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『全裸の王子様』

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『全裸の王子様』用語解説、設定(仮)

『全裸の王子様』用語解説、設定(仮)

全裸の王子様 設定集
様々な設定と、その他諸々。

〜時代設定、舞台
 
この作品は、西暦約600年頃のアラビアあたりをモチーフになっております。

分かりやすく言えば、"マギ"や"Re:ゼロ"のように、上裸の上にルフィのようなひらひらの上着を羽織るのが許されるような時代です。

街並みも平たく言えば洋風です。
煉瓦造りの家、竜車、などが出がちです。

〜用語解説、設定一覧

・天能
これは個人が

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全裸の王子様 #00

全裸の王子様 #00

0話 『条件は満たした』

"祐希、愛してる"

母の言葉を目覚ましがわりに、祐希は目を覚まし、精神的に重い身体を起きあげる。

祐希:おはよう、お母さん

その一言と共に、窓の外の太陽を眺め、体全体で光を浴びる。

祐希:お母さん、私ね、もう諦めるよ…

祐希:ごめんね

祐希:もう…待てないんだ…だから…

祐希:あっ、やばい、もう行くね!じゃあまた明日、明日ようやく会えるからね…

その一言

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『全裸の王子様』を読む前に皆様へ。

『全裸の王子様』を読む前に皆様へ。

前書き

おはようございます、こんにちは、こんばんは、なとなとのなっとです。

今、新たに"俺と言えばこんな挨拶だな"と言うのを確立しようとチョケましたが、今回は異能系作品を更新するにあたり、前書き&noteの使用感について探りを入れてみました。

まずは、この前書きと、プロローグ(0話)を読んでいただきありがとうございます。

初めての異能系、そしてめんどくさい前書きをも目を通していただき、大変

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全裸の王子様 #01

全裸の王子様 #01

1話 『最悪な登場』

私を助けてくれた人…それは――、



普通、"暴力"なんて、人気のない場所か、その行為自体が許される場所で行う物だ。

しかし、人で溢れ返った街の真ん中で、その愚行は行われていた。

長男:おいっ!俺が受け取る前にさっさと荷物持てやっ!こんの…ノロマがぁっ!

上品とはかけ離れた言葉遣いを使う男は、勢いのまま、前方を歩く荷物待ちの少女の背中を強く蹴っ飛ばした。

??:

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全裸の王子様 #02

全裸の王子様 #02

2話 『全裸無双』

時が止まる、というはこういう事だろうか。

騒がしく群がる群衆の囲いの中に、突然、一人の少年が飛び込んできた。

綺麗な顔立ちをした少年だった。

艶の行き届いた少し長めの黒髪、中世的だが凛々しい瞳。何よりも笑顔が似合いそうな柔ら面構え。鍛え上げられた肉体美。そして、年相応に成長した彼自身の彼。

先ほどまで絶望の淵にいたはずの祐希は、目を手で覆い隠し普段通りの乙女な一面を見

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全裸の王子様 #03

全裸の王子様 #03

3話 『相対する盗っ人達』

〇〇:見せてやんよ…俺の天能…《立替》をよぉ!

長男:た…《立替》…?

