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待てよ、それは『ミリダス』でも国語辞典でもない。『ワールド・ウォー・Z』の単行本だぜ!

時として、何となく映画の話をする曇天ちゃんですが、今回はメインの話題として
『映画はああいう感じだったけど、『ワールド・ウォー・Z』は別にそういう作品ではないです』
という話をする模様です。途中までしかまだ読めていないのですが(読めよ)、はてさて。

お疲れ様です。曇天スキーです。
短い本文になりそうですが、目次の内容の話をします。
多分、制作側も悩んだと思うんですよね、『ワールド・ウォー・Z』(以下『WWZ』)の映像化って。
何故ならば、原作小説は
『突如地球規模で勃発したゾンビ禍(か)を経験し、生き延びた各国の色々な層の人々にインタビューをした』
という内容のレポート作品なので。ラフにいえば
『世界中で連携を取る流れになるのは分かるけれど、映画版の様な、代表として各国を渡る主人公などいない』
という事です。
『ドーン・オブ・ザ・デッド』の冒頭に各国のパニックの様子がありましたけれど、あれをもっと細かくインタビュー込みの記録にして流す様な感じにするのが、再現度の高い映像化になったと思うんです。
様子としては
『ボウリング・フォー・コロンバイン』
みたいな感じで、一本では到底終わらないので、国別に描く事になっていたのではと。
『ネットフリックスでいう、シリーズがえらい数あるコンテンツみたいにしたら、もしかしたら作れるかもね』
というレベル。

そんな訳で、SCPのレポート部分が好きな人には、原作小説はとてもおすすめです。お好きでしょう、SCPの報告書!
『何らかのよく分からない存在をSCP財団(か、立場上対立してしまう他の何か)が発見、確保し、それがどういう風に我々を含む環境に作用し、途方もない事になるのかを、被験者ポジションのDクラス職員、そして対応班の人間の様子を捉えたレポートにする事で、恐ろしい読み物にする』
という試みです。ルールを決めて、有志の作品を公式に投稿してもらうスタンスですから、色々なものが集まるんですよ。楽しくない訳がない。
で、『WWZ』の映画版ですけれど、難しかっただろうなと思うのが、被験者と対応班の視点で映像化する事。
それをしますと、一気に
『目に映る世界と一個人としての私』
になるので、スケールも大幅ダウンしてしまう訳です。
そして、主人公をどういうキャラクターにするか、結構悩むと思うんですよ。無双するキャラなどお呼びではありませんし、『世界ゾンビ大戦』と題されているので、各国をどう描くかも限定的になるでしょうし。
・視聴側に分かる様なレベルでの対応方法が求められるであろう事
・原作のゾンビは走らなかったと思うけれど、それだと『ゾンビ禍』を描きながらストーリーを進めるのがえらく冗長になる危険性があったので、ゾンビ津波状態で描写したのではないか
・主人公をわざわざ構築したのは、ゾンビが何故繁殖したのかを突き止め、事態を収拾するのが目的だが、そこを描くと世界観そのものがコンパクトになってしまう
この記事は一視聴者の感想ですけれど、映画版はその辺のバランスをきちんと考えたであろう作品になっていました。
主人公が一家のパパでもあるので、『個人の』人間ドラマもかなり入っていて、結論は『愛』の話に。
『主人公がいる時点で嫌な予感はしたけれど、うーん、そうなったか……』
というのがわたくしの感想です。
『非常事態の結束はとても大切だけど、そういう緊迫状況下での人間模様の方を見たい勢』
であり、ゾンビ作品に愛は求めていないのもあり、
『やはり映像化は難しい作品だよね』
と感じました。
つまらない訳ではないです。個人的には普通。

映画版を元にしたゲームもありまして、それはそれでいいんじゃないかなと思っています。洋ゲーの『LEFT 4 DEAD』シリーズがお好きな方には分かると思うのですが、あれでゾンビ津波がラッシュ(ウェーブ?)としてホイホイ来る様な感じです。
絶望感がすごいんだ。

そういう事で、映画は映画、原作は原作で見るのがいいのではと感じます。
原作は上記でお知らせした内容なので、レポートものがお好きな方は是非どうぞ。
ペーパーバックと文庫版があります。
『でかい本が好きだぜ!』
という方はペーパーバックの方がいいやも。手首が鍛えられます。

ではまた、次回☺️

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