【古道を歩く】愛知県岡崎市の古道・道根往還①~概要~
はじめに
愛知県岡崎市欠町から新城市に繋がる道。
その中でも「欠の三本(点)松--以下、この記事では”三本木”とする」から鍛冶屋(現:額田町鍛埜)までの古道を道根往還と呼ぶらしい。
現在でも最寄りの方の散歩コース(東公園周辺のみか)であったり、トレッキング/ハイキング、トレラン、古道を楽しむ方々などに親しまれているという。
古の方(一説に鎌倉時代から在るとされる)も利用し、明治25年に乙川沿いに県道35号線(と思われる)が出来たため使用されることも次第に少なくなったと言われる。
しかし、”諸説あるが”長篠城の危機を知らせに岡崎まで走った鳥居強右衛門(若しくは別部隊)も鍛冶屋から道根往還を走ったという説もあるらしい。
そのような歴史ある道を5回(予定)にわたって辿る。
道根往還の位置関係(地図)
先ずは道根往還の全体像をお示しする。
上記が現在の地図。
下記はGoogleマップに表れない行程だ。
次に1888~1889(明治20~21)年頃の現・欠町周辺の地図を以下にお示しする。
位置関係が少々分かり難いため、古地図と現在の地図の対比を以下のようにお示しする。
現在、東公園にある池は少なくとも明治時代には在る。これは農業用の灌漑池であり明治時代以前からあるものだと思われる(父方の祖母から聞いた話)。
ちなみに、昭和20年代後半~30年代前半(?)には、上記の灌漑用水を水路を介して近隣の水田に流していたわけだ。
現在の姿からは少々想像できないが、当時の水は澄んでおり、シジミも採れたと父から聞いたことがある。
道根往還の概要
ここでは『新編岡崎市史 民俗12』を参考に私感を織り交ぜて概要をまとめていく。
「果たして”道根”とはどういう意味だろうか」。
実際に歩いて個人的に納得した一説を引用する。
古道とはいえ、厳しい高低差は左程なく、おおよそ山肌に沿って歩いた気がする。特に、鍛冶屋に近い道根往還ほどそれが顕著だった。
※私は等高線は/も読めないので話半分でお願いします
始点と終点
始点は「欠の三本木」。
東公園・南駐車場、旧本多忠次邸の道を挟んで向かいに在る史跡だ。
現在の欠の三本木は以下のとおり。
終点は鍛冶屋(現・額田町鍛埜)の馬頭観音といわれている。
馬頭観音は現在の県道以東に在ったため、別の場所(鍛埜・道根往還終点近くに在る”正立寺”の境内)に移築されている。
また、シンボルであった五本松は県道の拡張時にその姿を消しているという。
現在の終点付近。
それでは、鍛冶屋から新城に向かう道は何と呼ぶのかーー。
その答えも岡崎市史に記載されていた。
昔の記録や『新編 岡崎市史』によると、「欠の三本木」から「鍛冶屋の五本松」が道根往還。「鍛冶屋の五本松」から長篠?(明言できず)までが作手みちと呼ぶようである。
ちなみに、鍛冶屋から長篠に抜ける一本道は現存しないと思われる。(所々に残る可能性は有)
鍛埜
道根往還の終点がある現・岡崎市鍛埜。
個人的な考えにはなるが、元の地名は鍛冶屋。それが時代を経て鍛埜になったのではないだろうか。
とある御仁から「鍛埜はカジノと読むのでは?」と言われた際に、私は「カジヤです」と言い切ってしまったことがある。
しかし、よくよく考えてみると鍛埜の現在の読み方はカジノ。
だが、バスの停留所はカジヤだ。
「間違ったことを言い切ってしまった」と深く反省し、よくよく調べてみると「埜」という漢字。
音読みでヤ、ショ。訓読みでノ。
現在、正式な住所は「カジノ」かもしれないが、昔の名残で「カジヤ」でも通じるのかもしれない。
日本語は難しい。
まとめ
「道根往還」はどのようにまとめようか……そう3か月弱ほど悩んだ。
理由は単純だ。
文章を書けるほどの知識がなかったためだ。
そのため、関係する場所を訪れ、話を教えていただき、道根往還を実際に歩いた。
実のところ、「道根往還について書こう」と思いついたわけではない。正直に書くとそのような古道が近くに在ることすら知らなかった。
道根往還に辿り着いた理由は、松平新右衛門について記事を書こうと調べていた際に、ぶつかった壁。そう、やはり資料がない。
そのため、同輩の大岡弥四郎殿について調べたのだ。何か手がかりがないかーーと。
その際に大岡弥四郎殿=「欠の三本木」とネット検索にヒットする。それについての真偽を知りたく……が、最終的に道根往還に結び付いた。
後日、詳細に触れていくが、事実は小説より奇なり、だ。
最終改定: 令和 年 月 日( 回目)
※後に読み返した際に変更があれば、改定日を修正いたします
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【参考文献/サイト】
岡崎市史 民俗12
weblio辞書 https://www.weblio.jp/
【古地図出典元】
時系列地形図閲覧サイト「今昔マップ on the web」
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