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コント集

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オチのない世界で僕らは一体何を語ればいいのだろう。
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固定された記事

もしも世界からうどんが消えたなら

 閉店ギリギリのはなまるうどんに入ってきた男と女は店の閑散とした光景に唖然としてしばし立…

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リヒャルト・エーベルスとギュンター・ホープの対話

 世紀を代表する哲学者二人が半世紀前に初めて会見しその時に小一時間程交わした対話とその後…

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侍の本懐

 白装束の男は短刀を目の前に座っている二人の男に見せながら口を開いた。 「これぞ侍の本懐…

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愛はお金で買えない

「愛ってお金じゃ買えないよね」  と彼女は語尾に力を込めて言った。僕はそう言った彼女の強…

14

退職届

拝啓  ゴールデンウィーク中のところ失礼します。突然ですが、私須玖八女類は五月をもちまし…

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計算づくのジ・エンド

 何もかもが計算づくのようだった。彼女の企みは三流小説のようにプロットが丸見えだった。レ…

秋(空き)時間
2週間前
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桜とうどんの相乗効果

 皆さん、お久しぶりです。雉を世話していたせいで、記事を書くのをおろそかにしていました。山にいるとホントに時を忘れて、トキが核戦争でとっくに絶滅していた事なんて忘れてしまいそうになります。気づいたらもう桜は散って、ギリギリ花が残っている木ももう葉桜です。一体どうしてこんなに時が経つのが早いのでしょうか。やっぱり時間が経つのを早く感じるのは年齢を重ねたからなのでしょうか。全く年は取りたくないですねえ。  しかしまぁ、だけど花見はやったんですよ。去年はすっぽかしてしまったんで、

ひとちがい

 三連休の大阪。ここはなんば駅の高島屋前。緊張で震えながらアコースティックギターを手に歌…

秋(空き)時間
1か月前
14

涙の初任給

 四月から五月になり、初めて尽くしの世界で働いた成果がもらえる日が近づいてきた。  ぼく…

秋(空き)時間
1か月前
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文学の授業『人間失格』

 今、国語教師史岳守は現代文の授業で太宰治の『人間失格』について語っていた。史岳は元々文…

秋(空き)時間
4か月前
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旅立ち 〜心にうどんを抱きしめて

 四国の山中にあるとある駅。そこから今私は旅立とうとしている。行先は東京だ。東京に進学す…

秋(空き)時間
1か月前
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カリスマ指揮者朝ドラに出る!

 我らがカリスマ指揮者は常に忙しい。フォルテシモで名高い指揮者大振拓人は二十代にして自ら…

秋(空き)時間
1か月前
15

愛が終わる時

 大切なものが一瞬にして壊れてしまう過程をこの目で見た。結婚から数年たったあの日に起きた…

秋(空き)時間
1か月前
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有名になるために今できる事

 とある俳優養成所ニ回生の高松紀夫は怯えたり、びっくりするシーンがなかなか上手く、教官の俳優や演出家に目をかけられていた。高松は教官たちの伝でホラー映画や舞台にちょくちょく出ていた。とはいっても別にメインキャストではなく端役である。しかし教官たちは高松の将来性を見込んでおり、いずれ立派なバイプレイヤーになると思っていた。  だが当の高松はその自分の扱われ方に不満を抱えていた。彼は生まれてからずっと自分がスターになる男だと思っていた。自分は田舎ではあり得ないぐらいのイケメンだ