同棲前に出た話

同棲が決まりかけていた頃、向こうの親御さんから彼づてで「将来弟さんの面倒はどうするつもりなのか聞きたい」と聞かされた。

「え……?」この時初めて弟が私にとってハンデになる現実を思い知らされた。向こうのご家族の感じを聞く限り明らかに懸念している様子が見て取れた。そして息子(彼)に負担がかかるのではないかという心配をしている事も。

そうか、、そういう風に見えてるのか…。私に言われた所でどうしようもない、、別れなきゃいけないの??弟の事を理由に??何で今??そんな先の事分からないよ……負の感情が一気に私を襲った。

確か、これを彼に電話越しで言われ、泣きながらすぐに両親に確認してみるから一旦切るねとその場で電話を終わらせた。

両親に言った。
今、彼氏と電話してたんだけど、向こうの弟の将来の面倒がどうするのか聞きたいんだって。

ええ…?と困惑していた顔。今そんなこと言われたってまだ私達が面倒見れるうちは見るんだから、将来は施設に入れつもりです。としか言いようがないじゃない??困った顔でそう言った。
続けて、でもこれはあなたに言わす事ではない、必要があればそちらの両親の所に出向いて説明しに行くよ。とにかくあなたにも、向こうにも迷惑掛けないようには考えているし、こちらでその時が来たら施設の手配もすると伝えなさい。

一通り両親と話した後、その旨を伝えるべく彼に電話した。後日彼の両親から「そこまでちゃんと考えてらっしゃると聞いて安心しました」という様な事を聞いた。

後日、向こうのお家に招かれる事になった。
私は正直この話の後だったからあまり気乗りはしなかったが、同棲前に挨拶くらいはしておかないとという気持ちがあったので出向いた。
彼の両親、彼と妹さんに会った。
彼づてではなく私からも直接言おうと思って弟の事、両親の意向も伝えた。

「もう大丈夫、気持ちはよく分かったし、心配していないから」そう言ってくれていた。この時は。そして2時間くらいだろうか、仕事の話や小さい頃の話など色々話をした。結婚の反対どころか同棲するなら籍を入れてもいいんじゃないか?という提案すら受けていた。私と彼はそんなにすぐに籍を入れなくてもと思っているので恋人として同棲したいと話した。(今考えるとこの時籍入れてなくて良かったと思う)

後に彼が、なずなちゃん家に挨拶に行かせて欲しいと言い、私の家にも来る事になった。
こちらの心境としては弟に合わせる事も家に招く事もそう気安くできる事ではない。家の中は廃墟同然にボロボロだし、普通の生活はできていない。見栄を張るつもりはないけれど、とても呼びたいと思える家ではなかったし、明らかにギャップが出るのは目に見えて分かっていたから。

それでもやっぱり結婚を考えているのだから包み隠さずありのままを見せようと思って招いた。

私の両親からも彼へ弟の事を色々話してくれた。
彼は「大変だね、、なずなちゃんのご両親、特にお母さんはよくやっていると思うよ、、」そんな感じの事を言ってたと思う。


互いの両親にも会い、話し合いを重ねる中で、もし弟の事が気になるのであれば一生ついて回る問題だから、不安に思うのなら別れるしかないよねって自ら口にした記憶がある。

結局はもうこの話はいいから、、、同棲しようと話にまとまったので明るい未来を想像をしていた。


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