140字小説【お互いさま】

「チョコドーナツ６つあるから、３つあげる」 「ありがとう」 「代わりにミルクドーナツを３つちょうだい。そっちも６つあるでしょ」 「断る」 「じゃあチョコドーナツ返せよ」 「返すくらいなら、今ここで食ってやる！　これ以上アナタを太らせないためにね！」 「《お互いさま》という言葉を知らんのか？」

新しい140字小説書けたけど、ヘビに関する内容だから来年の正月に取っとくか🐍

140字小説【人生はアプデの積み重ね】

「おじいちゃんも、そろそろスマホデビューしたら？」 「う〜ん、しかし使いこなせるかどうか……」 「慣れれば意外と便利だよ。スマホ一つあれば、辞書もメモ帳もいらないからね」 「要するに、いちいち紙がいらんということか。じゃあトイレットペーパーを切らしたときも……」 「拭いたら使い捨てだよ」

140字小説【ネガティブ教育】

　オギャアアアアアッ!! 「おうおう、どうしたどうした？　ミルクか？　ウンチか？　それとも社会へのやるせなさか？　そうだよなぁ……生きてりゃ意味もなく無性に泣きたくなるときもあるよなぁ。パパもな、今日会社で……」 「パ〜パ〜、よちよち」 「アナタが赤ちゃんにヨシヨシされてどうすんのよ」

140字小説【もう離さない】

　イチャイチャしようと私が不意打ちで背後から抱きついたら、旦那が思いっきりオナラした。 　急いで離脱を試みる私。だけど旦那は私の両手をガッチリ掴んで…… 「なぁ、覚えてるか？　俺がプロポーズしたときに言ったこと」 「もう二度と離さない、でしょ？　それは嬉しいけど、今だけは……オゥエッ」

140字小説【コメント回収はほどほどに】

　食事するだけの生配信をしたら、一部の視聴者から『食事中くらい帽子を取れ』と言われ、帽子を撮ったら『髪の毛ボサボサ』と言われ、整えてきたら『長いから切ったらどうですか』と言われ、坊主にしたら『似合わない』とか『前の方がよかった』とか……お前らのせいで料理が冷めちまったじゃねえか！

140字小説【今日に限った話じゃない】

　息子との買い物中…… 「よいしょっ……と」 「持つよ」 「いいわよ、これくらい。もう慣れっこだから」 「いいから。母の日くらい手伝わせてよ」 　いくつになっても我が子は我が子。私を気にかけてくれるのは嬉しい。 　あとは、せめて毎日お手伝いしてくれたらもっと嬉しいんだけどねぇ……三十路なら。

進捗報告（エブリスタ）

小説投稿サイト・エブリスタにて連載中の小説について、執筆の進捗をご報告いたします。 ▼黒船来校シリーズ▼ 完結済！　元ヤン教育実習生・軍将五十鈴の奮闘記！ クライマックス目前！　金髪関西弁女子・藤木秀華の波乱万丈な物語！ 過去編完結！　次回からは、さらなる戦いが安土信織を待ち受ける……!! ▼キャスリング・ザ・ワールド▼ 第２章開幕！　マリー・アントワネットとジャンヌ・ダルク、異世界での二人の前途多難な旅が始まる……!! エブリスタでも140字小説連載中！ 毎日

140字小説【人ん家には人ん家のルールってもんが以下略】

　断れない性格のせいで、お隣に住む奥さんの仕事が終わるまでお子さんを預かることになった。あいにく子どもの相手は苦手なんだが…… 「……何だ、お菓子か？　だったらその箱から適当に取ればいい」 　ガサァッ！ 「『掴み取れ』とは言ってないぞ」 「いつもママがやってる」 「ここはスーパーじゃない」

140字小説【中身がなければ詰めればいい】

「いいか？　今のお前らは《役者の卵》なんて可愛らしいもんじゃない。ピーマンだ！　レンコンだ！　要するに、まだまだ演技がスカスカだって言ってるんだよ！　……悔しいか？　だったら中身を詰めろ！　肉詰めにでもカラシ蓮根にでもなって、皿の上でメインを張れ！」 　それが亡き監督の言葉だった。

140字小説【実話︰スーパーもと暗し】

　家から少し遠い所に新しいスーパーができたと知り、早速行ってみることに。 　しかし場所は住宅街のド真ん中。なかなか見つけられず、スマホで地図を確認してみたら、ちょうど背後にそびえ立つマンションの一階にそれはあった。 　……意図せずして、店の玄関で店の地図を開いてる奴になってしまった。

140字小説【魂が震えた瞬間】

　ある朝目が覚めると、俺は魂の姿で自由に肉体を出入りできるようになっていた。 　なぜこうなったのかは分からない。だがそんなことは、この際どうでもいい。 　今の俺なら、大好きなアイドルの体に入って、あんなことやこんなことも……ウヒヒ―― 　 　――彼氏がいたので、俺はそっと抜け出してきた。