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インド人経営者が世界の企業を牽引する理由

 シリコンバレーを中心に、グーグル、マイクロソフト、アドビ、ツイッター、IBM、マイクロンテクノロジー、VMware、パラレルネットワークスなど、世界的なIT企業の経営陣にインド人CEOが多数存在しています。この事実は、2021年の論文で明らかになっています。

 「フォーチュン500社企業の30%、そして世界のハイテク企業の10%がインド人CEOによって率いられている」

 こうしたインド人経営者の台頭を支えているのが、インド人学生の留学です。アメリカの大学の留学生ランキングでインド人は中国に次ぐ2位の人気となっていますが、両者には大きな違いがあります。

 「中国の学生は多くが卒業後に中国に帰国し、中国企業に就職したり起業することが多い。一方、インド人学生はそのままアメリカに残って活躍する人が多い」

 インドから多くの優秀な人材が生まれる背景には、人口の多さに加えて教育環境の影響が大きいようです。

 「インドの義務教育年数は8年で、大学進学率は10%と低い。しかし14億人の国民人口から見れば、大学に進学する人数は多い」

 そして有名なインド工科大学(IIT)に合格できた学生は、エリート教育を受けられます。

 「IITの難易度はハーバード大学やMITより高いと言われ、過酷な受験戦争を勝ち抜いた学生が入学する」

 さらにITなどの新興業界では、伝統的なカースト制の影響が少ないことも有利に働いています。

 「IT業界のようにカースト制の影響を受けにくい新しいビジネスでは、カーストを超えて成功する好機会となる」

 こうしたインドの環境と対照的なのが、日本の状況です。優秀な技術系学生の多くが英語圏の国を希望する一方で、外国人労働者受け入れ制度の問題点も指摘されています。

 「技術系学生の多くが英語圏の国を目指す。一方、日本の外国人労働者受け入れ制度には課題があり、改善の余地がある」  

 日本が世界の優秀な人材を惹きつけるには、労働環境の整備などさらなる取り組みが必要そうです。

 一方でインドでは、人口が豊富で優秀な人材が育つ環境、実力主義が徹底された新興分野の発展などが、インド人経営者の台頭を後押ししています。将来的にさらに多くのインド人経営者が世界の企業を率いる可能性は高そうです。

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