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DL同人作家として生きていく

皆さんはじめまして。
Navi(ナヴィ)と申します。

このnoteは、人生で何一つ自分で選択してこなかった私が初めて自分の意志で選んだ道に対しての決意表明でありエッセイです。

アラサー無職がDL同人で食えるようになるまでの物語を記していこうと思いますが、いきなり消えるかもしれませんし、途中で突然の失踪もこの手のブログではあるあるですし、作品制作期間の関係上、更新頻度は3~4ヶ月毎だと思われますので緩く見ていただければと・・・。

DL同人って・・・?
ダウンロード販売で売買される同人作品(漫画・CG・ゲーム等)の呼称
本記事では成人向け同人誌のことを指します


さて、本題ですが
DL同人作家として生きていく=絵で生計を立てる ということです。

そう・・・生きていくにはお金が必要です。
私はこの4月で無職3年目に突入しますが、サラリーマン時代の貯金はもう半分以上無くなりました・・・。

つまり2~3年以内にDL同人である程度の成果を上げなくてはいけませんが、いきなりウン十万も稼げるほど甘い世界ではありません。
ましてや何のスキルも実績も無い私には更に厳しい世界です。
その為、【DL同人3年計画】と銘打って作品制作に励んでいきます。

なんかカッコいいこと言ってますが、要は『1年目で全然売れなくても落ち込むな!2年目で盛り返して3年目でペイするぜ!』ということです。

具体的には、

  • 1年目
    ・2作品制作(30~40p)
    ・合計500DLで20万円↑達成目標(卸値440円)

  • 2年目
    ・3作品制作(30~40p)
    ・過去作含め2500DLで100万円↑達成目標

  • 3年目
    ・4作品制作(40p以上)
    ・過去作含め7000DLで300万円↑達成目標

DL同人は所謂ストック型ビジネスなので継続することで年々収益を上げることができます。但し、作品が売れ続けることが前提で上記の目標でも達成はかなり難しいことが予想されます。
1作品で100DLを超えないなんてことはザラで、1000DLどころか500DLもいかないサークルがほとんどでしょう。
私自身も大層な目標を掲げておいて、蓋を開けてみたら3年経っても鳴かず飛ばずで消えていくかもしれません。

それでも!

やります!
達成してみせます!

必ず成し遂げます!

(まぁ、その為の決意表明なんでね・・・)

実は絵描き歴だけは長く、自分の下手さに何度も何度も挫折してきました。
筆を折る度、絵描きさんのブログやYoutube、twitter Xを読み漁り再起の刺激をもらっていましたので、私と同じような絵描きさんにほんの少しでも笑いや勇気、刺激を与え、人生の何かきっかけのひとつにでもなってくれればと思いこの記事を書きました。

あと、この手のブログってまじで失踪するので、ちゃんと目標達成してるブログがあったら・・・・・・











カッコええやん?



・・・っとまぁ、いつぞやの紳助兄さんは置いといて、実際は淡々とDL同人の収支報告をするようなブログになると思います(ニッセイとは)
次回更新は早ければ7月下旬、遅くとも8月中を目処としていますので気長にお待ちください。


また、下記に私の経歴というか絵描き歴と、DL同人作家になると決めたきっかけを記します。

長くなるので興味ある方だけどうぞ。




小学4年生

学校の催しで絵を描く機会があり「ドラベース」のクロえもんを描く。
今思えば社交辞令だが先生に褒められ絵に興味を持つ。
自由帳に「コロコロコミック」のキャラ達を描きまくり、友人に自慢して褒めてもらう承認欲求の化け物と化す。

