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とりあえず、いちごは食べました。

こんばんは。今日もお疲れさまです。

って、noteの編集画面に出てきたから打ってみた。書き出しのサポートをしてくれる機能? 「読んだ本について感想を書いてみませんか?」という書き出しも多いよね。書いている記事の内容やひとによって違うのかな。みんなのはどうですか? よかったら教えてください。

一週間くらい、なかなかの低空飛行していた。
わたしを知っているひとからすると「うん、きみの精神がジェットコースターに乗りがちなのは知ってるよ。ウオズミの取説の最初のページに書いてあるもんね」くらいの感覚かもしれないが、今回はちょっとひどかった。自分で「ひどい」なんていうのもみじめなものだが。

きっかけはわかっていた。前回の記事にも書いたとおり、カウンセリングでの過去の洗い出し作業が発端。日ごろ閉じている蓋は開き、本棚に並んでいる本は勝手に開き、ぴっちり閉めている引き出しは飛び出す。なかなか自力でそれらを元に戻すことができない。目には見えないけれど強い水圧がかかっているようなエネルギーに、ただ圧倒される。深海にでもいるみたいに。
同時にやってくる無力感。無力感は過去のわたしと結びつく。

渦中にいる中、一日だけ仕事を休んでしまった。
朝起きるとおもては晴れていて、いつも以上にそれが恨めしかった。やめて。太陽のエネルギーを見たくない。光の刺激がこわい。あ、弱ってる。
シフトの人数とその日の業務内容を確認した後、つまりわたしが休んでも大きな支障が出ないことを確認した後、迷って迷って、休みの連絡を入れた。メンタルの不調で休むなんて。何日もかけて這い上がってきた坂道を、転がり落ちるのはなんて一瞬なんだろう。ますます胸の内に雲がかかる。毛布を頭からかぶる。

十一時頃、いったん起き上がった。
これ以上だめにならないようにと洗顔をする。頭は回らず、スキンケアに時間がかかる。でも、こういうときこそ、「いつもの日常」を感じるためにルーティンワークは大事。化粧水を五百円玉硬貨大、乳液を十円玉硬貨大。考えなくてもいいことをする。そうやって流れる思考をどうにかして止める。

鉛のような体を抱えて、湯を沸かす。あれ、湯を沸かしてわたしは何をするんだっけ。自分では止められないほどの思考に占領されているのに、考えなくてはならないことは置き去りにされてわからなくなる。肉体と、思考と、いまここを生きているライブ感とがばらばらになる。そうか、いつもはその三つが三位一体となって、わたしという入れ物を満たして社会生活を送っているのか。二人三脚、じゃなくて三人四脚みたいにして。どれかが転ぶと他のふたつもバランスを崩す。

何のために湯を沸かしているのか。沸騰した湯を前にして、いつものマグカップを手に取って思う。空と雲のイラストの描かれたカップ。ずいぶん前に友人が誕生日にとくれたもの。いつもの作業、ルーティンワーク。言い聞かせて、コーヒーを淹れる。

こういうとき、「何が見えているか」「何が聞こえているか」「身体の感じがどうか」と、現在の状態に焦点を当てることが大事だという。そうか、いまここを生きているライブ感を取り戻すためか。コーヒーのにおい。カップのつるつるした感触。暖房を点けていないひんやりした空気。パジャマのくったりした感じ。それらは見えているけれど、決して色鮮やかでなくて。感触の実感はあるのに、分厚い手袋をして触っているような感覚だった。

ぼんやりしているのに焦燥感にかられる。感情の両端をランダムに行ったり来たりして一日が過ぎた。日が暮れる。夕暮れが遅くなっている。穴ぐらから出たくなくて、毛布の中で過ごした。

翌朝。アラームを聞いて目覚める。ああ、朝が来たよ、来ちゃったよ。きょうは仕事に行かなくちゃ。その日はまた、真冬が戻ってきたような寒さだった。今年の冬は気温がタイムトラベルしすぎている。みんなだいじょうぶ? ただでさえしんどくない?

でも、昨日よりはまし、だった。
一緒に寝ているぬいぐるみに「おはよう」とあいさつして、「まだ寝てていいよ」と布団をかけてやる。平和な顔でこちらを見ている。わたしも出たくない。起き上がりたくない。靴下を履いて暖房を点ける。こころの中で3キロくらい助走して、どうにかこうにか起き上がる。

洗顔とスキンケアをすませベッドの前に戻ると、一枚のメモがあった。


おめよごし失礼

わたしは基本的にメモ魔なので、必要な予定や忘れたらまずいこと、忘れてもいいけど憶えておきたいこと(素敵な言い回しとか)、描けそうだと思ったタイミングで描いたイラスト、作りたいと思ったおかず、その日みた夢、などなど何でもメモしている。特に、夢は残しておきたい日も多い。そういうわけで、写真のような生活感あふれるメモ用紙をいつもベッドの脇に置いている。

メモしておけば忘れない。
でも、メモしたことを忘れてしまうことはある。

「・起きたらメールする
 ・手と足の運動
 ・いちご食べる」
起きたら…誰にメールするんだっけ…? LINEじゃなくてメールなのか。何をメールするのだろうか…?
手と足の運動? いちご食べる? いちごは冷蔵庫にあったような…昨日はあまりものを食べていないので定かでない。

昨日は一日を通して意識が朦朧としていた節があるけれど、夕方過ぎからある種のバッドトリップをしていた。
身に覚えのない間、もしかしたら何か誰かに迷惑をかけていたのかもしれない。家から出ていないのはたぶん確かだけど。

携帯を適当に触っていたら、あるひとに電話をかけていたことが判明した。
……なんだか、たぶん、この電話のやり取りのメモのような気がする。
運動といちごも、きっとこの会話で取り上げられたトピックなのだろう。
起きたし、メールすべきなのだろうか? でも、何を? 迷って、「いやいや、違ったらどうしよう」が先に立ち、携帯を閉じる。あまり普段メールのやり取りをする相手ではないのだ。

まだ全体に薄靄のかかった状態のまま、支度をする。
気乗りしないまま化粧して、着替えて、髪を整える。

職場に行き、どうにか仕事をし、お昼休みも過ぎて、まだメールのことが気になっていたわたしは、えいやっとその相手にメールを送った。
「こんにちは…?」
という、様子を窺うモード全開のひとこと。
しばらくして返信があった。…合っていたのか。よかった。そしてごめんなさい。

こうやって少し駄文を連ねることができるようには、なった。エネルギーは貯まってきつつある。
とりあえず、いちごは食べました。まだいつもの調子にはいかないけど。ぽつぽつがんばるね。

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