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トリエンナーレ@横浜美術館。紛争、対立、人間として生きていく上で抱えていかねばならない業を芸術作品として開陳する3年に一度の企画。リニューアル後初となることもあってか、まったく容赦ない。
「ある歌人神官がみた明治」、リアル世界でひとつの山場を迎えつつあります。
もう3月も終わりだけど、ゆえあってまだお雛様でてる。まあ知ってる限りいくつかの美術館でも今月いっぱいお雛様を展示しているところがあるし。ただ、ほんとそろそろしまいたいのですが、連日の雨でしまうにしまえない。
<ショートストーリー>池のぬし
久しぶりに帰省して、せっかくなのでそこらへんをちょっと歩いてみることにした。お昼までに戻ってくれば墓参にはじゅうぶん間に合う。
ついでに供花を買ってきて、スーパーで売ってるから、という母の声を背中に聞きながら、玄関の適当なスニーカーに足を突っ込んだ。
ところどころ新しい家に建て替わっている住宅地を抜け、通学路をたどってみる。少し坂をのぼるとみえてくる調整池は以前のままだ。危険だから近づいて
<ショートストーリー>道の果て
「だいだらトンネル(仮称)全面開通を早期実現しよう!」という色あせたスローガンを掲げたトタンの立看板が、風でベコベコ音を立てている。それ以外に主張するものはない、荒涼とした空地が広がっていた。
エンド・オブ・ザ・ロード。誰も通らない道路は山裾に突っ込むように唐突に終わる。その先はアスファルトの敷設もなく、もっさり生えたセイタカアワダチソウが、トタンの鳴らすベコベコにあわせて黄色い頭を振っていた
<ショートストーリー>梅は飛び桜は枯るる世に
本家の庭にある梅の木に、「小太郎殺し」という物騒な名前がついていると教えてくれたのは叔父だった。私はまた小学生だったと思う。
大きな梅の古木は、いわゆる源平咲きという、紅白に咲き分けて花をつける種類だ。咲き分けの品種には有名な「思いのまま」という八重咲のものがあるが、この梅は一重咲で、まるで尾形光琳の紅白梅図屏風の二本の梅がひとつになったような佇まいをしている。
梅が咲く季節に本家を訪ねる