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自分にとってのフットボール(W杯編②)

南アフリカW杯のラウンド16でPK戦の末に惜しくも敗れベスト8を逃して
9位に終わった日本。
大会前の期待値から考えると過去最高と言える成績には驚かされた。
同時にさらに上に行くにはまだまだ足りないものがあると実感させられた。

ザッケローニ監督を招聘し、『自分たちがイニシアチブを取るサッカー』を目指してブラジル大会に向けて再始動。
香川真司ら海外でプレーする選手も増え、勢いそのままに2011年のアジアカップでいきなり優勝。
完璧なスタートだった。

2012年のロンドン五輪では初戦でスペインを撃破し、メダルまであと一歩の4位という結果を残す。
そして柿谷(五輪はメンバー外だったが)、清武弘嗣、山口蛍らイケイケなセレッソ軍団がA代表に入るように。
そんなタイミングの2013年、生涯で唯一の代表戦を観に行くことが実現。
相手はウルグアイでスアレスやフォルランに感動しながらも、本田と香川のゴールで日本も気を吐き2-4。
親善試合とは言え、(2002年にトルコに敗れた)宮城スタジアムでの一戦はかなりエモいものがあった。

2013.8.14 日本×ウルグアイ at 宮城スタジアム

2014年のブラジルW杯本大会、川崎フロンターレで大覚醒した大久保嘉人がサプライズで加わり個人的には過去最大にワクワクしいた。
ところが初戦のコートジボワール戦、本田のゴールで先制するもドログバという漢の途中からの出場で空気が一変し、あれよあれよと逆転負け。
続くギリシャ戦では10人になった相手に勝ち切れず、ハメス・ロドリゲスを擁する粉砕され、未勝利で終えることに。
期待していただけにショックはかなり大きかった。
ちなみに日本がスペインを目指していたのかは分からないが、ポゼッションサッカーを攻略された大会でもあり、トレンドの潮流の速さ痛感させられることに。

そして2018年ロシアW杯へ向けアギーレ監督を経て、ハリルホジッチ監督が就任。
「縦に速く」というキーワードが独り歩きし、つまらないサッカーと言われ賛否両論だったが、今でこそ当たり前になった「デュエル」を落とし込んだのはハリル監督である。
忖度しないメンバー選考は嫌いじゃなかったし、強化試合で結果は振るわなかったものの、本大会に向けておそらく策を用意していたと思うと2ヶ月前での解任は残念だった。
引き継いだ西野監督の現実的なサッカーでグループリーグを突破して、あのベルギーとの死闘に興奮したのは確かだが、それとは切り離して考えたい。
ハリル監督でのその先を見たかったし、4年間の評価がうやむやに終わってしまったことには正直に言って今でもモヤモヤしている。

そしていよいよ森保監督へバトンタッチ。
日本人がやるというところと、予選が免除される東京五輪の監督との兼任というのは良いのでは思っていた。
しかし、コロナで強化プランはぐちゃぐちゃに。
それでも1年延期された五輪では4位という好成績を残した(久保の涙が忘れられない)
その中で1つ気になったのがあまりターンオーバーしないことと選手交代の遅さだった。

日程がずれ込んだことで結果的に照準が合った選手もいただろうし、これが平時だったらどうだったかと考えることはナンセンスかもしれない。
でも五輪組をもっとじっくりフル代表にフィットさせられる時間があって、コロナ対策で合流が直前になったりがなければ、あんなに苦しい最終予選にならなかったような気がする。
もちろん苦しむことで学びと成長があるし、それも悪くない話である。
そして本大会が普通に夏だったら南野のコンディションが違ったのかもしれないし、逆に鎌田があそこまで爆発的じゃなかったかもしれないし…そう、ただのタラレバである。
あの選手がこの選手がのタイミングは毎回つきものだが、カタールW杯では他国も含めてそういうことが顕著だった。

冬開催という違和感を抱えたまま迎えた本大会、決断の遅さに不安を感じていた森保監督が別人のような攻めの采配を見せてくれた。
ドイツ戦とスペイン戦の奇跡の逆転勝利は歴史に残るし、そういった戦いをコンスタントにできるようにしていくことがこの先の4年に問われる。
そういう意味ではクロアチアには学べることが大いにありそうだ。
難しい時差ではあったが、日本戦4試合と決勝をリアルタイムで観ることができた。
奇しくもドイツ在住の友人がいることでオンラインながらも仲間で騒いで、2010年の楽しさを超えたような気がする。

期待した時に限って裏切られたり不安な時に覆されたり、何が起こるか全く分からないのがW杯。
だからこそ勝利の味は格別。
この先もっとヤバい新しい景色を見せてくれよ―――。



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