得体の知れない全裸少年の、明かされた天能にフロックは反応を示す。

しかし、〇〇の行動は天能を使用する者では、ありえないほどの愚行を行う。

自身の天能の"テーマ"を明かす事。それは天能使用者同士の戦闘中において"圧倒的不利"もしくは"敗北への一手"と呼ばれるほどの物だった。

しかし、少年は

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全裸の王子様 #04

全裸の王子様 #04

4話 『拠点帰り』

からからからと、晴れ渡る空の下で馬車は、軽快な音を立て街道の道を進む。

白くまとまった毛並みが特徴な馬は、背に一人の人間、荷台には二人も載せるにも関わらず、ペースを落とす事なく進み続ける。

〇〇:ごめんなさい、無理言って一緒に乗せてもらっちゃって…

荷台の"入り口"と言うべきなのか?青いカーテンで仕切りを作られた場所から〇〇は顔だけを外に出し、覗き込むよう運転手に話しか

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全裸の王子様 #05

全裸の王子様 #05

5話 『新たな家族達』

朝、目が覚めると、毎日のように絶望していた。

恐る恐る、瞼を開くと、目前に飛びこんでくるのは、まだ明けきっていない暗い空だった。

重い瞼、なかなか起き上がらない体と気持ち、そして絶望する自分自身。

奴隷として生きていた祐希の朝は、"生きたまま訪れた地獄"そのものだった。

しかし、今日、彼女の朝は、一変した。

あやめ:あ、起きた…うふふ、おはようございます、祐希さ

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全裸の王子様 #5.5

全裸の王子様 #5.5

5.5話 『鬼の怒りの収め方』

美波:こんのバカちんが!!!私がどれだけ〇〇様のことを心配してたか!このっ…バカ!!



美波さんの説教が始まってから、かれこれ一時間ほどが経過していた。

美波:まず第一に言いたい事!買い出しに丸一日もかかりますか?!いいえ!かかりません!

美波:となると!私達も必然的に心配するでしょ?!

美波:だって連絡がないのですから!

激昂した美波さんは、俺の相

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全裸の王子様 #06

全裸の王子様 #06

6話 『屋敷案内と緊急報告』

あやめ:じゃあ、早速!屋敷の中を案内するついでに探検するよ!祐希ちゃん!

お互いの自己紹介が終わり、お互いの愛称が決まった途端、あやめは祐希の手をひっぱり、ありえない広さを持つベットから勢いよく飛び出した。

祐希:はい!あやめん様!

――ふふっ、あやめん様…かわいぃ…

あやめん様と祐希ちゃん。普通、主人と召使いという間柄では、このように親しみの籠った愛称など

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全裸の王子様 #07

全裸の王子様 #07

7話 『馬鹿で雑魚な外道共へ』

〇〇:うっわぁ、すっ……ごい人数…

三階の階段を登り、〇〇は屋外へと飛び出し、家の前に群がる人間達を見渡し、感嘆した。

彼らの住む屋敷は、屋根のない造りなっており、三階に上がるとバルコニーのように入り口辺り全体を一気に見通せる部屋が存在していた。

祐希:みなさん…本当に…ごめんなさい!!

祐希とここに来たら、せっかくの良い見晴らしができる場所だよ。と紹介し

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全裸の王子様 #08

全裸の王子様 #08

8話 『一対一の三つ巴』

普段、閑静で静かな岩本家の屋敷の前は、大勢の兵士達によって戦場と化していた。

兵士たちの怒号に傷つく屋敷の右翼側、戦いを行っていたのは美月だった。

剣を持つ兵士は、無謀にも真正面から美月に斬りかかる。

美月は容易に、剣でそれを受け止め、防ぐ。

しかし、槍を持った兵士は、美月を貫かんと、殺意を込め、背後に隙が生じた美月、目掛けて槍を突き出す。

槍兵:うあぁぁぁぁ

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全裸の王子様 #8.5

全裸の王子様 #8.5

8.5話 『それぞれの持つ力』

祐希:皆さん…本当に大丈夫でしょうか…

蓮加とあやめにより保護された祐希は、戦場に出向いた四人の身を案じながらバルコニーからその勇姿を眺めていた。

あやめ:祐希ちゃん…

蓮加:大丈夫だよ、あの四人は簡単に死んだりなんかしない…絶対に…

まるで蓮加自身にも不安な気持ちがあるのか、自分に言い聞かせるよう噛み締めながらそう言った。

蓮加:あっ、そういえば、私ま

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全裸の王子様 #9

全裸の王子様 #9

9話 『嫌いな人間の定義』

各々が命を賭け、重みや情熱は違えど、互いの主人からの言葉を守るため、戦争は激化する。

無数の命を葬りここまで来た者達は、互いに目の前に立ちはだかる一人の人間を屠るため、死力を尽くす。

美波:はぁぁああぁ!!

美波の叫び声と共に、切先の鋭く尖った薙刀は、空を切り、ゼファルドの脳天を目掛け、大きく縦に振われた。

しかし、ゼファルドは、予知していたかのように美波の薙

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