「コロコロコミック」の読者イラスト投稿に載り、河合じゅんじ先生のサイン色紙を貰う。将来は漫画家になろうと決めた。

『男なら何かスポーツをしろ』

この典型的な昭和親父の一言により人生の歯車が狂う。

地元の少年野球チームに入れられ、放課後と休日は野球漬けに。
絵を描く時間は無くなった。

授業参観で将来の夢の作文発表があった。
自分の気持ちを押し殺して「プロ野球選手」と書いた。

中学生

中学生になった。部活は野球部。
放課後、休日は野球漬けになった。絵を描く時間は無かった。

あっという間に季節は過ぎ、進路決めの時期に。
お世辞にも頭がいいとは言えなかった為、スポーツ推薦を受ける。

合格発表日、担任教師に俺一人だけ別室に呼ばれた。

『いやぁ~・・・』

『何て言えばいいか・・・』

『・・・・・・』

中学生活で見たことのない担任の表情に合否結果を察した。
直後、教室から同級生の歓喜の声が響いた。

スポーツ推薦に落ちてしまったことを両親に伝えると母親が発狂した。
『そんな大事か?』と思ったが、塾に入れられて家でも勉強漬けの日々になってしまった。

高校生

親の薦めで工業高校に入学した。就職で有利だからとのこと。
ちなみに普通に定員割れだった。

部活は当然野球部。
放課後、休日は野球漬けになった。

漫画家になる夢などとっくに忘れていた。

高校3年生 夏

夏の最後の大会も終わり野球部は引退となった。
すぐに就活が始まり、親の薦めで電子部品メーカーの内定をもらう。
本当は違う会社に行きたかったが親が言うので仕方ない。

ある日、隣の席のやたらと筋肉質なオタク君が絵を描いていた。
女子高生の後ろ姿の絵だった。そのあまりの上手さに衝撃が走り、記憶にあるかぎりでほぼ会話したことないオタク君に思わず話しかけていた。

『絵の描き方教えてくんね?』

その日から彼とよく話すようになった。
「深夜アニメ」、「ラノベ」、「ボカロ」、「ニコ動」、「ノベルゲーム」
すべて彼から教わったものだ。

俺がオタクになったのは間違いなく彼のせいおかげだろう。

この内定後の高校生活は人生で一番楽しかったかもしれない。
朝練の為に早起きしなくていいし、増量の為に飯も無理に食わなくていい。
授業が終わったら即帰宅できる。休日は昼過ぎまで眠れるし遊び放題。

そしてなにより絵が描ける。
こんなただただ普通のことが幸せだった・・・

・・・のだがすぐに絵を描くことは辞めてしまった。

初めての挫折

絵描きなら誰しもがぶつかる最初の壁。
・右向きの顔しか描けない
・身体が描けない
・オリジナルが描けない(模写しかできない)

なにより描いてて楽しくなくなってしまったのが大きい。
さいとうなおき先生の言葉をお借りするなら「認識の解像度が上がった」瞬間ということだろう。自分の絵に満足できないということは「今まさに成長できるタイミング」でもあるのだが、ほとんどの絵描きは筆を折る。
理由は単純、絵を描くのが超不快だからだ。

例に漏れず俺も脱落してしまった。

当時のイラスト 
顔デカ過ぎんだろ…
これは後期の方で初期のもっと酷いイラスト
は見当たらなかった

会社員3年目

仕事にも慣れてお金も貯まってきた。思い切ってデスクトップPCを買った。
「デジタルなら上手く描けるのでは」という思考が頭をよぎる。

『いやぁ・・・そんなわけ・・・』

気がつくと俺はペンタブを購入していた。

初めてのデジタルと2回目の挫折

オタク君の意見を聞き、イラストソフトは「SAI」にした。

『これですぐに神絵師の仲間入りだぜェ~!!』

俺は久方ぶりに熱中した。飯を食うのも忘れ描き続けた。
時計を見ると6時間も経過していた。

『えっ、6時間・・・?』 ふと我に返り完成したイラストを見る。

冷静になると、とても見るに堪えないイラストだった。
2年前と何も変わっていない酷い有様だ(描いてないので当たり前)

