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消防士とボヤを起こした話

性的な話題が含まれますので苦手な方はスルーしてください。
おちんこだりもしたけれど、わたしは元気です。

タイポグリセミア現象

先日、いつの間にか私のnote担当編集者となっていたらしいAYAさんの記事にコメントしに行ったところ、こんな返信を頂きました。

「さあ書け」と圧をかけてくる

下戸の男との話を書けと仰る。
というわけで今回は私が付き合った、とある下戸と物理的に燃え上がった話です。



下戸の男

説明するまでもないとは思うが、下戸とは酒を飲めないor酒が嫌いな人のことである。
酒飲みは相手が下戸だとちょっと遠慮してしまう。

本当はもっと飲みたいと思っていても、相手がシラフなのでこちらもある程度正気を保っていないと申し訳ない。
いや正気を失うほど飲むなって話だが、酔っぱらい同士でベロンベロンになることほど楽しいものはないのだ。

そういったわけで私は下戸の男と付き合ったことがほとんどない。
が、記憶をサルベージしたら、ひとり強烈な思い出をくれた下戸がいたのを思い出したのだ。

この話はAYAさんに捧げます。
あ、みなさんも「これこれこんな男と付き合った話があったら読みたい」などのリクエストがあったら遠慮なくどうぞ。
キッカケがあると昔の話も思い出せますので。



やさしさに包まれたなら

東京ディズニーシーが開園して数年経った頃なので、おそらく2000年代初頭。
当時私は合コンの女王として君臨していた。

この辺の話を始めると長くなるので割愛するが、とある合コンでSOPHIAの松岡充似の男と知り合った。
以降「ミツル」と呼称する。

ミツルは全く酒を飲めない人だが「遠慮しないでたくさん飲んでね」と言ってくれるやさしい人だったので、私は非常に好感を持った。

知り合ってしばらくはメールのやり取りを続ける日々。
その中で「来月誕生日なんだよね」みたいなことを私がポロッと言ったのだろう。
彼から「もし良かったら俺にディズニーシーで誕生日をお祝いさせてほしい」とお誘いが来た。

ランドは何度も行っていたがシーは未体験だったので、私はホイホイ誘いに乗ったのだ。



私の彼は消防士

誕生日当日。
ディズニーシーのアトラクションや餃子ドッグを堪能し、目一杯遊んで気付けばもう辺りは真っ暗。

ふたりでショーを見た後、夜空に打ち上がる花火を見つめていた。
するとミツルから真剣な眼差しで「付き合ってほしい」と言われたのだ。

特定の彼氏もいなかったのですぐに了承し、私たちは花火に祝福されながら付き合い始めた。

と、なんだかいい感じのスタートだったのだが。
その頃、私は色々あって無職だった。
渡りに船とばかりに彼の家へ転がり込み、半同棲生活がスタートする。

ミツルは消防士で、1日(24時間)働いたら1日休み、というシフトだった。
私にお金が無いことを知っていた彼は、仕事に出かける前に「これご飯代ね」と必ずお金を置いていってくれる。

私はもらったお金でスロットを打ったり酒を買ったりして日中を過ごした。
完全にヒモである。
余談だが昔流行った「獣王」という機種で7,000枚出したのが私の最高記録だ。

さてヒモの仕事は料理や洗濯や掃除ではない。
夜のご奉仕がメインである。
私としても得意分野なのでガッツリ働かせてもらった。



多汗症とのセックスは大変

ミツルはセックスの始め方が少し変わっている。
必ず最初に「凛ちゃん、ちょっと服脱いでみようか」とナンパ物AVのようなセリフを言うのだ。
毎回毎回言うので、おそらく彼にとって儀式のようなものかもしれない。

そしてミツルはセックスの最中に大量の汗をかく。
普段は別に汗っかきでもないのだが、何故か行為中の汗の量が凄い。

どれだけ凄いかというと、彼が動く度に下にいる私の顔に汗がボタボタ落ちてくるレベルだ。
顔射ならぬ顔滴。

そのため私は常にタオルを横に置き、汗が落ちてこないように頻繁に顔を拭いてあげた。
さながら手術中の執刀医の汗を拭う助手の気分である。

そんな平和なヒモ生活を送っていたある日、事件が起きた。



消防士の本領発揮

ディズニーシーで告白をするという時点でお気づきかも知れないが、ミツルはロマンティストな男。
夜は部屋の電気を消し、キャンドルに火を灯して過ごすことを好んでいたのだ。

火を見るのが好きだから消防士になったのかな?とも思ったが、もしそうなら闇が深すぎるので訊くのはやめておいた。

もちろん寝る前にはキャンドルの火を消していたのだが。
その日はうっかり消し忘れて寝てしまったのだ。

翌日の早朝。
私はなんだか足元が温かくて目が覚めた。

いや、温かいというより…。
熱い…?

寝ぼけまなこで身体を起こすと、なんと布団がメラメラ燃えていた
おそらく寝返りを打った時に、ローテーブルに置いてあった消し忘れのキャンドルの火に布団が触れて引火したのだろう。

隣で寝ているミツルにあわてて「大変!火事!」と叫んだ。
すると彼はバッと起き上がり、およそ寝起きとは思えない速さで布団をバシバシと叩いて鎮火した。

多分5秒ぐらいだったと思う。
消防士の反射神経は凄い。

ミツルは完全に火が消えたのを確認してから、すぐさま「凛ちゃん火傷してない!?」と私の心配をしてくれる。
燃えた布団から飛んだ羽毛が舞い上がる中、ぼんやりと「消防士の奥さんも良いかもなぁ」などと考えた。



それから

その後半年ぐらいは付き合っていたと思うが、何やかんやで別れてしまった。
理由はもう思い出せない。

ミツルは私がお酒を飲んでいる間、いつもニコニコしながらスプライトやジンジャーエールを飲んでいた。
そういう風に酒の場でも楽しく振る舞える人だったので、私も彼が下戸なことに対して特にマイナスな感情は無かったのだ。

きっと今でも彼は街の人を助けるため、尽力していることと思う。

あんまり下戸の話と絡められなかったけど、AYA姉さんこれで許してもらえますかね…?


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