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同僚を「欧米人」と一括りにしても大丈夫?

欧米人、という言葉からどんな人を想像しますか。
どんな文化の人たちでしょうか。
日本にいる私たちは、つい欧米という言葉でアメリカと欧州を一括りにしてしまうのですが、一緒に仕事をしてみると同じ物事に対して全く異なる反応をすることもよくあります。

ポジティブな言い回し vs 率直な意見

今現在、共に働くメンバーにアメリカ人女性とオランダ人女性がいます。二人も私も、人事としての経験がある程度あり、子育てもしていて、バックグラウンドとしては共通点が多い方だと思います。

面白いことに、何か意見を求めたときの、特に反対意見の表明の仕方が全く異なります。

ある時、私たちがどの程度社内の人材をコーポレートメディアで取り上げているのか、その数をどう計測していくかという議論がありました。たたき台として出した日本(本社)からの計測方法は実現するのは難しいね、という議論の方向性だったのですが、その表明の仕方に大きな違いがありました。
アメリカ人同僚は、「提案ありがとう。この方法もいいけれど、もしかするともうちょっと自分たちの状況に合ったやり方があるかも知れない。ちょっとやり方を自分たちで考えてみてもいいかしら」と言いました。
オランダ人同僚は、「これは無理。自分たちには出来ない」と言いました。

上記同僚とは別の話ですが、こんな話を聞いたこともあります。
ある日本人女性が美容院へ行き、久しぶりに前髪を作りました。それに対する反応としてオランダ人が「あなたその髪型似合ってないよ」と言いました。

さて、この二つの例で何を感じますか。
キツイな、とか、失礼な反応だな、と感じてしまうかも知れません。
私も何も経験がない中でこういった発言に出会ったら、否定的な反応をしたり感情を抱いていたかも知れません。

個人レベル、国民文化レベルでもこんなに違う「欧米」

同僚とのやりとりの例で言うと、私はそれまでそのオランダ人同僚と仕事をしてきているので、彼女が率直な発言をしたんだなと捉えました。
髪型の話の例で言うと、似合わないと言ったオランダ人は、相手がもっと素敵になるようにという気持ちで発言しており、友人だからこそ、似合わないことを指摘しない方が逆に失礼だと考えてのことでした。

アメリカ人は例にあげたような、まろやかでポジティブな表現が多いなと感じます。
英語はYes / No をハッキリと、と習ってきた人にとっては驚きがあるかも知れませんが、ビジネスシーンで言うと、日本人の方が言い方がキツイという場面が多々あるほどです。

もちろん、個人的な性質やコミュニケーションスタイルにも大きく影響されるので、アメリカ人はこう、オランダ人はこう、と一般化するつもりは全くありません。
今回は欧州の中のオランダを取り上げましたが、欧州はもちろん他にも様々な国があり、それぞれに異なる国民文化もあります。


まとめ

日本とは時差も大きく地理的にも遠い欧米ですが、実際は「欧」と「米」は似ている部分もありつつも一緒ではなく、やりとりをしてみると大きな違いに気づくこともあります。

ビジネス上、「欧米」という言葉でまとめて扱うことも多いのですが、仕事を進めていく時には人同士のコミュニケーションになります。
そんなとき、いつも自分で自分に言い聞かせているのが「自分のモノサシに照らして相手の言動の良し悪しを判断しないこと」。
私たちは無意識のうちに自国の文化のメガネをかけてものごとを見ています。見ていることに加え、良い悪いの判断もしてしまいます。

文化には、良い悪いは無い。
ただ違うだけ。

ということを忘れずに周囲とのコミュニケーションをとっていきたいですね。


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