『やっぱデジタルは合わんわ』 『板タブも描き辛いしなんやこれ』

2年振り2回目の挫折であった。

探したのですが当時のイラストデータが残ってなかったので
おそらく相当酷いものだったのでしょう・・・。

上記2回目の挫折から3か月後のイラスト
顔と身体は練習していた
相変わらず服は描けないので裸

会社員4年目

ラブライブにハマり登場キャラの誕生日イラストを描くも
あまりの下手さに絶望し挫折(1年振り3回目)
絵を描かなくなる。

のんたんかわいい

会社員7年目

休憩中にコピー用紙500枚チャレンジ上達スレを発見。

『こいつぁイイなぁ!久しぶりに描くかァ~!!』

『500枚描き終える頃には神絵師の仲間入りだぜェェ~!!!』



あまりの下手さに絶望し53枚目で挫折(3年振り4回目)
絵を描かなくなる。

41枚目のやつ

会社員8年目

海外メーカーの参入により、安価で液タブを購入できるようになった。
「液タブなら上手く描けるのでは」という思考が脳裏をよぎる。

『いやいやっ・・・』

『いやいやいや・・・そんなわけ・・・・・・』

気がつくと俺は液タブを購入していた。

いつもならこのまますぐに挫折の流れだが、液タブは想像以上に良かった。板タブよりも直感的に描けるので、俺の肌に合ったのだろう。

また、同時期に「Vtuber 」にハマったことも相まって、ファンアートを月に1~2枚描き続けた。

4月と5月はグロー効果を覚えたのでめっちゃ光ってる


繁忙期と人間関係に悩み

6月から仕事が多忙になる。
業務が忙しいことよりも人間関係が上手くいかず、ストレスで頭がおかしくなりそうだった。

絵に費やせる時間も少なくなり、翌年3月までの半年間で3枚しか描かなかった。

誇張抜きで簡単な1枚のイラストに50時間以上掛かってしまうほどに遅筆なことがかなりキツかった。

コツコツと描き続けていたが、心はポッキリと折れてしまい挫折(n回目)

2019年11月
2020年2月
2020年3月

会社員9年目

世界的なパンデミックに転勤など激動の一年だった。

仕事に集中しようと、引っ越しを機に液タブは売ってしまった。

会社員10年目

絵は描いていなかったが、空いた時間にさいとうなおき先生やⅠxy先生らの動画を観ていた。
未練というか諦めきれないというか、やっぱり絵が好きなんだなと思った。

そんな時、新年早々Youtubeの関連動画に上がってきたのが、
「DL同人で月○○万円稼ぐ」というものだった。

こういう系の動画は基本見ないのだが、自制心よりも興味が勝ってしまい動画を視聴。

視聴後の感想を包み隠さずはっきり言うと、

『これ、俺にもできんじゃね?』 

2年くらい絵の練習に専念すればいけるっしょ!』

完全にアホの極みだが、パンデミックによる在宅勤務で考え事が増えたこと、結局転勤先でも人間関係には悩んでいたこと、十分とは言えないが貯金はあったことなどの状況が迷う心を後押しして・・・


