『ファニーゲーム U.S.A.』見たよ。

さて、最近は、何かちゃんとした日常を送ってしまうと、それを発信しなくてはいけないような気がして、なにをするのも億劫になっております。なんて言い訳を掲げることで何もしない口実にしているという自認がなくはないです。
以上のまどろっこしい文章を噛み砕いていうと、遁走中の身を恥ずかしくおもっております。申し訳ありません。
でも、言い訳ループに陥って行動力が落ちてるのはホント。

でだ、ひさびさに心震える映画を見れたって話で

『ファニーゲーム U.S.A.』

あらすじっ
別荘に来たらヤバい奴に絡まれる

見てよかった。噂に違わぬ悪趣味ぶりでなんか気持ちが良くなってくる。
別に犯人一味に共感するわけではないけど、いいように感情を弄ばれ、逆説的にフィクションに触れることを肯定してくれたような高揚感があった。
さいきんぼんやり度高めの日々の中では、このように負の感情を掻き立てられるのもまた一種の感動であると感じたわけで。

それにしてもミヒャエル・ハネケの手腕は素晴らしい。
ここまで観客の感情を手のひらの上で転がせるのだから、真っ当なエンタメ作品作ったらもっと好かれるのに。
なぜ才能を悪意に極振りできるのか。
ちょっとは観客を喜ばせようとか思わないのか。
もはや嫌われることが目的化のような作劇に惚れ惚れする。

ちょっとしたセリフの端々にメタフィクションとしての面白さも堪能できた。
とくに、「見えていれば現実だ」というのは、『リスクにあなたは騙される』とか『ストーリーが世界を滅ぼす』でも言及されていた。
トラウマについてのアンケートを調べると、実体験より恐怖映画などのフィクションが記憶に残っている人が多いそうな。

いやあ映画ってすごいよね。

オリジナルはみてないけど、スター俳優によって作られたハリウッド映画という点も、絵空事に心弄ばれる感じの底上げに貢献していないだろうか。

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