ゆず

詩/イラスト/カメラ

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詩/イラスト/カメラ

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こんばんは。noteを始めてみました。 イラスト、読書、カメラが趣味です。 言葉の行き場が欲しくなりましたので、ここに置いていこうと思います。

    • スケッチまとめ(2024.5)

      見てくださりありがとうございます。 気が向いたら6月も載せます。

      • 無機的な(エッセイ)

        先日、コンクリートの上で派手に転びました。 幸い近くに友達がいたおかげで外傷も心の恥も擦り傷程度に済みました。 コンクリートの質感は冷たく固く、人肌の柔さに対して頑丈すぎるように思えてしまいます。 (もっとも生活を守っていただいている訳ですが…) 柔らかな土の上だったら、無垢に転がることができるのに。 都会は無機質です。無機質の中で無機質なものが人の手で有機的に動いていて、息苦しくも洗練されている。 そんな街の中で、1人滑稽に転がった私はさぞ異端な存在だったと思います。

        • クールベの海が好き

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        こんばんは。noteを始めてみました。 イラスト、読書、カメラが趣味です。 言葉の行き場が欲しくなりましたので、ここに置いていこうと思います。

          沼地(詩)

          森の奥底の密かな沼地に 大切な或るモノを投げ込んだ 何者かから守り 何者かから隠すために 安全のために 完璧のために 神聖な地はすべてを飲み込み 公平に隠した 沼地の底には 忘れられた真実が 沈黙している それを 今更取り戻したいなどと

          沼地(詩)

          日々、ビビットに(日記)

          日差しが強くなってきました。 昼は暑く夜は涼しいこの温度差が、初夏らしさを感じさせます。 道を歩いていると、ふと緑の強い匂いがします。 なるほど、風薫る5月です。 遠くの山々の緑が濃くなり、景色が鮮明に、ビビットになっています。 田植えの時期です。水が張られた田んぼは緑と青い空をくっきりと反射させています。 田舎では田んぼはありふれていますが、ふと絶景だと気が付くことがあります。 景色が鮮明になったおかげか、春の恍けるような浮つく思考がだんだんとクリアーに、そしてビビット

          日々、ビビットに(日記)

          欲深い海(SS)

           「お母さん、久しぶりに海に行かない」  娘が突然言い出したのは、留学のため海外に発つ前日だった。  私は海が大好きで、娘が小さい頃はよく近場の海に連れて行った。家から車で30分ほどの場所にあり、海水浴場も灯台もある子供の遊び場に最適な場所だった。犬を乗せて行き海岸沿いを散歩したり、夏は砂浜でお城を作ったり水着で海に入ったりもした。  その影響か、娘も海が好きらしい。娘が大きくなり、友達と初めて自転車に乗って海に行ったと聞いた時は嬉しいような寂しいような気持ちになったものだ

          欲深い海(SS)

          スケッチまとめ(2024.4)

          4月は浜名湖周辺の散策をしました。 見てくださりありがとうございます。 気が向いたら5月も載せます。

          スケッチまとめ(2024.4)

          あけゆく朝を愁う

          夜は 視界を閉ざし 眠りをさそい 母のようなおおらかさで 帰っておいでと言う 宇宙も 無限の空想も 昼のうちにはやってこない 夜にこそありありと姿をあらわす 本来の故郷 帰るべき墓標 朝は白々しくやってきて 故郷を追いやってしまう 一体となっていた影を 剥がして 仮の姿を照らし あたたかく褒めたたえる 帰り道を忘れてしまわないだろうか 夜の声を聞く耳が 目が 光にぼやけてしまわないだろうか あけゆく美しき朝を愁う

          あけゆく朝を愁う

          ともにゆれる(詩)

          ゆれる 風が吹き 花がゆれる 草がゆれる 情熱が触れ 体がゆれる 心がゆれる 咆哮轟き 大気がゆれる 木々がゆれる 地球が回るゆえに 水がゆれる 光がゆれる 魚がゆれる ゆれることは ともに生きているあかし ゆれることは 生きていたいというあかし とどまっていられない 流され 押しやられてもいられない わたしもゆれる ともにゆれる

          ともにゆれる(詩)

          春のような(詩)

          笑っていてください あなたが笑っていることは 尊いことです あなたが笑っていれば 心の芯がじわじわとあたたまります 幸せでいてください あなたが幸せでいることは 宇宙一大切なことです あなたが幸せなら あなたの周りは 陽だまりのように明るくなります 生きていてください あなたが生きていることは 私の救いになるのです あなたが生きていれば 私はあなたに 一生恋し続けることができるのです 春のようなひと あたたかく まぶしく 慕わしい 春のようなあなた

          春のような(詩)

          習作:りんご 油画に挑戦していきたいと思います

          習作:りんご 油画に挑戦していきたいと思います

          あなたの哀しみ(詩)

          私はあなたの哀しみ 孤独と似ているが違う 誰かと別れてひとりになったときに 私は訪れる 寒さと似ているが違う 春を待ち侘びているときに 私はあなたの側にいる 憎しみと似ているが違う 本当は愛したいから 私はあなたと泣いている 私はあなたと共にある あなたが私を飲み込んだとき 私は形を変えて あなたの物になる 誰かのぬくもりに似ている 春の祝福に似ている 愛の在り方に似ている 私はあなたの幸福

          あなたの哀しみ(詩)

          内から光る(日記)

          皆一様に桜を見上げる今日この頃。 急に暖かくなったせいでしょうか、一分、五分、気が付けば満開と目眩くような開花でしたね。 まるで花の神様が通りゆき、桜に意志を与えていったかのようです。 春のやわらかな陽光をうけて、淡い桜の色が照り返ります。 それがどうも、桜が内から光っているように見えてなりません。 人の桜に惹かれるのは当然のようでいて、少し異常に思えるのです。揺れているだけで心地よく、目を惹かれるのは、「桜が好きだから」という理由だけでしょうか。 人の感覚に訴える何かを

          内から光る(日記)

          知覚のままに(詩)

          私たち 同じところにいるはずが 見聞きしたこと 感じたこと どれも異なる 「尊いことだ」 「厭わしいことだ」 私たち 異なる知覚をしているはずが 同じことを話している 分かり合った気になっている 「それこそが愛だ」 「それこそが偽りだ」 同じように知覚できないために 苦しんでいる 憎んでいる 惹かれている 愛している 見聞きしたこと 感じたこと どうか恐れず 卑屈にならず 知覚のままに話したい

          知覚のままに(詩)

          癒えてゆく(詩)

          川に住む小石の丸いように 世の流れに沿うために 身を削り心を削り ぼくたちは傷付いていないか あるいは傷をなくすため さらに身と心を削り 立派な丸になることを 癒えてゆくこととしていないか ぼくたちには痛みがあり それぞれの姿形があり 癒そうとする心がある 世の流れという急流をゆくぼくたちは きっとどこかで身を打ち付けられ 傷付いている だから少しくらい逃げ出してほしい 痛みに鈍感になってはいけない 顔をあげて やっと息ができたとき 立ち止まって 本当のぼくたちの姿

          癒えてゆく(詩)