2000万円貯まったので全財産と教訓を公開する
早いもので1月も後半戦となりました。おかげさまで博士論文のほうはそこそこ進んでおり、この土曜日も3時間半(!)かけて先輩に指導していただいたところです。マジで果てしないな。
さて、そんなわけで大好きな浪費もできないままに日々を送っていたところ、いつの間にか老後2000万円問題が解決していました。
というわけで今日は夏野の全資産を公開するとともに、「全財産600円」みたいな生活から今に至ると金銭感覚がどう変わるかをまとめてみたいと思います。
夏野の全財産
はじめに、夏野の全財産を公開しておきます。「ポケットに入れて忘れた小銭」などを除けば、現時点での夏野の資産はこの通りです。
いや2000万円ないやんけ。ちょっと足りなくてすみません。月末に報酬が振り込まれれば確実に超えるので、許してください。
(2024.1.25追記)
確定拠出年金(iDeCo)のことを忘れていました。確認したところちょうど55万円ほど貯まっていたので、タイトル通り2000万円貯まっていました。
貯まるまでどのくらいかかったか
このnoteで書いた通り、夏野は法人化とほぼ同じタイミングで奨学金を全額返済し、財産がすっからかんになりました。
上掲したのはそのあとに貯めた金額なので、だいたい2年〜2年半ほどかかった計算になります。
これを早いと感じるか遅いと感じるかは人によるでしょうが、浪費家の夏野にしてはまあまあ早めに貯まった印象を持っています。
なぜ2000万円を一区切りとしたのか
とくに理由はありません。「老後2000万円問題」が時事問題になったとき、「じゃあ、2000万円貯めればハチャメチャな生き方してもいいってことだな?」と思っただけです。
マラソンでもそうですが、目標もないのに頑張り続けるのはなかなかしんどいものです。
とくに夏野は生きることへの期待が低いというか、自分の母が早死にしているのもあって、放っておくと「36歳で死ぬライフプラン」しか考えられないんですよね。年金受給年齢まで生きられる気がしない。
そこで、「とりあえず老後に必要な資金が貯まるまでは生きよう」と決めました。
ちなみに、次の目標は5000万円にしています。これも根拠のある目標ではなく、「フリーランスの場合は5000万円くらい貯めておかないと真の安心にはつながらない」みたいなのをどこかで読んだためです。
長い人生、目標がないと容易に生きる気力を失うので、夏野の場合は分かりやすく金額を目標に掲げたのでした。
貧乏暮らしと後遺症
ここからが本題です。冒頭の部分でも少し触れたとおり、夏野は長らく貧乏生活を送りました。築100年・家賃1万2000円の家でシロアリと共同生活を送ったり、この記事↓でも書いたように工場で働いたり。
借金こそしなかったものの、かなりギリギリの生活でした。
(ちなみに工場では、「さあ、今日は800箱仕上げましょう!」とかいって働いていたら、「あんた、元気ええやん!」と可愛がってもらいました。)
で、そういう貧困生活を送ると、中長期的な資金繰りだとか、適切な金銭感覚が身につきづらいんですね。
分かりやすく言えば、「自炊をすれば1食100円程度で済むから、こういうレシピをどうのこうのして」みたいな複雑なことが考えられない。
1食100円に抑えればええんやな、オッケ。みたいなロジックのもと、やっすいパンだけ食べる暮らしが始まります。
(ここでは分かりやすく食べ物を例に挙げましたが、「洗濯機が買えないので毎日コインランドリー」とか、「家賃が払えないのでネカフェ難民」とかは、こうやって発生します。)
そんな状況から年商3000万円を超えるとどうなるかというと、シンプルにどうすればいいか分かりません。
たとえばスタバなんかは、貧乏時代には雲の上の存在でした。それが今ではLINEからモバイルオーダー&ペイして、市ヶ谷を颯爽と歩けるわけです。
気持ちが良いので、調子に乗って旅行とか行っちゃう。すると「あれっ?クレカの請求が50万?」みたいな感じで、あっという間に破綻の足音が聞こえてきます。
貧乏が怖いのは、後遺症が残ることです。
本当だったらできたはずの買い物なり、旅行なり、青春なりが「できなかった」という傷が、資産を持ったときに暴れ出す。これをなんとか健全に解消していくのが、この2年半の課題でした。
目標金額を貯めるためにしたこと
そんなわけで、この2年半では、以下に挙げる3つの対策を行いました。
投資信託に可能な限り突っ込む
金のかからない予定を詰め込む
安全圏で浪費する
(1)投資信託に可能な限り突っ込む
まず(1)投資信託に可能な限り突っ込むですが、具体的には、月額35万円くらい投資信託で積み立てています。銘柄については本筋から外れるため割愛しますが、けっこう力強く伸びていて、今のところ+15%前後で推移しています。
が、ここで説明したいのは資産が「増える」メリットではなく、「(浪費によって)減らない」メリットのほうです。
我々浪費家というのは、手元にお金があると使ってしまうんですね。この悪癖は、株で損をするよりよっぽど危ない。
ワケのわからない使い道に消えてしまうくらいなら、安全性の高い投資信託に突っ込んでおいて、ちょっとやそっとでは引き出せないようにしておいたほうが良くないですか?
