウラ 明るさの底に重低音が暗く、暗く鳴り響くような一冊だ。

 昨年も今年も『セシルの女王』は僕が一番おすすめしたいマンガだ。誰にでもすすめたい。買わせたい。

 ヘンリー8世の5番目の妻、キャサリン・ハワードの処刑からはじまる6巻は「家族」が大きなテーマである。

 ウィリアム・セシル(以下セシル)は身分を理由に反対する父・リチャードを押しのけてメアリ・チークと結婚した

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朝布団から出られなかった日の午後、フレッシュネスのポテトがしみた

朝布団から出られなかった日の午後、フレッシュネスのポテトがしみた


1.自分の状態、名前はまだない。 休日の朝、起きれなかった。

 「起きれなかった」にも色々ある。単純に寝坊して起きたい時間に起きれなかった。これも「起きれなかった」だ。うつの症状を説明するときに使われる「身体がなまりのように重くて布団から動けない」。これも「起きれなかった」だ。

 僕の「起きれなかった」は、どうにか言葉にすると「意志に実態がともなわない」といえばいいだろうか。「起きるぞ!」と

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「チーム北海道」は本当にコンサドーレのらしさと未来なのか?【ぼくのコンサ史・序章】

「チーム北海道」は本当にコンサドーレのらしさと未来なのか?【ぼくのコンサ史・序章】

 シリーズ『ぼくのコンサ史』とは、北海道コンサドーレ札幌の歴史を自分なりの史観で書いてまとめる試みだ。序章ではコンサの歴史をたどることで僕がシリーズを通して考えたい「問い」について書いていく。

1.「日本のビルバオ」の夢 かつて、あるサポーターがコンサドーレを「日本のビルバオ」と称したことがあった。宇都宮徹壱さんが2013年に札幌を取材したときの話だ。

 「ビルバオ」とはスペインのアスレティッ

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誰もが心にムルソーを飼っている―カミュ『異邦人』

誰もが心にムルソーを飼っている―カミュ『異邦人』

 我々が「異端」だと思っているものは、自分も持っているに見ないことにしてるだけなのかもしれない。

 アルジェリアに住むムルソーは、ひょんなことから友人の女性トラブルに関わる。そしてトラブルの関係者を突如ピストルで殺してしまう。一発の銃弾で倒した後、倒れた身体にもう四発撃ち込んで。

 ムルソーが殺人を犯すまでの前半はのっぺりと進んでいく。彼の母が養老院で亡くなったことも、かつての同僚マリイとデー

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