【単発】なぜ森保監督はカタールW杯で三笘選手をサイドバック起用したのか?

こんばんは。
なぜサカです。

今回はカタールW杯で三笘選手がサイドバックで起用された理由を紐解いていこうと思います。

実は前回の記事↓で、主な理由に言及してしまったのですが、

ズバリ、

「推進力」


を期待してサイドバックで起用されたのだと思います。

サッカーでボールを敵陣まで運ぶには2つの方法があります。
その方法は当然ですが、

・パスを繋ぐ
・ドリブルで運ぶ

の2つです。
「パスを繋ぐ」の方が安全というか、確実に感じる方が多いのではないでしょうか?
しかし、パスを繋いで前に運ぶには、相手のディフェンダーよりも多くのパスコース(味方)が必要です。
パスコースを作るために人数をかけるわけですから、奪われたときのリスクが増大しますし、縦パスを入れるのが難しい状況が考えられます。

それでは「ドリブルで運ぶ」はどうでしょうか?

これは、仮に奪われたとしても、1人で切り込んでいく訳なので、カウンターのリスクが低いと考えられます。

推進力のある選手がいる場合、リスクが低くて、大きなチャンスをうむ可能性が高い方法と言えるでしょう。


W杯当時、「三笘選手はもっと前で使うべき」という意見が見られました。
三笘選手には抜群のドリブルがありますから、もっと攻撃に専念させたいという気持ちはわかります。
しかし、三笘選手が前に張り付いていた場合、どうやって三笘選手にパスを繋ぐのでしょうか?
結局、誰かがドリブルで運ぶか、人数をかけてパスを繋いでいくしかありません。
最初の論点に逆戻りです。


それから、低い位置からドリブルを仕掛けた方が相手を抜けるということを理解されている方はどれだけいるでしょうか?

この動画を見てください。

インパクトが強いシーンだったので、覚えている方も多いのではないでしょうか?

三笘選手がスペイン代表のカルバハルをぶち抜いた瞬間です。

このとき、なぜ三笘選手は世界的名手カルバハルを抜けたのでしょうか?

三笘選手がドリブルを開始する一瞬前、カルバハルの体重は前にかかっていました。
三笘選手がボールにタッチする瞬間には、ヤバいと察知し、自陣側に体重移動しているのがさすがカルバハルでしたが、それでも三笘選手のスピードにのったドリブルには追いつけませんでした。

要するに、後ろからスタートした方がスピードにのって相手に向かっていける。
ということです。

相手がスペインやドイツといった強豪で、前掛かりにきているなら、なおさら裏のスペースが空いているわけで、難しいフェイントなどなくてもぶっちぎることが可能です。

これがもし、高い位置で相手もひいている状態からの一対一であったならば、三笘選手と言えど、カルバハルを抜き去るのは難しかったのではないでしょうか?


そんなわけで、多少脱線しましたが、三笘選手は「推進力」を期待されてサイドバックで起用されたのだと、私は思います。



先日のイラン戦、押し込まれた状態で、三笘選手は前目のポジションに入りました。
効果的なドリブルで打開するシーンはあったでしょうか?
ハッキリ言ってなかったですよね。
そもそも三笘選手までボールが繋がるシーンが少なかったと思います。
今日述べた「推進力」がサイドバックになかったからです。
そして、三笘選手のポジションが高かったために、ボールを受けてもスピードにのってドリブルするスペースがなかったのです。
(警戒されてマークされたのもあります)

アジアカップではW杯ほど相手が前掛かりにこないであろうということで、森保監督はサイドバックに推進力のない伊藤選手を起用したのだと思います。
(伊藤はロングフィードが正確で、一本のパスでチャンスメイクできます。決して推進力がないからダメということではなく、選手の得意不得意があるということを言いたいのです。)

ところがどっこい、敗れたイラク戦とイラン戦はいずれも攻め込まれる時間が長く、「推進力」が必要になってしまったということだと思います。


イラン戦は伊東純也選手がいなかったこともあり、日本代表には「推進力」が足りませんでした。
偽サイドバック(サイドバックなのにMFのようにパスワークに加わり、内側にも入ってチャンスメイクする選手)が流行った弊害でもあると思います。
今一度、昔ながらの、「推進力」のあるサイドバックが求められているのではないでしょうか?

皆さんが知っているサイドバックがいたら、是非ご紹介ください!

本日もご覧いただき、ありがとうございました!

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