投信ならば、たとえ一時的に価格が下がったとしても、二度と帰ってこない「浪費」よりはよっぽどマシなはず。
そういう判断から、生活費と一時的な出費に備えるお金、ちょっとした遊興費以外はなるべく投信に変えるようにしています。狙うは、「生活がカツカツ(なので、浪費する余裕はない)」と感じるライン。名付けて擬似カツカツ法です。
擬似カツカツ法、浪費に悩む方にはとても効果的だと思うので、ぜひやってみてください。(もちろん、自己責任で。)
(2)金のかからない予定を詰め込む
(1)擬似カツカツ法を「金銭的な余裕をなくす」方向とすれば、(2)金のかからない予定を詰め込む、は「時間的な余裕をなくす」方向です。
そもそも、忙しければお金を使いにいく時間なんてないんですよ。それが証拠に、博論で本格的に忙しくなってからは貯金のペースも上がっています。
夏野の場合、仕事か、研究か、気心の知れた人との会話か、だいたいその3つで予定を満たすことにしています。
これに関してはそれぞれのお好みがあるでしょうので、ぜひベストな方法を考えてみてください。
(3)安全圏で浪費する
さて、(1)(2)の対策をとれば、手元に残っているのはスッてもいい金ということになります。じゃあどうするか?好きな方法でスりましょう。
ダイエットもそうですが、欲求をただ抑えるだけではいずれ爆発するときがやってきます。「お菓子は一切禁止!」とするよりも、「低カロリーなお菓子なら週1までOK」としたほうがキレ食い・ドカ食いのリスクを下げられるのと同じです。
夏野の場合、貧乏時代から欲しかったサンローランのバッグはとりあえず2つ買いました(小さいやつと大きいやつ)。学会や仕事に必要なスーツも、中途半端なものを買うよりはとフルオーダーで作りました。
買ってみると、良い値段のするものは質が良く、飽きがこないことが分かりました。おそらくですが、この先バッグとスーツに浪費することは二度とないでしょう。「一生」という単位で考えるならば、合計100万円以内で済んで良かったとすら思います。
いまだに抑えきれていないのが旅行とギャンブルに対する欲求ですが、旅行に関してはコロナ明けで出張仕事や学会が増えてきたこと、ギャンブルに関しては「どうせ国内では賭博できないしな」という諦めが解決してくれつつあります。最後に救ってくれるのは仕事と研究なんですね。
七転び八起きで学んでいこう
なんだか綺麗にまとめましたが、もちろんすべてが前向きな消費だったわけではなく、「なんでこんなことに金を使ってしまったんだ……」という失敗も数えきれないほどしています。というか、そうじゃなかったらもうちょっと早く2000万円貯まっていたことでしょう。
でも、はじめからうまくいくことなんてこの世の中にはありません。初めて自転車に乗るときのように、ある程度は転んで痛い思いをしなければ、正しい金銭感覚は身につかないのでしょう。今年もなんとか破滅しないように生きていきたいと思います。
とっても嬉しいです。サン宝石で豪遊します。