気がつくと俺は退職届を提出していた。


もっとドギマギするかと思ったが、意外にも落ち着いていた。
きこりの泉から出てきたジャイアンのように心は晴れやかだった。

・・・いや、ただただ楽観的だったのかもしれない。

『やるしかない状況に追い込めば絵も上手くなるでしょ』

こんな甘い考えで希望的観測をしてしまうほどに。

無職1年目

2022年4月 晴れて無職となった。

『無職最高!』

平日の真昼間からサラリーマン達が昼食をかきこむのを横目に飲む酒は最高だった。

『今の俺は無敵だ・・・』『神に等しい存在になったんだ』

ドーパミンのダムが決壊したのか最高にハイな状態だったが、数日もすれば徐々に冷静さを取り戻していく。

『描かねば!!!』

早速24インチの液タブを10万円で購入した。
イラストソフトは定番の「CLIP STUDIO PAINT EX」

やる気はあった。
YoutubeやColosoで講座を見漁り、書籍も大量に購入した。
毎日クロッキーもした。

だが絵を描くという事はとても体力を使う。
少しずつ精神も擦り減っていく。

一つの節目である3ヶ月を経過し、イラストの上達具合を確かめてみる。

『えっ、まったく成長してねぇーじゃん・・・』

『ほんとに俺は上手くなれるのか?』

気晴らしに見たTwitterで高校生絵師のイラストが万バズしていた。
pixivを覗くと絵描き歴は1年ちょいだった。

『高校に通いながら1年でこんなに上手くなるの・・・?』

その圧倒的な若い才能に嫉妬した。

『やっぱ俺に才能はないんだ』
『もう、やめよう』

そして絵を描くのを辞めた。
多分、辞める理由を探していた。

2022年4月~6月頃のイラスト


2023年1月

だらだらとYoutubeを見るだけの生活だったが、
半年も経てば少し元気が出てくる。

エッチなイラストを2枚だけ描いた。

無職2年目

季節はいつの間にか春を迎えていた。

たった一年、ものすごい早さで減っていく貯金に焦りを感じる。

『描かねば!!!!』

エッチなイラストを2枚だけ描いた。

2023年9月

ブルーアーカイブにハマる。
ブルアカパワーでちょっとだけ描く。


2023年10月

Youtubeで「いつまでも練習ばっかしてないで仕事受けちゃえ」的な動画を見る。

思い立ったらすぐ行動。
コミッションサービス「skeb」に登録を済ませた。

設定金額は2000円。

即時、差分イラスト制作の依頼が来た。

初めての依頼に舞い上がりながらもなんとかイラストを描き上げた。

『2000円はさすがに安すぎたかな』
時給換算したら100円以下。

イラスト納品後、金額は5000円に変更した。

『5000円じゃ依頼来ないか・・・?』と言っていたのもつかの間、
依頼が2件舞い込む。

めちゃくちゃ嬉しかった。
少なくとも5000円以上の価値は感じてくれている。

早速イラスト制作に取り掛かった。

1件を納品したところでまた依頼が来た。
その次の日も依頼が3件。

『ど、どうなってんだこりゃ・・・』

どうもR-18イラストは需要が高いらしい。
みんなエッチな絵好きだもんね。しょうがないね。

この時点で、「差分イラスト」3件、「4p程度の漫画」2件 の状況。

問題は納期。
依頼はキャンセルすることもできるが全て承認した。

単純に嬉しかったし、依頼者の期待に応えたかった。
自分のスキルアップにもなるだろうと。

・・・だがこの判断は完全に過ちだった。

人ひとりの作業量には限界がある。
俺はキャパオーバーでパンクしてしまった。

それも当たり前だ。
つい先日、仕事を始めたばかりのただ絵描き歴だけは長い初心者だからだ。

それでも、依頼が来た順番通りに仕上げようと踏ん張った。

自分が納得できないクオリティの低いものは絶対に納品したくなかった。

思うように描けず、時間だけが過ぎていく。
描いては消して丸一日何も進まない日もあった。

なんとかイラスト2件、漫画1件を納品し、残りの漫画もペン入れ直前まで進んでいたがタイムリミットがきてしまい、2件はキャンセルとなった。

一応、クリエイター都合のキャンセルにデメリットはなく、支払われた料金も全額返金される。

されるのだが、俺は心も身体もズタボロになった。
依頼者の気持ちを踏みにじってしまった気がしたから。

実際、考えすぎで依頼者は何も思ってないかもしれないが、もう他人や企業等からの依頼で描く仕事はできないと感じた。

きっとプレッシャーで潰れてしまうだろう。

『もう・・・本当にやめよう』 
俺はまた筆を折った。

『またですか・・・』
『描いては辞めて、描いては辞めて・・・同じこと何回やるんだよ』
『仕事まで辞めちゃってさぁ、この先どうすんの?』

心の中の自分にそう言われた気がした。

大丈夫、もう終わりにするよ。

2024年1月

大好きだった祖父が天国へ旅立った。

葬儀中は堪えていたが、最後の最後に涙が溢れてきて止まらなかった。


葬儀を終えて実家に向かう。
いったい何年振りだろう。


自分の部屋には本棚にも押し入れにも収まらないほど大量の漫画があった。

『俺、ほんとに漫画大好き小僧だったんだな』


学習机に河合じゅんじ先生のサイン色紙が飾られていた。

『小学生の時のやつね・・懐かしいな』

机の引き出しから、高校の頃に描いた絵が出てきた。

『なんだ・・・俺、ちゃんと上手くなってんじゃん』



その夜、両親に仕事を辞めた事を話した。
激高するかと思ったが、返ってきたのは優しい言葉だった。

『お前が選んだ道なら頑張れ』

『本当に困ったら実家に戻ってきていいから』




正直に言うと絵描きの人生を、生きるということを半ば諦めていた。

なんて自分勝手なんだ。
仕事を辞めたのも、絵で食っていく事も自分で決めた事なのに。

まだ死ねないし、死んじゃだめだなと思った。



『とは言っても貯金やばいし・・・』

『あぁ言ってくれたけど親に迷惑かけたくないし・・・』



あぁ、そうだ、

『描かねば!!!!!!!!!』


躓いてしまったら、転んでしまったなら、たとえ座り込んでしまったとしても、また立ち上がって歩き出せばいい。

『何度筆を折ろうともまた描き出せばいいんだよな』



ここまでお読みいただきありがとうございます。
拙い文章で申し訳ありません。

思わず長文自分語りしてしまいましたが、DL同人に奮起する男の物語としてゆる~く楽しんでいただければ幸いです。

Navi

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