運用系エンジニアがデザインタスクを引き取って改善をした話
こんにちは、土ノコです。
ナビタイムジャパンで道路データの保守運用を担当しています。
ナビタイムジャパンでは部門の垣根を越えて仕事ができたり、異動がしやすかったりとフラットな環境が整っています。
今回は渋滞簡易地図の運用を通して、デザイン部署からデザインのタスクを引きとり改善を行った話をします。
そもそも渋滞簡易地図って?
下の画像はナビタイムジャパンの『ドライブサポーター』、『カーナビタイム』、『トラックカーナビ』、『渋滞情報マップ by NAVITIME』等で使われている、高速道路とインターチェンジ、SA・PAをピックアップして描画している地図です。
運用について
私のチームでは日々道路の開通について調査を行っています。
高速道路の開通情報については特にアンテナを高く張り、開通日前にはサービスで検索できるように対応しています。
開通情報を検知したら、道路ネットワークデータの修正、開通日の設定などの作業をしています。
『渋滞情報マップ by NAVITIME』の渋滞簡易地図は自社で製作しているので、開通日に間に合うよう当社のデザイナーに相談し修正をしてもらっていました。
依頼書作成に時間がかかる
修正依頼は手書きの修正依頼書を書いてデザイナーに依頼をしていました。
画像データと一緒にどこの道路のリンクがどのIDで等を一緒に設定してもらうためのものです。これがなかなかに大変でした。
これとは別にテキストの文書によるものを用意していましたが、テキストだけだと意図が伝わりにくいため図示をしていました。
デザイン修正は余裕をもって依頼
渋滞簡易地図の修正を依頼をする場合は、余裕をもって2週間を期限にしていました。
普段の道路データの運用にはデザインの仕事はないため、渋滞簡易地図の更新時のみデザイナーにお手伝いをしてもらう形をとっていたからです。
高速道路の開通については「通常は」2週間以上前に開通日が判明するため、この運用で問題がありません。
急な開通が判明すると途端に大忙し
普段の運用は問題ないのですが、年度末になると高速道路の開通が増えるため開通日の数日前にようやく開通が判明する事が頻発します。
この場合、突発で依頼をしなければならないのですが、連続してこのようなアナウンスがあると先週依頼をしたばかりなのに「何とか間に合いませんか?」といった具合に再度依頼をしなくてはならなくなります。デザイナーに無理をお願いする事も多く、調整コストが嵩んでしまいがちでした。
運用者がデザインタスクをやってもいいのでは?
そのため運用者が「直接地図描画を直せないか」という声が改善案として上がりました。
チーム内でできるのであればやってみよう!という話になったため、まずは必要なことは何か、できるものなのか、引き取って問題ないかのヒアリングが始まりました。
条件付きで引き取り可能
デザイナーと話し合いをして、地図を刷新するような大幅な改善はデザイナーにお任せし、開通道路の追加だけであれば運用側でも対応可能ではないかということで落ち着きました。
最終的には下記条件で引き取りとしています。
作業は新規開通の追加のみにすること
(デザイン自体の改善は行わないこと)illustratorとPhotoshopを使っているのでadobeのライセンスを運用側で取得すること
業務改善の加速
作業を引き取ったおかげで急に道路の開通が判明しても、すぐに修正に取り掛かれるようになり、最短で開通判明から3日後にはデータ作成完了できるようになりました。
新規開通は下記のような形で修正しています。
さらにデザインの補正を行うデータを作成していた部分があったものを根本的に見直し、補正データを不要にする改善も行うことができました。
フラットな組織の強み
これら作業の引き取りを行った際には、この仕事はデザイナーの作業だから…と決めつけずに、どんなことをやっているのか、運用側にもできる部分はあるかを聞いてみるところから始まりました。
デザイン部署の仕事を知る良いきっかけになりましたし、部署の垣根を越えてタスクを行い全体最適化ができた良い例だと思っています。
これからも組織の垣根にとらわれずデータのクオリティアップを行っていきます。